JST研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)②~ICT、電子デバイス、ものづくり、アグリ・バイオ~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2026年11月20日(金) 13:00~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:00~13:25
- 計測
1)疾患の早期・正確な診断を実現する1分子診断チップの開発
神戸大学 バイオシグナル総合研究センター 教授 森垣 憲一
新技術の概要
多くの夾雑分子が存在する環境中で特定分子を高感度・高選択性で検出できる生物の分子検出機構を模倣し、疾患関連分子(疾患マーカー)を1分子ずつ計測する1分子診断チップを開発した。1分子診断チップを用いて疾患マーカー分子を正確に検出することで、感染症、腫瘍、希少疾患の早期、正確な診断を実現する。
従来技術・競合技術との比較
1分子診断チップは、生体膜の特性である流動性(2次元拡散)とナノ空間を融合することで、夾雑分子が高濃度で存在する溶液中でも疾患マーカーを選択的、高感度に検出できる。また、精製・リンス工程が不要なため、疾患マーカーを迅速にほぼリアルタイム(5分以内)で計測することができる。
新技術の特徴
・生体脂質膜の流動性(2次元拡散)を用いて膜に特異結合した標的分子を選択的にナノ空間に輸送するため、血液や尿など夾雑分子が高濃度で存在する溶液中でも疾患マーカーを選択的に検出できる。
・ナノ空間は厚さが極めて小さいため、夾雑分子混入と背景蛍光を最小限に抑制して検出感度を飛躍的に向上できる。また、疾患マーカーを1分子追跡することで標的分子と夾雑分子を区別できるので選択性が向上する。
・精製・リンス工程が不要なため、疾患マーカーを迅速にほぼリアルタイム(5分以内)で計測することができる。
想定される用途
・病気の診断
・食品検査
・環境中物質の検出
- 13:30~13:55
- 製造技術
2)蚊を真似た針とその穿刺方法で穿刺技術を極める
関西大学 システム理工学部 機械工学科 教授 青柳 誠司
新技術の概要
蚊は柔軟で細い針を鞘状の下唇で支えて座屈を防ぎ、針を皮膚に穿刺する。PETプラスチック製(直径80μm)の注射針と、下唇を模倣した穿刺デバイスを開発し、常識では不可能な極細針の穿刺を可能にした。薄肉にして外径を小さくでき、曲げても元の形状に戻るNiTi製の注射針(直径330µm)も開発し、現行のSUS製針の置き換えを目指す。
従来技術・競合技術との比較
現行の細経な注射針はステンレス製で硬く、バネの復元力を用いて皮膚に衝撃力にて突き刺している。プラスチック製の細経で柔軟な針を、外筒で支えて座屈を防止しながら皮膚に低速で穿刺することで低侵襲を実現する競合技術はない。NiTiパイプのダイレス引抜きによる細経化、それを薄肉で曲げても元に戻る注射針に応用した例も見当たらない。
新技術の特徴
・PET針と穿刺治具:現行注射針に比べて細くて柔らかいものを皮膚に刺すため、低侵襲な穿刺(注射の場合は無痛穿刺)が実現できる。
・NiTi注射針:現行SUS注射針に比べて内径(流量)を保ったまま外径を細くできるため、血管を狙いやすい。超弾性で変形しやすく元に戻りやすいため、血管に沿わせて穿刺がしやすい。
・常識では刺さらない、細くて柔軟な針と、それを座屈させずに刺す技術。相手に傷をつけずに針を刺す分野へ応用できる。
想定される用途
・ワクチンやインスリンの投与、採血などの医療分野における低侵襲な注射
・美容、化粧品業界における低侵襲な薬液投与(ボトックス、コラーゲン等)
・食品、植物、細胞(卵子等)・バイオ操作、文具、アート等の新分野における傷をつけにくい針の穿刺
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 14:00~14:25
- アグリ・バイオ
3)ダイヤモンドマイクロ電極の量産化で高感度局所センシングを実現
慶應義塾大学 理工学部 化学科 教授 栄長 泰明
新技術の概要
ダイヤモンドマイクロ電極の量産化に向けた製造プロセスを開発。量産化した電極により、高感度局所センシングを実現し、アグリ・バイオ分野の健康・食・環境に関わる多様な社会課題の解決に貢献します。
従来技術・競合技術との比較
ダイヤモンドマイクロ電極による局所センシングは、従来のカーボン電極や画像診断、大型機器分析(LC/MS)と比較し、優れた感度・選択性、リアルタイム性、空間分解能、生体適合性、耐久性を全て両立しています。さらに、ポータブル性や運用コストでも優位性があり、薬物動態や脳機能解析など幅広い分野へ応用可能です。
新技術の特徴
・「極小」かつ「高耐久」:生体・過酷環境に常時置けるリアルタイム・センサー
・「高感度」かつ「その場分析」:高精度ポータブル・センサーをフィールドへ
・「高空間分解能」かつ「多点同時測定」:多点センサーアレイによる多次元マッピング
想定される用途
・バイオ・ヘルスケア分野: 体内埋め込み型デバイスやカテーテルと組み合わせた、薬物動態・神経伝達物質の超局所的かつリアルタイムな生体内モニタリング。
・アグリ・食品安全分野: 生産現場や流通段階における、残留農薬、毒性物質、鮮度指標などのをポータブルセンサーでその場計測。
・環境・インフラ分野: 河川・工場排水中の有害化学物質の常時自動監視や、化学プラント内部などの極小・過酷環境下におけるモニタリング。
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 14:30~14:55
- アグリ・バイオ
4)ヒドラジド合成プロセスの酵素触媒化で環境負荷を低減
近畿大学 薬学部 医療薬学科 准教授 石川 文洋
新技術の概要
ヒドラジドやヒドラゾン類は、医薬品、農薬、塗料、接着剤やそのビルディングブロックとして非常に重要な化合物群である。本技術では、多様な置換基や置換様式をもつ安息香酸誘導体を基質として受け入れる、独自に開発した酵素を用い、クリーンで効率的なヒドラジド製造法を提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来の化学合成法は、化石資源由来原料や縮合剤を必要とし、過酷な反応条件に伴う廃棄物・エネルギー消費が課題である。本技術は酵素反応により、多様な安息香酸誘導体からクリーンかつ効率的にヒドラジドを製造できる。
新技術の特徴
・多様な基質に対応する独自酵素
・高効率・高選択的なヒドラジド合成
・化石資源依存と廃棄物を低減する製造プロセス
想定される用途
・創薬研究・有機合成化学に用いるヒドラジドビルディングブロックの製造
・環境負荷の小さい酵素-化学ハイブリッドプロセスによるファインケミカル製造
・ヒドラジド製造用酵素の供給および酵素プロセスへの展開
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- 創薬
5)ウイルス様粒子を用いた標的細胞内タンパク質送達プラットフォーム
九州大学 大学院理学研究院 生物科学部門 教授 吉村 成弘
新技術の概要
本技術は、短いアミノ酸配列「VLPタグ」を目的タンパク質 (POI) に付加するだけで、非増殖性のウイルス様粒子(VLP)内に1粒子あたり1,000分子以上を封入し、標的細胞へ直接送達するプラットフォームです。遺伝子改変を伴わず、一過性かつプログラム可能に、抗体・転写因子・ゲノム編集酵素などの機能性タンパク質を細胞内へ届けられます。
従来技術・競合技術との比較
現在のタンパク質・遺伝子デリバリーはLNP-mRNAとAAVが主流ですが、「折り畳み済みの機能性タンパク質を、遺伝子を残さず・一過性・標的選択的に届ける」という要求には応えきれていません。従来のリポフェクション・エレクトロポレーション・CPP・ウイルスベクターも、細胞標的性・用量制御・毒性・遺伝子改変リスクに課題を抱えます。本技術はEnvによる高い細胞指向性、定量的な用量制御、DNAフリー・非組込み・一過性を同時に満たし、この空白領域を埋めます。
新技術の特徴
・簡便(Simple):目的タンパク質にタグを付けたプラスミドを作製するだけでPOI内包VLPを構築でき、リコンビナントタンパク質の精製は不要。非ウイルス実験としてP1施設で作製可能。
・高特異性・高定量性(Specific):エンベロープによる高い細胞指向性を持ち、投与量を精密に制御可能。1粒子に1,000分子以上(実測~2,000分子)を内包し、約1時間以内に標的細胞内へ送達。
・安全(Safe):標的細胞の遺伝子改変を伴わず、非組込み・一過性に作用。標的細胞内での低免疫原性を示し、残存核酸も設計上抑制。
想定される用途
・ex vivo細胞治療:T細胞・B細胞・樹状細胞への抗体・転写因子・がん抑制因子(p53)送達による細胞エンジニアリング。
・一過性ゲノム編集:Cas9-gRNA(RNP)やプライムエディターを一過性に送達し、DNA改変を残さないゲノム編集を実現。
・ワクチン・疾患治療への展開:抗原送達によるワクチン、血液・固形がん、神経変性疾患(AD・ALS)へのbio-PROTAC/抗体送達など。
- 15:30~15:55
- 医療・福祉
6)次世代抗菌技術:室内LEDで駆動する光抗菌ソフトマテリアル
長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 生命薬科学専攻 准教授 真木 俊英
新技術の概要
LED照明の光を利用して抗菌機能を発現する柔軟なポリマー素材。独自の光応答分子技術により、ソフトマテリアルに光抗菌効果を付与する。抗菌効果は照明強度により制御可能。柔軟性と加工性に優れ、人や環境への負荷も小さいことから、衣類、空調フィルター、創傷被覆材など多様な繊維・プラスチック製品への応用が可能。
従来技術・競合技術との比較
四級アンモニウム、銀イオン徐放方式と比較して、薬剤に依存しない技術で耐性菌へも対応可能。独自の光応答分子技術により自己酸化を受けることなく一重項酸素を安定して生成。酸化チタンの様にソフトマテリアルにダメージを与えない。軽元素のみで構成され、安全、安価、高性能。あらゆる繊維・プラスチックと共存可能。
新技術の特徴
・あらゆる繊維・プラスチックに導入可能
・可視光線があれば消毒が可能
・軽元素のみでできており安全・安価、そして高性能(励起寿命が長い)
想定される用途
・創傷被覆材・包帯等の衛生用品(水や消毒薬が無くても光照射で消毒)
・消臭抗菌デバイス(ファン付作業着内にLED+フィルターで消臭機能付加)
・日常的に人が触れる箇所のプラスチック製品(マウス、ボタン、ドアノブ等)
関連情報
・サンプルあり
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