北海道大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2026年10月20日(火) 10:00~15:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構 、北海道大学
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 創薬
1)リボソームの凝縮化による翻訳阻害を作用機序とした抗菌ペプチド
北海道大学 遺伝子病制御研究所 疾患制御研究部門 教授 野田 展生
新技術の概要
ショウジョウバエ由来Nemuriから生成されるアルギニン・グリシンに富む短鎖ペプチドが、膜を傷つけず細菌内へ侵入し、RNA・リボソームに多価的に結合してリボソーム凝縮と流動性低下を誘導し、翻訳を阻害して殺菌する技術です。
従来技術・競合技術との比較
従来の抗菌ペプチドは膜破壊型が主流で、リボソーム標的抗菌薬も特定活性部位の阻害が中心でした。本技術は膜非破壊で細菌内へ入り、広範な相互作用を介してリボソームの物理状態を変えて翻訳を止める新機序で、多剤耐性菌にも有効性を示します。
新技術の特徴
・膜を傷つけずに細菌内へ侵入する細胞透過性ペプチド
・RNA・リボソームへ多価的に結合し、リボソーム凝縮・流動性低下を誘導
・MRSA、VRE等を含む広範な菌種に活性を示し、哺乳類細胞毒性が低い
想定される用途
・既存薬が効きにくい多剤耐性菌感染症向け新規抗菌薬
・細菌内相分離・凝縮体を標的にした創薬プラットフォーム
・医療機器、創傷被覆材、表面コーティング等への抗菌素材応用
関連情報
・サンプルあり
- 10:30~10:55
- アグリ・バイオ
2)金属ナノギャップ周期構造を用いた簡便な分子群識別方法
北海道大学 大学院理学研究院 化学部門 無機・分析化学分野 准教授 龍崎 奏
新技術の概要
本技術は、金属ナノギャップ周期構造からなるSERS基板と機械学習を組み合わせることで、溶液に分散した分子を簡便に識別する技術である。また、検体溶液中に複数種類の分子が含まれている場合においても、分子群の違いを識別することが可能な技術である。
従来技術・競合技術との比較
核酸分子やタンパク質の識別にはNGSやプロテオゲノミクス技術などで塩基配列を読む方法が一般的である。シークエンス技術は塩基配列まで解析できる一方で、時間的および金銭的コストが高い。本技術は塩基配列を解析しない手法を採用したことで、より簡便にこれらの分子および分子群を識別することが可能である。
新技術の特徴
・溶液に分散している分子および分子群の識別が可能
・最短1秒で分子または分子群の識別が可能
・光学計測のため、複雑なハンドリングが不要
想定される用途
・医療デバイス(検体識別、バイオマーカー検出)
・複雑系溶液の解析(水質検査、汚染水検査)
・大気検査、ガス検査
関連情報
・デモあり
- 11:00~11:25
- 創薬
3)タンパク質凝集抑制ペプチドにより神経栄養因子の分泌を細胞内で回復
北海道大学 大学院先端生命科学研究院 細胞分子機能科学研究室 准教授 北村 朗
新技術の概要
正常眼圧緑内障は視神経の変性を伴う神経変性疾患であり、視力低下や失明に至るが、根治療法は未だ確立されていない。本研究では、視神経細胞内のタンパク質凝集を解消してその内在性の神経栄養因子分泌経路を正常化し、視神経を保護するペプチドを創製した。
従来技術・競合技術との比較
従来の緑内障治療は点眼や手術による眼圧下降が主体で、眼圧が正常な本疾患には原理的限界がある。神経栄養因子の外来投与も送達性・持続性が課題であった。本ペプチドは凝集体を解消し内在性の分泌経路自体を回復させる、眼圧非依存の神経保護技術である。
新技術の特徴
・神経変性疾患のタンパク質凝集抑制または脱凝集による神経生存性向上
・タンパク質相互作用阻害
・エキソサイトーシス異常の改善
想定される用途
・正常眼圧緑内障の予防または治療
・神経栄養因子の分泌効率改善
- 11:30~11:55
- 環境
4)錯形成電気透析で混酸廃液からフッ素資源をリサイクル
北海道大学 大学院工学研究院 材料科学部門 助教 宮下 匠人
新技術の概要
半導体製造等で生じる硝酸・硫酸などを含むフッ素系混酸廃液にアルミニウムイオン源を加え、フッ素の錯体状態を制御した後、カチオン交換膜を用いた電気透析で共存酸から選択的に分離・濃縮する。その後、組成およびpHの調整により氷晶石等の高純度フッ素資源を回収する技術である。
従来技術・競合技術との比較
従来の凝集沈殿法では共存成分も沈殿し、低純度の汚泥が多量に発生する。また、一般的な電気透析ではフッ素と他の陰イオンの選択分離が難しい。本技術は錯形成による電荷制御を利用し、共存アニオンからフッ素を分離して資源化できる。
新技術の特徴
・アルミニウムとの錯形成でフッ素の電荷を制御し、共存アニオンと分離
・フッ素を濃縮し、氷晶石等の高純度資源として回収
・混合汚泥を削減し、酸や処理水の再利用にも展開可能
想定される用途
・半導体・液晶製造工程のフッ素系混酸廃液処理
・金属表面処理、太陽電池・電池リサイクル工程の廃液処理
・氷晶石、フッ化アルミニウム、製錬用フラックスの原料製造
- 13:00~13:25
- 材料
5)超酸耐性BODIPY蛍光色素
北海道大学 大学院工学研究院 応用化学部門 教授 猪熊 泰英
新技術の概要
濃硫酸を超える酸性度を持つ超酸の中でも数日間にわたって安定に蛍光発光する新しいBODIPY色素を開発した。強酸性環境における発光持続性は、市販BODIPY蛍光色素の500倍以上に及ぶ。波長や蛍光特性の制御、強酸材料染色も可能であり、これまでのBODIPY色素の応用範囲を大幅に広げる色素である。
従来技術・競合技術との比較
従来のBODIPY色素は、細胞染色やセンシングに広く使われているが、希塩酸程度の酸性条件において脱ホウ素化が進行し、蛍光特性が失われてしまうという課題があった。本発明は、従来BODIPYが蛍光発光を完全に失ってしまう強酸性環境でも数日以上にわたり量子収率80%以上の蛍光発光を維持できる。
新技術の特徴
・酸性環境下や強酸性材料の蛍光染色が可能
・可視領域の強い蛍光発光を数日間にわたって維持できる
・熱、光、塩基に対しても従来BODIPYを超える安定性を誇る
想定される用途
・強酸性材料(ナフィオンなど)の蛍光染色
・長期間にわたる細胞染色
・強酸性固体やゲルの酸性度インジケーター
関連情報
・サンプルあり
- 13:30~13:55
- 環境
6)光で水中の重金属を回収する微生物技術
北海道大学 大学院先端生命科学研究院 生命機能科学研究部門 生物情報解析科学研究分野
准教授 菊川 峰志
新技術の概要
大腸菌の細胞膜に二種類の膜輸送蛋白質を導入し、光をエネルギー源として水中の重金属イオンを細胞内に取り込む技術である。一方の蛋白質が光からH+勾配を作り、もう一方がその勾配を利用して重金属を輸送する。さらに、条件を変えることで、蓄積した重金属を放出させることもできる。
従来技術・競合技術との比較
化学的沈殿法、活性炭等への吸着法、膜分離法などによる重金属回収方法と比べ、薬品の使用量や二次廃棄物量を抑えられる可能性がある。また他の微生物や植物を用いる手法と比べ、二種類の膜輸送蛋白質を組み合わせ、光エネルギーを与えて取り込みを駆動する点と、条件を変えることで放出も可能な点に特徴がある。
新技術の特徴
・光をエネルギー源として、重金属を細胞内に能動的に取り込むことができる
・生細胞を用いるため、膜タンパク質の精製や人工膜への再構成が不要
・蓄積した重金属を、条件の切替えによって細胞外へ放出することもできる
想定される用途
・めっき、鉱山、金属精錬等の排水や廃液に含まれる有害重金属の除去
・電池・電子部品等のリサイクル工程液に含まれる有用金属の回収
・希薄な重金属を濃縮する、分析・再資源化工程の前処理
- 14:00~14:25
- デバイス・装置
7)単眼カメラ撮影による魚の体サイズ・遊泳状態推定技術
北海道大学 大学院水産科学研究院 海洋生物資源科学部門 水産工学分野 准教授 米山 和良
新技術の概要
本技術は、単眼カメラで撮影した遊泳魚の映像から、画像認識により魚の眼球軌跡を検出し、尾鰭振動周波数を推定することで、魚の体サイズや行動状態を非接触で評価する技術である。従来技術のステレオカメラより計測空間が広く、魚体へのセンサ装着を必要とせず、水槽、生簀、自然海域など幅広い環境で利用できる。
従来技術・競合技術との比較
従来は、尾鰭振動の計測に加速度センサの装着や尾部の直接追跡が必要であり、多数個体への適用や長期間の観測が困難であった。体サイズ推定ではステレオカメラによる計測が必要で高価なシステムが必要だった。本技術は、単眼カメラ映像から眼球軌跡を解析することで、非接触かつ簡便に体サイズや行動状態を推定できる。
新技術の特徴
・単眼カメラのみで尾鰭振動周波数を推定し、魚体へのセンサ装着が不要
・尾鰭振動周波数から魚の体サイズ(魚体長・魚体重)を推定可能
・行動の変化や異常個体の検知に応用可能
想定される用途
・養殖魚の成長管理および給餌管理
・魚の健康状態・異常行動のモニタリング
・水産資源調査や魚類行動研究
- 14:30~14:55
- アグリ・バイオ
8)水産物輸送に必要な氷量を算出するシステム
北海道大学 大学院水産科学研究院 海洋応用生命科学部門 水産資源開発工学分野
特任助教 篠原 祐治
新技術の概要
魚種、魚体重量、初期魚体温度、輸送時間、外気温、氷種、塩分濃度等を入力し、上掛け氷、下氷及びスラリーアイスに対応して、必要氷量、魚体中心温度、残存氷量及び到着時の鮮度指標(K値)を一体的に予測する技術である。経験や安全率に頼っていた氷量条件の比較検討を支援する。
従来技術・競合技術との比較
従来、氷量は経験や安全率等に基づいて決定され、魚体中心の冷却状態、輸送中の残存氷量、到着時の鮮度を事前に把握することが困難であった。本技術は、熱収支計算と温度依存の鮮度モデルを統合し、条件変更後の魚体温度、残存氷量及び鮮度指標(K値)を短時間で一体的に予測し、氷量条件の比較検討を可能にする。
新技術の特徴
・総括伝熱係数を用いて、外部入熱と氷の融解を逐次計算
・上掛け氷、下氷及びスラリーアイスの各冷却方式に対応
・必要氷量、魚体中心温度、残存氷量及び鮮度指標(K値)を一体的に予測
想定される用途
・製氷機・スラリーアイス製造装置への必要氷製造量算出機能の搭載
・水産物の種類・量・輸送条件に応じた氷種・必要氷量の算出
・保冷容器や輸送条件の比較評価及び鮮度管理サービスの開発
関連情報
・デモあり
- 15:00~15:25
- 環境
9)衛星と機械学習を利用した森林バイオマス成長・炭素吸収速度の広域・高解像度計測
北海道大学 大学院農学研究院 連携研究部門 連携推進分野 教授 加藤 知道
新技術の概要
炭素クレジット算定などに役にたつ、広域かつ高い地上解像度(10m x 10m/1ピクセル)で、森林地上部バイオマスの成長速度を測定する技術を開発した。本技術では、航空機レーザー測量データと、人工衛星データおよび機械学習モデルを利用して、1年当たりの成長速度を計算する。
従来技術・競合技術との比較
従来は森林地上部バイオマスの存在量(蓄積量)を推定することには成功していたが、時間変化である成長速度を計測できる点に新規性がある。これにより炭素吸収速度を直接計算できるため、炭素クレジット算定に利用可能である。
新技術の特徴
・森林成長”速度”を計測
・広域かつ高い地上解像度
・入力に必要なデータは無料で利用可能な人工衛星から
想定される用途
・炭素クレジット算定
・木材用材積量推定
・地域の炭素収支推定
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
北海道大学 産学・地域協働推進機構 産学連携推進本部
TEL:011-706-9561
URL:https://www.mcip.hokudai.ac.jp/about/onestop.html
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
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