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開催スケジュール
1/21(木)
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2/4(火)
大阪大学 新技術説明会 
2/13(木)pm
JST知財活用支援事業 新技術説明会 
2/20(木)pm
千葉大学 新技術説明会 
2/27(木)
北東北3大学 新技術説明会 
3/3(火)
看護系大学 新技術説明会 
3/5(木)pm
北見工業大学他 新技術説明会 
3/10(火)
関西10私大 新技術説明会 

情報通信研究機構 新技術説明会
【日時】2019年07月18日(木) 10:00~15:25【会場】JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
【参加費】無料(事前申込み制)
【主催】科学技術振興機構、情報通信研究機構
【後援】特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

デバイス・装置
1) ライトフィールド3Dディスプレイ用ホログラムスクリーンの作製技術

情報通信研究機構 電磁波研究所 電磁波応用総合研究室 主任研究員 涌波 光喜

【新技術の概要】

コンピュータで設計した光の波面をホログラムとして記録するホログラムプリンタ技術により、高い設計自由度を持つホログラフィック光学素子の作製が可能となる。応用例として作製したホログラフィック光学素子を光学スクリーンとして用いた投影型かつシースルーなライトフィールド3Dディスプレイ技術を紹介する。

【従来技術・競合技術との比較】

通常のホログラフィック光学素子(HOE)作成方法では、HOEの仕様が既存の光学素子の機能、性能に制限されるが、本発明のホログラムプリンタ技術によりオリジナルの光学素子を必要としない多機能なHOEが作製可能となる。

【新技術の特徴】

・ホログラムプリンタによる多機能なHOEスクリーンの作成
・レンズアレイ機能、コリメーション機能、チルト機能などを1枚のスクリーンで実現
・シンプルかつ自由度の高いディスプレイ設計が可能となる

【想定される用途】

・デジタルサイネージ
・AR/VR
・ヘッドマウントディスプレイ

【関連情報】

・サンプルあり

デバイス・装置
2) テーブルの全周から観察できる裸眼3Dディスプレイ技術

情報通信研究機構 ユニバーサルコミュニケーション研究所 情報利活用基盤総合研究室 主任研究員 吉田 俊介

【新技術の概要】

開発した3Dディスプレイは一見するとただの円卓だが、中央にテーブル面から高さ5cmほど飛び出す実写およびCGの3D映像を再生できる。テーブルの周囲360度の人々は、何人でも同時に特別なメガネなしにフルカラーの3D映像を体験できる。インタラクティブなコンテンツも市販のツールを組み合わせて容易に作成できる。

【従来技術・競合技術との比較】

HMDなどと異なり、特別な装置を身につけることなく何人でも同時に3D映像が観察できる。特殊な鏡による平面的な空中像の技術と異なり、全周から立体的な形状として知覚できる。また機械的な回転機構を要する類似技術と比較しても、騒音がない、フルカラー、3D映像のリアルタイム更新が可能、などの優位性がある。

【新技術の特徴】

・特別なメガネなしで全周360度からフルカラーの3D映像を観察できる
・テーブルの上に再生装置がない。普通の机としても利用でき、紙の資料と同時に3D映像を確認し合える
・周囲や遠隔の人と場と3D映像を共有できる。物質を必要とする3Dプリンタと異なりデータを直接可視化できる

【想定される用途】

・対戦型のカードゲームやボードゲームなどのアミューズメント施設やゲーム大会向け製品
・サッカーや柔道などのスポーツを観戦するパブやパブリックスペース向け製品
・CADデータや医療データを拠点や遠隔地間で確認し合うためのテレカンファレンス用製品

【関連情報】

・外国出願特許あり

計測
3) ドローン等の移動可能な飛翔体を使用した位置推定技術

情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク総合研究センター ワイヤレスシステム研究室 主任研究員 小野 文枝

【新技術の概要】

地上や上空に存在する検出対象物が送信する電波を「移動可能な飛翔体(ドローン等)」に搭載されている測定器によって検出し、その観測量の変化のみから検出対象物の位置を検知することを可能とした。

【従来技術・競合技術との比較】

本技術は、位置推定にあたり移動物体の移動速度を知ることを必要とせず、また、受信信号から得られる情報を数値として正確に測定することも必要とせずに目標の位置を推定できるものであり、競合技術に比べ簡易なシステムで位置推定が可能となる。

【新技術の特徴】

・ドローン等の飛翔体を活用し、移動物体の速度等の事前情報を必要とせず、観測値の変化量のみから検出対象物の方向を検知できる
・観測量の変化のみから対象方向を検出できるため、ドローン等にも搭載しやすい無指向性アンテナで測定可能である
・Bluetoothビーコン等コンパクトかつ低消費電力な無線機を電波発信源で活用できるため、既存システム等と組み合わせて導入がしやすい

【想定される用途】

・遭難者救助(山間部、海岸部)
・野生動物探査

通信
4) 5G/LTE技術を活用した安価なスポットサービス提供

情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク総合研究センター ワイヤレスシステム研究室 研究員 伊深 和雄

【新技術の概要】

ローカル5GやプライベートLTEでは、サービスエリアが狭い単独のスポットセルが今後増加する。本技術は、スポットセルへ接続するまでの時間を短縮することにより、高速で移動していても単独のスポットセルでのサービス提供を可能とする。

【従来技術・競合技術との比較】

従来技術では、単独のスポットセルに接続するのに時間を要していた。本技術では、マクロセルなしでもマクロセルと同様にスモールセルへの接続をアシストすることにより、スポットセルへの接続を短縮できる。これにより、スポットセルを高速で通過するユーザへサービス提供が可能となる。

【新技術の特徴】

・安価に高速移動ユーザへスポットサービス提供
・LTEや5Gの装置や運用技術を活用した低コストでセキュアな自営網構築
・公衆網と独自自営網の連携によるシームレスなサービス提供

【想定される用途】

・ワイヤレスチェックポイント(入退場や通過ポイントの確認やそれに関する情報提供等)
・公衆網とそれを補完する自営網とのシームレスなネットワーク構築

情報
5) 暗号技術とAIの融合による秘密計算技術

情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 主任研究員 レ チュウ フォン

【新技術の概要】

データマイニング技術の進歩は、ビッグデータの中から利用価値の高い情報を引き出すことを可能とし、それらの情報を用いたサービスが実現されている。中央サーバにデータを開示せずに深層学習を行い、プライバシーや秘密情報を保護した状態で高速なビッグデータ分析が可能となる暗号技術を紹介する。

【従来技術・競合技術との比較】

従来技術・競合技術との比較として、(1)中央サーバにデータに関わる情報を漏洩しないこと、(2)プライバシー保護しながら、提案システムの学習精度が元の深層学習と変わらないこと、(3)提案システムの処理時間が元の深層学習とほぼ同じであること。

【新技術の特徴】

・各組織での学習結果を暗号化して中央サーバに集め、暗号化したまま学習結果を更新できる技術
・提供データの秘密が守れるため多くの機関からのデータ提供が可能となり、高い学習効果が期待できる
・暗号化したままセキュリティレベルの更新と演算の両方が可能となる

【想定される用途】

・金融業界の課題となっている不正送金(振り込め詐欺等)の自動検知精度向上が期待できる
・医療分野において、プライバシーを保護したまま疾病データ等の解析精度を向上することが可能
・分散した複数拠点においてセキュアかつ通信コストを軽減したビッグデータ利活用が可能

情報
6) ファイルの安全な追加・削除・検索が可能な検索システム

情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 研究員 渡邉 洋平

【新技術の概要】

クラウド等のオンラインストレージサービスにて、暗号化したままファイル検索を可能とする。そのため、サービス側に何を検索したのか等の重要な情報が漏れない。本技術は動的なインデックス更新(追加・削除)にも効率的かつ安全に対応でき、クラウド環境のセキュリティと利便性を高めることができる。

【従来技術・競合技術との比較】

従来技術に比べ、インデックス更新時に漏洩する情報を軽減可能であることに加え、状態情報(定期的に更新されるユーザ用の秘密情報)のサイズが最も効率的である。また本新技術を応用し、通信量を増やすことで状態情報を必要としない初の動的検索可能暗号技術が実現できる。

【新技術の特徴】

・暗号化したままの検索および暗号化インデックスの動的な更新を両立
・従来技術より強い安全性 (漏洩する情報が少ないもの) を達成可能
・ユーザの保持すべき状態情報が小さく、状態情報を持たない方式も実現可能

【想定される用途】

・メールサービス等、動的に更新されるようなデータベースにおける検索システム
・DNA等の機密性の高い情報を扱う検索システム
・複数のデバイスからアクセスが予想される検索システム

デバイス・装置
7) 自動車などの高温環境下でも安定に動作する光デバイス

情報通信研究機構 ネットワークシステム研究所 ネットワーク基盤研究室 研究員 松本 敦

【新技術の概要】

従来レーザダイオードなどの光デバイスは高温での動作が不安定であった。今回ウエハに対し適切なイオン注入、急速熱処理を行うことにより高温での動作を安定させた。大規模な冷却装置が不要となり、自動車などで安定に動作する光通信システムの低価格化が実現できる。

【従来技術・競合技術との比較】

従来、通信用の光デバイス、特に、半導体レーザでは安定した動作を行うためにペルチェ素子などを用いて半導体レーザを冷却し、温度を一定に保っていた。このペルチェ素子による冷却・温度調整機構は非常に消費電力が高くなってしまうが、これを用いず、あるいは極力使用を抑制することが出来る。

【新技術の特徴】

・高温においても室温と比べレーザ発振閾値が大きく変動しない
・温度変化に対して動作波長が大きく変動しない
・消費電力を抑えられる

【想定される用途】

・車載:車内ネットワーク(冷却不要)、LIDAR(光検出と測距)等のセンサ光源
・通信モジュール:アクセスネットワーク(冷却不要)、コアネットワーク(電力削減)
・LSIと集積しても発熱の影響を受けない発光素子

【関連情報】

・外国出願特許あり

電子
8) 量子コンピュータの実用化に貢献する量子ビット間の結合回路

情報通信研究機構 未来ICT研究所 フロンティア創造総合研究室 主任研究員 吉原 文樹

【新技術の概要】

量子コンピュータにおいては量子ビット間の情報のやり取りを制御する結合回路が重要である。新技術は超伝導量子ビット間の可変磁気結合法に関するものである。量子ビット間の結合強度を高速かつ高精度で変化させることが可能となり、量子コンピュータの演算性能向上が期待できる。

【従来技術・競合技術との比較】

従来の結合回路では、量子ビット間の結合強度を変化させると量子ビット自体も変化してしまい、変化を補償するための回路が必要であった。新技術では結合強度の変化に伴う量子ビット自体の変化が非常に小さく補償回路が不要となる。これにより結合強度の高速(1ナノ秒以下)、高精度制御が可能となる。

【新技術の特徴】

・量子ビット間の結合強度のみを変化させることが出来る
・補償回路が不要なため、回路の簡素化が可能である
・結合強度の高速(1ナノ秒以下)制御が可能である

【想定される用途】

・(量子ゲート方式の)超伝導量子コンピュータ
・超伝導量子アニーリングマシン
・その他、超伝導回路全般における可変磁気結合回路要素

アグリ・バイオ
9) 医薬品開発等に役立つ特定分子の生細胞内での機能解析法

情報通信研究機構 未来ICT研究所 フロンティア創造総合研究室 研究マネージャー 小林 昇平

【新技術の概要】

バイオ薬品、病原体等の外来物質が細胞に入ったときに起こる細胞応答を人為的に誘導・観察する方法である。標識した目的分子を有する細胞に、標識を特異的に認識する抗体を付けた微小ビーズを導入し、ビーズに集積した目的分子の周囲に形成される細胞内膜構造を観察することで、目的分子の機能や細胞応答の解明に貢献する。

【従来技術・競合技術との比較】

細胞内膜構造の人為的な形成誘導・解析に関して、従来技術では主に細胞抽出液を使った試験管内反応が用いられてきたのに対し、本技術では、生細胞内の特定位置(ビーズ周囲)に標識された目的分子を集積させ、その分子に応じた細胞内膜構造の形成を誘導・解析できるため、「生細胞内環境」における目的分子の機能を解析できる。

【新技術の特徴】

・目的分子の機能について、生細胞内環境での情報取得が可能
・生細胞内の特定位置(ビーズ周囲)での解析が可能
・目的分子の種類に応じた細胞内膜構造の作り分けが可能

【想定される用途】

・生細胞内環境における特定分子の機能解析(スクリーニング)
・外来物質の細胞内運命の解析及びそれを利用した細胞機能改変技術
・細胞生物学研究における基盤的な研究ツール(膜構造形成機構の解明等)
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