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【Webサイトでの技術紹介】物質・材料研究機構 新技術説明会

日時:2020年06月18日(木) 00:00~00:00

会場:本Webサイトでの技術の紹介

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、物質・材料研究機構

発表内容詳細

  • 製造技術

1)鋼板の結晶方位のばらつきを利用した剛性と残留応力制御

発表資料

物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 塑性加工プロセスグループ 主幹研究員 上路 林太郎

新技術の概要

鉄の圧延加工により板厚方向にあえて結晶方位分布の不均一を作りこむことにより、高剛性の達成と表層部圧縮残留応力の獲得を同時達成した鋼板を得ることができる。弾性異方性と集合組織の不均一を利用した技術である。

従来技術・競合技術との比較

高剛性達成のためには、競合技術では剛性の高い化合物を鋼材に分散させる必要があるため、合金元素が必要であるが、本技術では必要としない。残留応力の獲得に弾性異方性を利用する方法はこれまでにない方法である。

新技術の特徴

・多結晶体の結晶配向性に不均一を作ることにより剛性と残留応力を制御する
・ヤング率の高い部位を作りこむことにより高剛性の材質をつくることができる
・素材内部に剛性の違いがあれば疲労特性向上に貢献できる圧縮の残留応力をつくることができる

想定される用途

・構造用鋼板
・剛性の必要な金属板

関連情報

・サンプルあり

  • エネルギー

2)「実験自動化ロボット+機械学習」による新規電解液探索システム

発表資料

物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点 二次電池材料グループ 主任研究員 松田 翔一

新技術の概要

人が行っていたときには 1日10種類程度の評価しかできなかったものを、実験自動化ロボットを用いることで1日1000 種類以上の評価が可能になる。さらに、取得した大量の実験データに対して、ベイズ最適化に代表される機械学習の手法を適用することで、高い電池特性を示す電解液組成を予測することができる。

従来技術・競合技術との比較

電解液添加剤に代表される、多数の化合物の組み合せを考慮する必要のある材料探索において、その探索候補数は莫大である。従来は研究者の経験やノウハウに基づいた人海戦術的な探索が行われてきた。一方で、本技術を用いることで、探索効率の飛躍的向上が可能となる。

新技術の特徴

・実験自動化による大量データの取得
・大量の実験データに対して機械学習の手法適用
・探索能力・効率の飛躍的向上

想定される用途

・次世代蓄電池用電解液の探索
・メッキ浴組成の探索
・複数の化合物の協調効果に基づいた機能発現

関連情報

・外国出願特許あり

  • 計測

3)解析を容易にする統合型電気化学インピーダンス解析ソフト

発表資料

物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 セラミックスプロセッシンググループ 主幹研究員 小林 清

新技術の概要

スペクトル・プロットをインタラクティブユーザーインターフェイスに使う新しいタイプの電気化学インピーダンス解析ソフトを開発した。従来ソフトでは解析が難しいスペクトルを容易に解析できる新技術である。その他、独自の簡易人工知能による自動解析機能も実装した。

従来技術・競合技術との比較

従来ソフトではユーザーがインピーダンス・スペクトル・グラフを観察し、適合しそうな等価回路を設定し、更にパラメータ初期値を入力した後に複素非線形最小自乗法を実行して最適パラメータ値を求める。本ソフトではインタラクティブGUIで逐次モデルを修正しながら最適なモデルの探索と初期値入力を同時に行うことができる。

新技術の特徴

・インタラクティブ・プロットを用いる動的モデル構築と初期値探索
・独自の簡易人工知能による自動解析機能
・独自の拡張緩和時間分布解析法の実装

想定される用途

・蓄電池の電気化学インピーダンス・スペクトルの高度解析
・防蝕コーティング膜の電気化学インピーダンス・スペクトルの高度解析
・有機半導体デバイスの特性評価の高度化

関連情報

・デモあり

  • 情報

4)科学法則を分野横断的に用いる材料探索の支援システム

発表資料

物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 ナノ電子デバイス材料グループ 主席研究員 吉武 道子

新技術の概要

材料科学やそのベースとなる物理化学などの教科書には、例えば電気化学反応において酸化還元電位が反応のギブスエネルギーから計算できる、など物性値の間に関係性があることが原理に基づいて記述されている。それらの関係性を分野横断的に繋げて探索可能なデータベースを作成し、関係性を探索できるシステムを試作した。

従来技術・競合技術との比較

物性間の関係性を実験値・計算値から見出して材料探索に利用しようとする方法はマテリアルズインフォマティクスとして盛んであるが、これには実験値や計算値などの数値が必要である。本方法は、数値を全く必要としない、従来とは全く異なるアプローチである。

新技術の特徴

・物性間の関係性のデータベース
・分野横断的な探索
・物性値の数値が不要

想定される用途

・新材料の探索
・材料の新規用途の開発
・材料の創製方法の開発

関連情報

・デモあり
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

5)病原細菌による電流生成現象を利用したヒト細菌叢評価技術

発表資料

物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 独立研究者 岡本 章玄

新技術の概要

歯周病や虫歯などの口腔感染は認知症を含め、全身疾患を誘発すると考えられている。加えて、超高齢社会への推移に伴う、医師の不足が懸念されており、被験者が在宅にて簡便、且つ、高精度で口腔内の衛生状態を検査できれば、健康寿命の大幅な延伸とQOLの向上を期待できる。口腔内衛生状態を遺伝子検査と同程度の信頼性を担保しながら100分の1程度の価格と時間で実現可能な新原理による電気化学センサー技術を提案する。

従来技術・競合技術との比較

現状の遺伝子や抗原抗体検査では、時間やコスト、操作の煩雑さなどの課題があり、実際に「予防のための検査」として定着していない。例えば、遺伝子解析には数万円、二週間程度の時間を要する。本技術は、100分の1の時間とコストを実現することで予防技術として定着することが期待できる。

新技術の特徴

・口腔内の病原細菌による電流生成能を利用する
・唾液一滴から電流値の測定が可能
・細菌種によって電流生成に用いる有機物が異なる

想定される用途

・老人介護施設における歯磨きチェック、口腔ケアプログラムのフィードバック
・歯周病診断を在宅や病院で行うためのデバイス
・全身疾患の情報と唾液由来電流データを統合し、唾液をバイオマーカーとして活用

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立研究開発法人 物質・材料研究機構
TEL:029-859-2600 FAX:029-859-2500
Mail:technology-transferアットマークnims.go.jp
URL:https://technology-transfer.nims.go.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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