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筑波大学 新技術説明会

日時:2019年07月23日(火) 12:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、筑波大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)温暖化なんか怖くない、高温環境適応トマトの開発

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 生命環境系/つくば機能植物イノベーション研究センター 教授・センター長 江面 浩

新技術の概要

高温条件下での種子を有する果実の形成能が高い耐暑性トマト植物が提供される。本発明は、野生型と比較して高温条件下の花粉生存率及び種子を有する果実の形成能を向上させる遺伝的変異を、トマト植物に導入することを含む、耐暑性トマト植物の作出方法及び当該変異を導入した耐暑性トマト植物に関する。

従来技術・競合技術との比較

従来の植物への耐暑性付与方法は、経済性、環境負荷、及び/又は作業性に関して課題がある。そのため、高温期においても着果安定性が確保される耐暑性品種の育種は急務である。さらに、耐暑性品種の育種親としては高温条件下でも種子を有する正常な果実を効率よく形成できる品種が必要とされる。

新技術の特徴

・マイクロトムの変異誘発集団より選抜した耐暑性を示すトマト変異体である。
・通常の栽培トマトと交雑が可能であり、交雑により耐暑性の導入が可能である。
・高温環境下でも安定して着果できる。

想定される用途

・耐暑性トマト品種の育種素材。

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

2)食薬資源におけるバイオアッセイ技術に基づいた機能性探索研究

発表資料

筑波大学 数理物質系/地中海北アフリカ研究センター 助教 佐々木 一憲

https://isodalabtsukuba.wordpress.com

新技術の概要

食薬資源が持つ生理活性機能の探索や機能成分の同定、作用メカニズム解明について、神経機能、免疫機能、代謝機能、腸管機能、皮膚機能、生活習慣病予防、がん抑制等に関する約40種類のバイオアッセイ技術を駆使した生理活性評価技術。

従来技術・競合技術との比較

食薬資源の機能性研究に対して約40種類もの多様なバイオアッセイ技術を駆使した生理活性評価は国内には見当たらない。

新技術の特徴

・食薬資源への付加価値の付与
・約40種類にもなる多様なバイオアッセイ技術
・網羅的解析技術による生理活性作用メカニズムの解明

想定される用途

・機能性食品および医薬品の開発
・未活用資源の有効利用および高度利用

  • アグリ・バイオ

3)植物への形質転換効率が向上するスーパーアグロバクテリウム

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 生命環境系/つくば機能植物イノベーション研究センター 助教 野中 聡子

新技術の概要

植物への形質転換はアグロバクテリウムを用いる方法が一般的であるが、植物品種や系統によりその効率が十分でないこともある。アグロバクテリウムは元来植物病原菌であり、それを無病化して形質転換へ利用している。このため植物へアグロバクテリウムを接種させると植物はアグロバクテリウムを除去する物質を発生し、アグロバクテリウムを攻撃する。そこで本技術ではアグロバクテリウムへ植物から発生するアグロバクテリウム除去物質を抑制する能力を付与して、植物への形質転換効率を向上させた。

従来技術・競合技術との比較

植物への形質転換効率向上のためにアグロバクテリウムの病原性を向上させる化合物を投与していた。しかしながら、依然として品種や系統によりその効率が十分でないことがあった。本技術では、植物が出すアグロバクテリウム阻害物質を分解する能力をアグロバクテリウムへ付与することにより植物への形質転換効率を向上させた。本技術は、従来法よりも効果が高い。従来法との組み合わせによる相乗効果が認められる。

新技術の特徴

・ステイブル形質転換効率を2.5倍向上(トマトにて)
・アグロインフィルトレーション法における一過的形質転換効率を向上
・薬用植物へのいっか的な形質転換に有効

想定される用途

・ゲノム編集技術への利用
・一過的遺伝子過剰発現による効率的なタンパク質生産(ワクチンなど)
・難形質転換作物への有用形質付与

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

4)機能性作物の未利用部位の有効活用

発表資料

筑波大学 生命環境系 教授 宮崎 均

新技術の概要

作物は実、葉、茎、根のどれかに限定されて利用されるのが一般的であり、多くの場合、他の部位は廃棄物となっている。本技術は食としての未利用部位の健康機能性を探索し、そこに新たな付加価値を提供することで、作物の効率的有効利用を目指すものである。

従来技術・競合技術との比較

作物として食される部位を加工用の健康機能性素材とする場合に比べ、廃棄される未利用部位はより安価な入手が可能である。本技術は、未利用部位の有効活用を通し、栽培農家に新たな収入をもたらすと共に廃棄物減少にも繋がり、農業と環境の両方を配慮した新たな考えに基づく技術である。

新技術の特徴

・産業廃棄物の有効活用と連動した取り組みであり原料素材が安価
・作物に新たな付加価値を提供
・食の機能性を生殖障害の予防・改善に応用するユニークなアプローチ

想定される用途

・ヒト及び家畜の生殖障害の予防・改善を目指したサプリメントや機能性飼料
・メタボリック症候群・認知症の予防・改善を目指したサプリメント

  • アグリ・バイオ

5)低せん断・循環式磨砕による農産食品の高機能ペースト化

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 生命環境系 教授 北村 豊

http://www.agrofoodprocess.jp/

新技術の概要

被粉砕物を磨砕部に連続的に返送・循環させながら材料の微細化を促進する粉砕法と、低速回転する専用の電動石臼からなる湿式粉砕技術である。固体で多水分系の農産物や食品の感熱成分や加工特性を劣化させない高品質ペーストを加工するのに有効である。

従来技術・競合技術との比較

高速回転するグラインダー(セラミック砥石)により固形分を微細化する粉砕に比べて、本法は材料に過度な力学的・熱的ストレスを与えずに微細化できるため、その物理・化学的特性を損なわず、加工特性の向上と健康機能性の新たな付与なども可能にする。

新技術の特徴

・被粉砕物を昇温させない
・原料中固形物をマイクロレベルまで微細化できる
・従来粉砕機に比べて省エネルギーである

想定される用途

・ペースト食素材の開発
・食品の機能性の創出・増強
・噴霧乾燥のための前処理法として利用

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 医療・福祉

6)線維芽細胞増殖因子(FGF)とアパタイトをコーティングした整形外科用の体内固定ネジ

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 医学医療エリア支援室 技術職員 小林 文子

http://tsukuba-seikei.jp/

新技術の概要

骨固定力が高く、抗感染能が高い整形外科手術デバイスとして、骨伝導性を有するハイドロキシアパタイトと組織/血管形成に寄与する成長因子:線維芽細胞増殖因子(FGF-2)を含有し、徐放する体内固定用スクリュー:アパタイトFGFコーティングの要素技術および品質管理法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

アパタイトのみをプラズマ溶射したHAコーティングステンレスピンが海外で開発され、日本でも創外固定用ピンのみ承認され使用されている。このピンでは骨固定力は向上したが、感染率を下げることはできなかったと報告されている。本開発はアパタイトに組織/血管形成能のあるFGF-2を添加しており、圧倒的な抗感染作用を有することは実証済みである。

新技術の特徴

・薬剤コンビネーション医療機器
・骨固定力強化
・抗感染能

想定される用途

・すべての骨固定材料
・人工骨
・歯科インプラント

  • 医療・福祉

7)生体組織をそのまま診断する ~ラマン散乱を用いたラベルフリー・イメージング~

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 数理物質系 准教授 加納 英明

http://www.bk.tsukuba.ac.jp/~CARS/

新技術の概要

現在用いられている病理診断では固定・染色の工程が必須であるため、死細胞の染色像を用いた画像診断しか行えない。それに対して新技術では、非線形光学過程、特に非線形ラマン散乱を基盤技術として用いることで、生細胞・生体組織を新鮮なまま、ラベルフリーでそのまま可視化し、検体における分子情報をライブで取得できるイメージング手法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

Benefit: 細胞内分子を「そのまま可視化」することで、がん等の病理組織を高速かつ選択的に識別できる可能性がある。これにより、色素染色などが必須であった従来の病理診断の刷新が行える。
Difference: 白色レーザーを用いたラマン分光により、レーザー光を照射するだけで細胞内分子情報を取得できる。これにより、既存の商用品にはできない新規メディカル分子イメージングの実現が可能である。

新技術の特徴

・ラベルフリー(色素、蛍光分子など不要)イメージングを実現
・分光学に立脚した四次元イメージング(x,y,zにくわえλ)が可能
・白色レーザーと非線形光学(多光子過程)を組み合わせた最先端イメージングを実現

想定される用途

・病理診断
・ラベルフリー細胞診断
・非破壊非接触 材料評価

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

筑波大学 産学連携部 産学連携企画課
TEL:029-859-1489 FAX:029-859-1693
Mail:tloアットマークilc.tsukuba.ac.jp
URL:https://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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