九州大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2026年07月28日(火) 10:00~14:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構 、
九州大学、九大OIP株式会社
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 材料
1)ポーリングを必要とせず、安定性の高いエレクトレット材料を開発
九州大学 先導物質化学研究所 融合材料部門・ヘテロ融合材料分野 准教授 アルブレヒト 建
新技術の概要
材料を真空蒸着するだけで自発的に分極した膜が得られる「自己組織化エレクトレット(SAE)」が注目されている。本技術ではデンドリマー(樹状高分子)型自己組織化エレクトレットを開発した。ガラス転移点が300℃近く、これまでに報告されたSAEの中で最も高い。
従来技術・競合技術との比較
無機系や有機ポリマー系のエレクトレット材料はコロナ放電などの過酷なポーリング処理が必要であるが自己組織化エレクトレットは真空蒸着するだけで得られるため、大面積化やMEMSなどのデリケートな構造に対してエレクトレットを成膜することが可能である。
新技術の特徴
・300℃近い高いガラス転移点を持ち、安定性が高い有機エレクトレット
・100 mV/nm以上の表面電位(膜厚に比例するため、膜厚を増やせば表面電位も増加させる事が可能)
想定される用途
・振動発電素子
・MEMS
・有機EL
関連情報
・サンプルあり
- 10:30~10:55
- 機械
2)遠隔磁場駆動「弱磁場でさらに遠くまで」
九州大学 大学院工学研究院 航空宇宙工学部門 教授 津守 不二夫
新技術の概要
医療デバイスにも期待される磁場駆動型ソフトアクチュエータは、磁場が距離の3乗に反比例して急減するため、駆動磁石から少し離れると機能しない課題があります。本技術は小型サテライト磁石により遠隔磁場を局所増幅し、柔軟構造を無線駆動する手法です。
従来技術・競合技術との比較
従来は強磁場を得るため大型磁石やコイルを対象近傍に配置する必要があり、装置の大型化と駆動範囲の制約が課題でした。本技術はサテライト磁石で局所磁場を生成するため、小型構成で遠距離・広範囲かつ狭小空間での駆動を実現します。
新技術の特徴
・小型サテライト磁石による遠隔駆動(弱い遠隔磁場を局所的に増幅し、従来困難だった長距離駆動を実現)
・装置の小型化と高い適用性(大型磁石・コイル不要で、安価なシステム)
・高自由度な無線操作(磁場に同期した3次元的な変形・流体制御など多様な応用に展開可能)
想定される用途
・内視鏡・カテーテル用デバイス(体内やチューブ内など狭小空間での無線駆動)
・マイクロ流体制御デバイス(人工繊毛による攪拌・輸送・混合)
・細胞培養・バイオ操作システム(非接触での流体制御や環境制御)
- 11:00~11:25
- デバイス・装置
3)呼気センシングによる健康モニタリングシステム
九州大学 大学院総合理工学研究院 エネルギー科学部門 教授 浜本 貴一
新技術の概要
呼気中の疾患関連ガスを小型光集積回路検知する技術を基盤とした、日常的な健康見守りに利用可能な呼気センシングシステム。ナノスケール幅の光導波路を使ったセンシング技術で、分子情報(種類、濃度)を直接検知する。
従来技術・競合技術との比較
既存の小型ガスセンサは、分子の吸着・反応に伴う抵抗、電流、電位等の変化を読む間接検知型である。このためドリフト、類似分子に対する選択性に課題があり、複数分子が混在する呼気環境で、低濃度かつ緩やかな濃度変化を長時間安定に追跡する用途には直接検知方式が望まれる。
新技術の特徴
・スパイラル状に高密度集積した長光路長導波路とエバネッセント光相互作用により、気体分子の固有吸収波長から、濃度だけでなく、その分子種類を同定できる
・携帯端末等の可搬性を有する装置への搭載が可能
・リアルタイム測定ができ、時空系列データとしてデータ収集可能
想定される用途
・呼気による疾病判断
・環境モニタリング
- 11:30~11:55
- アグリ・バイオ
4)植物多糖ナノファイバー膜で種子の劣化を防ぎ常温保存
九州大学 大学院農学研究院 環境農学部門 教授 北岡 卓也
新技術の概要
植物由来の多糖ナノファイバー薄膜を種子表面に形成し、酸素の侵入を抑えて劣化を防ぐ技術です。従来の低温保存が不要で、常温での長期保存を可能にします。生分解性素材のため、そのまま播種できます。エネルギー負荷の低減に加え、難乾性種子の保存や食料安全保障、環境保全への貢献が期待される新しい農業資材です。
従来技術・競合技術との比較
従来の作物種子保存は乾燥・低温保管に依存し、エネルギー負荷が大きく、難乾性種子には適用できないなど限界があります。その結果、活性を失った種子が大量に廃棄され、カビや虫害の課題も残ります。本技術は植物多糖ナノファイバー膜で酸素侵入を抑え、常温での長期保存を可能にする点で従来技術を大きく凌駕します。
新技術の特徴
・植物多糖ナノファイバー薄膜が酸素侵入を抑制し、種子の酸化劣化を大幅に低減可能
・乾燥・低温保存に依存せず常温で長期保存でき、大量流通品でも保管コストを削減可能
・生分解性素材のためコーティングしたまま播種でき、吸水による発芽促進効果にも期待
想定される用途
・トウモロコシ・牧草種子など大量流通品の常温保存による保管コスト削減
・ヒマワリ・ダイズなど寿命が短い種子の発芽率維持と廃棄ロス削減
・難乾性種子や高付加価値種子の保存性向上と安定供給への活用
関連情報
・デモあり
- 13:00~13:25
- 材料
5)太陽光程度の弱い光で可視光を紫外光に変換する固体材料を開発
九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授 佐々木 陽一
新技術の概要
太陽光程度の弱い光で可視光を紫外光に効率的に変換する分子性の固体材料を開発した。本材料はスピンコート法やドロップキャスト法により作製可能であり、光触媒や光反応の長波長化への応用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
これまでに、可視光から紫外光への効率的な変換は報告されてきたが、太陽光程度の弱い光で効率的に駆動する固体材料の開発は困難であった。また、比較的効率が高いものでも、成膜に温度と時間のコントロールが必要となっていた。本材料は簡便な手法で作製でき、太陽光程度の弱い光で効率的に駆動する点に優位性がある。
新技術の特徴
・太陽光程度の弱い光で駆動し、可視光を紫外光に変換
・固体状態で駆動
・スピンコート法やドロップキャスト法で簡便に作製可能
想定される用途
・光触媒を用いた水素発生
・光触媒を用いた環境浄化
- 13:30~13:55
- 創薬
6)外科手術の後に生じる癒着を予防する塗り薬の開発
九州大学 大学院薬学研究院 生理学分野 助教 伊藤 智哉
新技術の概要
本技術は、グルタチオン由来化合物を経皮投与可能な塗薬へ加工し、腹部や胸部の外科手術の後に生じる癒着を予防する技術である。非侵襲的な方法で、抗炎症作用や抗線維化作用が期待されることから、様々な症例に適用できる可能性がある。
従来技術・競合技術との比較
従来の癒着防止剤は、腹腔内や胸腔内などに生体吸収性フィルム等の物理的バリアを設置することで予防効果を発揮するが、縫合後に設置したマテリアルの位置がずれることあり、予防効果も半分程度であった。本研究で開発する癒着防止剤は、塗薬タイプの方法で縫合後も繰り返し患部に塗布することが可能である。
新技術の特徴
・酸化型グルタチオン
・抗炎症作用
・皮膚透過性技術
想定される用途
・創傷治癒
・皮膚疾患
・ミトコンドリア保護
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- アグリ・バイオ
7)高受光作物開発による閉鎖型栽培の高収益化
九州大学 大学院農学研究院 環境農学専攻 サスティナブル資源科学教育コース
教授 後藤 栄治
新技術の概要
本技術は、植物の柵状組織細胞の形状制御により、限られた光を効率よく利用できる高受光作物を開発するものである。植物工場等の閉鎖型栽培において、収量向上と生産コスト低減による高収益化を目指す。
従来技術・競合技術との比較
従来は、照明強化、CO₂施用、温湿度管理など、設備・環境制御による増収技術が中心であった。本技術は、植物自身の受光能力を高める点に特徴があり、既存設備と組み合わせて収益性向上に貢献できる。
新技術の特徴
・植物自身の受光能力を高める作物側からの生産性向上技術
・照明を大幅に増やさず、限られた光を有効利用できる可能性
・レタス等の閉鎖型栽培に加え、遮光条件下の作物生産にも展開可能
想定される用途
・植物工場・多段栽培における葉菜類の収量向上
・照明コストを抑えた省エネ型・高収益栽培システムの開発
・遮光栽培・営農型太陽光発電下で利用可能な作物・品種の開発
お問い合わせ
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