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電気通信大学 新技術説明会

日時:2019年05月14日(火) 11:55~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、電気通信大学

後援:特許庁、関東経済産業局、一般社団法人目黒会(電気通信大学同窓会)、株式会社キャンパスクリエイト(電気通信大学TLO)

発表内容詳細

  • 製造技術

1)省エネかつ高性能なモノづくりに貢献する流体制御

発表資料

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 准教授 守 裕也

新技術の概要

流れが乱流へと遷移すると物体壁面における流体摩擦抵抗が著しく増加し、航空機や船舶の燃費悪化につながります。本技術は流れの壁面からのシンプルな入力により、大きな流体抵抗低減を得られる制御です。この制御は摩擦抵抗のほか、両立の難しい摩擦抵抗低減と熱伝達促進を達成することが可能です。

従来技術・競合技術との比較

イルカの腹部は微小振動し、そのおかげで早く泳げるとも言われています。発表者が研究開発する進行波制御は、壁面上に作成した微小な波により流体を制御するもので、イルカの持つ微小振動と類似します。その技術には乱流を再層流化させ摩擦抵抗を約70%削減する他、従来技術では両立の難しい、摩擦抵抗低減と熱伝達促進の同時達成が制御パラメータによっては可能である制御です。

新技術の特徴

・乱流の再層流化による大幅な摩擦抵抗低減
・シンプルな制御則(進行波)による大きな制御効果
・摩擦抵抗低減と熱伝達効率促進の同時達成技術

想定される用途

・飛行機や電車、船舶など乗り物における流体抵抗低減や燃費削減
・配管などにおける流体の輸送効率の向上
・エアコンなどの熱交換器における熱伝達性能向上

  • 製造技術

2)世界最小の熱輸送デバイスの開発に向けて

発表資料 プレゼン動画

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 教授 大川 富雄

新技術の概要

密閉した管内に少量の液体を入れると、内部で蒸発と凝縮が起きて、外力なしに熱をすばやく移動させることができます。このような熱移動デバイスを「ヒートパイプ」と呼びます。ヒートパイプでは内部で液体を輸送するために「ウィック」という構造物が必要です。本研究では、ナノ粒子の層を応用して、世界最薄のウィックを製作しました。

従来技術・競合技術との比較

従来のヒートパイプでは、管の内壁に掘った溝、金属メッシュ、ファイバーなどをウィックとして使用するのが一般的で、100ミクロン以下にすることは難しいです。一方、ナノ粒子の直径は0.1ミクロン以下なので、世界最薄のウィックを製作可能です。従来のウィックにナノ粒子層を形成して、熱輸送性能を向上させることもできます。

新技術の特徴

・ヒートパイプの小型化に貢献
・従来型ヒートパイプの熱輸送性能の向上に貢献
・簡単で安価

想定される用途

・スマホの冷却
・ノートパソコンの冷却
・電気自動車インバーターの冷却

関連情報

・サンプルあり

  • 通信

3)コントローラに対するホワイトリスト式サイバー攻撃検知

発表資料

電気通信大学 i-パワードエネルギー・システム研究センター 准教授 澤田 賢治

新技術の概要

本技術はPLC上でホワイトリスト形式の攻撃検知を実現するものであり、PLC のセキュリティ性能向上により社会全体の安全安心の向上を目指すものです。ファームウェアやハードウェアのアップデートをすることなく、現行の PLC に実装でき、かつPLC のメイン制御機能への影響が低いことを特徴とします。

従来技術・競合技術との比較

本技術は現行の PLC に実装するために、PLCの制御プログラムであるラダー言語でセキュリティ機能を実現している。C言語実装ではないため、ファームウェアやハードウェアを更新することなく、PLCへ適用可能です。また、セキュリティ機能がラダー言語で実現されているので、PLC の処理機能との親和性が高く、メイン制御機能への影響が低いです。

新技術の特徴

・セキュリティ機能による検知負荷はメイン制御機能に影響が低い。
・リアルタイムで異常を検知可能。
・ラダー言語で運用されている産業用コントローラへ適用可能。

想定される用途

・シーケンス制御が多用されるFactory Automationシステムに適用可能。
・Process Automationなどのフィードバック制御に適用可能。
・ラダー言語で運用されている産業用コントローラへ適用可能。

  • 計測

4)平面導波路型デジタルホログラフィック顕微鏡

発表資料

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻 准教授 渡邉 恵理子

新技術の概要

拡大用対物レンズを用いることなく対象物体の拡大再生像を得ることが可能な超小型化平面導波路型デジタルホログラフィック顕微鏡Planar Lightwave Circuit Digital Holographic Microscope(PLC-DHM)を提案し、その有効性を確認しました。空間分解能1.6 μm、3次元イメージング、定量位相イメージングに成功しています。

従来技術・競合技術との比較

レンズレスで機械機構が無く、超小型化が可能な3次元・定量位相イメージングが可能な顕微鏡です。可視域アレイ導波路グレーティング(AWG)と組み合わせることでマルチスペクトル化が可能といった様々な展開が期待できます。

新技術の特徴

・超小型化可能
・フルカラー化可能
・3次元イメージング、定量位相測定(屈折率と厚み)可能

想定される用途

・細胞検査
・植物検査

  • 計測

5)電磁ノイズ問題での試行錯誤からの脱却

発表資料 プレゼン動画

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 准教授 萓野 良樹

新技術の概要

電気電子機器が複雑な電磁環境の中でも共存して動作できるように、特に電子機器内の信号の伝播や不要な電磁波の発生とその抑制法に関して、実機で発生している問題点を精査し、放射源の観点から要因を整理して、伝送特性・放射特性の解析、問題の支配的な要因の特定と,それに基づいた設計指針の確立を目指すものです。

従来技術・競合技術との比較

従来は事前に過剰な対策を施すか、プロトタイプ開発後の対処療法的な対策が行われています。それに対して、ノイズの放射機構を解析し、電磁放射を電子機器の設計段階から予測可能にするための物理ベースモデルは、従来の設計での"解析よる試行錯誤的な手法"から脱却し、"合成を行う設計手法"を行うことを可能にします。

新技術の特徴

・伝送線路理論に基づいた解析
・低電磁妨害で高品質な電子機器の設計
・合成を行う設計手法

想定される用途

・情報機器や車載用機器の高速信号配線・ケーブル
・電磁シールド
・電気接点などの機構デバイス

  • 機械

6)関節モジュールと擬人化ロボットアーム

発表資料

電気通信大学 脳・医工学研究センター 准教授 姜 銀来

新技術の概要

本研究室は、アクチュエータの出力をワイヤで協働しあう駆動機構を用いて、軽量で高出力の多自由度関節モジュールを提案しました。ワイヤの伸縮性により対人安全性も高いため、人と共存するロボットに適しています。この関節モジュールで構築したロボットアームは,人の上腕動作を再現できる7自由度を有し,同性能で世界一の軽量化を達成しました。

従来技術・競合技術との比較

本研究室のロボットアームは、自由度の配置と動作は、人の上腕動作と完全に一致しています。最大リーチ61?Bの状態で可搬重量は1.5kg以上でありながら、全体の重量は2.5kg未満と、軽量と高出力を両立することができました。ロボットビジョンによるインテリジェント制御や、人の動きを再現するマスタースレーブ制御も実現しており、福祉介護およびサービス分野の応用展開が期待できます。

新技術の特徴

・人の上腕と同じサイズ、自由度、動きを有するロボットアーム
・ワイヤ干渉駆動による軽量、高出力、安全
・既存の福祉機器やロボットなどに装着し易い

想定される用途

・福祉介護
・ヒューマンロボットインタラクション
・サービスロボット

  • 医療・福祉

7)重心動揺計測による歯科治療中患者の心身の負担を計測する技術

発表資料 プレゼン動画

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻 准教授 水野 統太

新技術の概要

一般的な歯科治療は、疼痛が伴います。そのため、多くの患者は不安感や緊張感、恐怖感をもって治療を受けます。現在、歯科医師と患者は、声掛けや挙手などにより心身状態を伝え、ネガティブな状態を緩和させます。本技術は、仰臥位状態における心身的負担計測システムを開発することにより、より円滑に心身状態を改善する技術です。

従来技術・競合技術との比較

従来の痛みやストレスに関する研究において、発汗や唾液、脳活動、心拍変動等の生理評価により評価されます。これらは実時間性に優れていますが、計測センサを身体に貼付したりする必要があり、実際の現場での使用は制限されます。本技術では、ベットや背凭れを倒した状態の椅子に乗るだけで計測可能です。

新技術の特徴

・重心動揺を利用することで、簡易に被験者の心身的負荷を測定可能です。
・非拘束な方法であり、計測に関しての被験者の負担が少ない手法です。
・仰臥位又は座位に対応します。

想定される用途

・仰臥位における心身負担計測
・ヘルスケア
・ライフログ

  • 医療・福祉

8)無拘束型リアルタイム睡眠段階推定と深い睡眠を導く行動マイニング

発表資料

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻 教授 髙玉 圭樹

新技術の概要

本発表では2つの技術を紹介します。1つ目はマットレスセンサを通して得られる生体振動データのみから無拘束でリアルタイムに睡眠段階を推定する技術、2つ目は特定することの難しい「深い睡眠を導く日常行動の抽出」を実現するマイニング技術です。

従来技術・競合技術との比較

従来の睡眠段階推定は睡眠後に睡眠中のすべてのデータを使用しますが、本技術ではその前提なしにリアルタイムな推定を可能にします。また、従来のデータマイニングでは矛盾を含むデータからの特徴抽出は困難ですが、本技術では矛盾を含んでも特徴抽出(ここでは深い睡眠を導く日ごろの行動の抽出)を可能にします。

新技術の特徴

・無拘束でリアルタイムに睡眠段階の推定が可能であること
・矛盾を含むデータに対して特徴抽出が可能になること

想定される用途

・医療:睡眠障害早期発見システム
・介護福祉:高齢者向けサービス(徘徊の可能性を知って対応可能、深い睡眠を導く活動計画が可能)
・寝具評価:ベット/布団/枕などの寝具の性能評価

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

電気通信大学 産学官連携センター
TEL:042-443-5871 FAX:042-443-5726
Mail:onestopアットマークsangaku.uec.ac.jp
URL:http://www.sangaku.uec.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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