神戸大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2026年10月22日(木) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、神戸大学
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 材料
1)電荷輸送性と強誘電性を併せ持つ液晶材料
神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 舟橋 正浩
新技術の概要
有機半導体であるオリゴチオフェン骨格の側鎖にフッ素原子と乳酸エステル部位を適切に導入した、新しい拡張π共役強誘電性液晶化合物を開発した。本化合物を一軸配向させることにより直線・円偏光電界発光素子を作製でき、逆極性の電界を印加することにより円偏光の回転方向を反転できる。また、極性反転可能なダイオードを作製できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の有機偏光電界発光素子では偏光面の回転はできない。円偏光の回転方向を反転できる有機電界発光素子としては、二次元ナノ材料に歪をかける方法や有機電界発光素子に強磁場を印加する方法が検討されているが、円偏光の純度は低く実用レベルではない。従来の有機半導体を用いたダイオードは極性反転は不可能であり、メモリーや関連デバイスに用いることはできない。
新技術の特徴
・等温条件下での電圧操作による分極反転機能
・長時間の分極状態保持力(優れたメモリ性・オン/オフ比)
・電界による発光偏光方向(直線・円偏光)の直接制御
想定される用途
・次世代不揮発性メモリ(メモリスタ)
・偏光可変型有機EL(OLED)・光通信・バイオセンシングデバイス
・全有機・フレキシブルダイオード/整流・スイッチング素子
関連情報
サンプルあり
- 14:00~14:25
- アグリ・バイオ
2)切らないゲノム編集技術で高機能乳酸菌の創製を加速
神戸大学 先端バイオ工学研究センター 特命准教授 光延 仁志
新技術の概要
本技術は、DNA二本鎖切断を伴わない塩基編集技術Target-AIDを乳酸菌に適用し、高効率な点変異導入による機能改変株の迅速な構築を実現する。ドナーDNAを必要とせず、複数遺伝子の同時改変も可能である。さらに、編集後にベクターを除去することで、外来遺伝子を残さない非組換え乳酸菌株を迅速に取得できる。
従来技術・競合技術との比較
形質転換法が確立し、目的機能に関与する遺伝子が明確であれば、標的遺伝子を改変した乳酸菌株をおよそ2か月以内に作製できる可能性がある。複数遺伝子の同時改変にも対応し、遺伝子を一つずつ改変する方法と比べて、機能改変株の開発期間とスクリーニング作業の大幅な削減が期待できる。
新技術の特徴
・細胞毒性が低く、従来は遺伝改変が困難であった乳酸菌においても適用できる可能性がある
・複数の遺伝子を同時に改変し、複数機能を組み合わせた菌株を迅速に作製できる
・外来遺伝子を残さない菌株を取得でき、食品、発酵、ヘルスケア、創薬分野への展開が期待できる
想定される用途
・健康機能の強化や好ましくない代謝物の低減など、目的に応じた高機能プロバイオティクスの開発
・発酵性能や有用物質生産能を向上させた、食品・発酵産業向け実用菌株の開発
・既存菌株の作用機序の解明と、製品機能を裏付ける科学的エビデンスの強化
- 14:30~14:55
- 分析
3)食肉に含まれる栄養成分から和牛の美味しい香りを予測する技術
神戸大学 大学院農学研究科 生命機能科学専攻 准教授 上田 修司
新技術の概要
本技術は、牛肉の脂肪組織に含まれる成分を分析し、加熱時に生じる特徴的な香りの形成能力を評価する方法である。分析結果に基づいて香りの潜在的な形成能力を数値化し、牛肉の品質評価、選別および高付加価値化に活用することが可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来の枝肉市場におけるセリでは、歩留まり、脂肪交雑、肉色、脂肪色などの外観や格付評価を基準として、牛肉の品質と価格が判断されている。しかし、これらの指標はお肉のおいしさを直接反映するものではなく、実際に牛肉を加熱した際に感じられる和牛特有の香りや、その形成能力を流通段階で事前に予測することは困難であった。
新技術の特徴
・牛肉の香りを客観的に評価できる
・加熱前の試料を用いた品質評価に応用できる
想定される用途
・牛肉の品質評価および選別
・高付加価値牛肉製品の研究開発
- 15:00~15:25
- アグリ・バイオ
4)ヒト腸内細菌叢invitro培養システムによるヒト腸内細菌叢の網羅的な代謝応答解析
神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科 科学技術イノベーション専攻
特命准教授 佐々木 大介
新技術の概要
ヒト腸内細菌叢へのプレ/プロバイオティクスなどの介入における「個人差」の解明は急務となっている。本研究では、ヒト腸内細菌叢を再現する独自のinvitro培養技術による大規模スクリーニング(約1 万培養)を実施し、データを網羅的解析した。その結果、従来の静的な腸内細菌叢検査では予測困難であった「代謝の不均一性」や、有用菌が増殖しても機能が発揮されない「菌叢と機能の乖離」といった生態学的な個人差の動態を明らかにした。本技術成果は、従来の有用菌の保有状況という静的情報に動的評価の視点を補うことで、より正確な精密栄養戦略の基盤を構築するものである。
従来技術・競合技術との比較
特定の有用菌が腸内に「存在する」ことと、その菌が環境ストレス下で実際に「代謝機能を発揮する」ことは同義ではない。独自のinvitro培養技術を用いた動的培養評価は、従来の静的な腸内細菌解析に「代謝の不均一性」や「菌叢と機能の乖離」といった動的な視点を加え、個人の代謝能に合わせた機能性素材を選定するトランスレーショナルツールとして、次世代の精密栄養戦略の実現に大きく貢献することが期待される。
新技術の特徴
・ヒト腸内環境を再現したプレ/プロ/シンバイオティクスのハイスループット評価
・静的な菌叢解析では捉えられない代謝応答を可視化
・個人に最適な機能性素材の選定が可能
想定される用途
・機能性食品/ヘルスケア食品開発
・創薬/コンパニオン診断薬開発
・新規素材探索とその評価
- 15:30~15:55
- 創薬
5)高活性かつ高汎用性の新規RNA編集核酸
神戸大学 先端バイオ工学研究センター 教授 西田 敬二
新技術の概要
本技術は、内在性ADARを利用して標的RNAのA-to-I編集を誘導する、既存のsiRNA等と同等の分子サイズの人工二重鎖核酸である。標的配列非依存のADAR誘導部位を有し、多種多様な標的に対する高活性配列を容易に取得可能という特徴を持つ。特殊な修飾を必要とせず、汎用性と産業応用性にも優れている。
従来技術・競合技術との比較
従来のヘアピン型構造核酸よりも大幅に合成核酸鎖長が短縮されており、CMC、デリバリー、細胞毒性の観点で優れている。最も汎用されているアンチセンス型核酸よりも、配列設計難易度が低く、オフターゲットやバイスタンダー編集が生じにくい。前者技術の高い活性と汎用性と、後者技術の良好なCMC特性を両立している。
新技術の特徴
・短鎖長の二重鎖フォーマットによる高い製造性(既存核酸医薬と同等のCMC対応が可能)
・ADAR誘導部位のラショナルな構造最適化による小型化と高活性化の実現
・標的結合部位の構造最適化による高い標的識別性と生体内安定性の実現
想定される用途
・G-to-A一塩基変異に起因する遺伝性・希少疾患のRNA修復医薬
・疾患の原因となるタンパクの発現調整や点変異導入による治療
・ゲノムを改変しない一過性・可逆的なRNA機能補正・治療ツール
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