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【オンライン開催】大阪府立大学・大阪市立大学 新技術説明会

日時:2020年11月10日(火) 10:55~15:55

会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、大阪府立大学、大阪市立大学

後援:関西SDGsプラットフォーム

発表内容詳細

  • 創薬

1)タンパク質カプセルを用いた難水溶性抗癌剤に対する新規DDSの開発

発表資料

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 教授 乾 隆

新技術の概要

本技術は、生体内輸送タンパク質(L-PGDS)により難水溶性薬剤を可溶化し、疾患部位へ運搬するDDS技術である。アミノ酸置換によりL-PGDSの分子構造を改変することで、薬剤保持能力を高めることができる。L-PGDSの多量体化により腫瘍集積性や滞留性を向上させることで、治療効果の向上と副作用の軽減が見込める。

従来技術・競合技術との比較

従来、DDSとして有用とされてきたリポソームやミセルは、体内で非特異的に吸収されたり、逆に体外に排出されずに残留する等の課題が山積されていた。また、難水溶性薬剤を化学修飾により溶解度を上げることは可能だが、薬効を減じる場合が多い。本発明はこのような課題を解決できる技術である。

新技術の特徴

・ヒト由来のタンパク質であるため、抗原性がない
・薬剤保持能力が高いため、効率よく薬剤を患部細胞に届けることが可能
・凍結乾燥により長期保存が可能

想定される用途

・ドラックデリバリーシステム(DDS)
・溶解補助剤

関連情報

・外国出願特許あり

  • 創薬

2)IgG型二重特異性抗体の新規デザイン

発表資料 プレゼン動画

大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 准教授 中西 猛

新技術の概要

IgG型二重特異性抗体医薬の製造において課題となる副生成物の産生を抑制することを目的として、可変領域の連結と軽鎖共通化により2種類3本のポリペプチド鎖から成る新規二重特異性抗体フォーマットを開発した。

従来技術・競合技術との比較

IgG型二重特異性抗体の収率を高めるために、Fc領域のヘテロ会合化に関する多数の技術が開発され、高収率が達成されているものの、副生成物(ホモ会合抗体)も僅かながら産生される。それに対して、新技術ではヘテロ会合化を必要とせず、副生成物を生じることのない分子構造を有することが特徴である。

新技術の特徴

・2種類3本のポリペプチド鎖から成るIgG型二重特異性抗体
・Fc領域のヘテロ会合化を必要としない抗体フォーマット
・軽鎖共通化を利用した抗体フォーマット

想定される用途

・治療薬
・診断薬
・研究用試薬

  • 材料

3)ペプチドを利用した漂白剤

発表資料 プレゼン動画

大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 教授 山田 裕介

新技術の概要

近年、家庭用の漂白剤として「混ぜるな、危険!」の注意書きで知られる塩素系のものに代わり、より安全な過酸化水素を主成分とする酸素系漂白剤を目にする機会が増えている。本技術は、生体適合性が高いペプチドを利用することで過酸化水素をより安全に貯蔵し、その利用用途を拡大しようとするものである。

従来技術・競合技術との比較

漂白剤の生体での用途の一つとして、歯の漂白すなわちホワイトニングがある。これまでホワイトニング用の歯磨き粉として過酸化水素を尿素結晶に包摂させた過酸化尿素が使用されてきた。本技術を用いると、尿素よりも生体への影響が小さい物質を利用したり、徐放性を持たせたりすることが期待できる。

新技術の特徴

・環境負荷が小さい酸素系漂白剤
・生体適合性が高い
・化学修飾が容易

想定される用途

・はみがき粉
・食品等添加物
・消毒薬

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

4)C-O結合を選択的に水素化分解する金属ヒドリド触媒

発表資料

大阪府立大学 大学院理学系研究科 分子科学専攻 准教授 竹本 真

新技術の概要

アリルアルコールのC-O結合を選択的に水素化してプロピレンを与える金属ヒドリド触媒を開発した。水素1気圧下、50-100℃の温和な条件で触媒活性を示す。空気中で安定な錯体であり、取り扱いが容易である。trans-β-メチルスチレンなど他の置換アルケン類の立体選択的合成にも利用できる。

従来技術・競合技術との比較

常圧の水素を水素源とすることが可能であり、50-100℃の温和な条件で反応を行うことができる。このため、アリルアルコールのC-O結合を選択的に水素化しプロピレンを得ることができる。均一系の分子触媒であり、構造の精密制御が可能である。

新技術の特徴

・アリルアルコールのC-O結合を選択的に水素化分解することが可能
・常圧、低温の温和な条件でC-O結合を分解
・空気中で安定な金属ヒドリド触媒

想定される用途

・バイオマスプラスチックの製造
・ファインケミカルズ
・脱酸素反応触媒

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

5)卑金属錯体を固定相に担持した新規触媒系の構築

発表資料 プレゼン動画

大阪市立大学 大学院理学研究科 物質分子系専攻 特任教授 中沢 浩

新技術の概要

ピンサー型三座配位子を有する卑金属錯体を担持したシリカゲルビーズを作成した。このビーズはヒドロシリル化反応に高い触媒活性を示し、反応後濾別して回収し、何度も再使用が可能であることを明らかにした。同様の手法で錯体をガラス容器表面に固定化することにより、ガラス容器自体が触媒となることも明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

工業的に重要なヒドロシリル化反応について種々の錯体触媒が開発されているが、ほとんどは均一系触媒反応であるため、生成物からの触媒の除去や触媒の再利用に問題があった。本研究では錯体を固定相に担持した固体触媒を作成し、高い触媒活性発現、簡便操作による生成物からの触媒の分離、また錯体触媒の再利用などを可能にした。

新技術の特徴

・錯体触媒の固定相への担持
・高い触媒活性の発現と反応後の簡便触媒分離
・固体触媒の繰り返し使用

想定される用途

・固定化触媒のバッチ法使用
・ガラス容器への錯体触媒の固定化による容器触媒反応
・フローリアクターによるエンドレス触媒反応

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

6)静電気による爆発事故を減らそう

発表資料 プレゼン動画

大阪府立大学 大学院工学研究科 電子・数物系専攻 准教授 高橋 和

新技術の概要

超小型シリコンラマンレーザを用いた静電気センシングにより、従来技術では困難な、狭小空間における静電気発火事故の可能性予知を行う

従来技術・競合技術との比較

軽量、小型、耐振動、リモート光計測を行い、新しい原理に基づく静電気センサ

新技術の特徴

・軽量
・小型
・リモート光計測

想定される用途

・ロケット開発
・化学プラント
・石油プラント

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

7)プラズマ弾丸が撃ち抜けば多孔質体は親水化

発表資料 プレゼン動画

大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻 教授 白藤 立

新技術の概要

骨再生スキャフォールドやマイクロ流路に代表される連続多孔質誘電体に放電用ガス(主としてヘリウム)を満たした状態で、その片面に大気圧プラズマジェットを照射すると、その内部を弾丸状のプラズマが高速で伝播し、プラズマ弾丸が伝播した経路がくまなく高速で親水化される。

従来技術・競合技術との比較

骨再生スキャフォールドは、NaOH水溶液に数時間浸漬して親水化されている。本技術では、数分で親水化可能である。大気圧プラズマジェットを単純に対象物に照射する競合技術もあるが、ジェット照射面近傍だけしか親水化できない。本技術では、プラズマ弾丸のある特殊な性質を利用し、スキャフォールド内部全体を親水化できる。

新技術の特徴

・複雑流路をもつ連続多孔質誘電体の内壁をくまなく高速で親水化
・大規模で高価な真空システムが不要で簡単安価なシステムで実現可能

想定される用途

・高分子の3Dプリントによって製造された骨再生スキャフォールド内壁の高速親水化
・高分子で製造されるマイクロリアクター内壁の高速親水化
・顆粒状物質の高速親水化

  • デバイス・装置

8)遠隔モニタリングを可能にする乳幼児・高齢者見守りウェアラブルデバイス

発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 電子・数物系専攻 教授 竹井 邦晴

新技術の概要

簡易レーザー照射や溶液プロセスで形成可能なフレキシブル傾斜センサ、湿度センサ、歪みセンサを開発した。さらにこれらセンサを集積させることで、乳幼児や高齢者の状態(うつ伏せ状態、立ち上がり等)、呼吸の有無(窒息状態や無呼吸症候群)、そしてオムツ内の蒸れやおもらしを遠隔検知するウェアラブルデバイスを開発した。

従来技術・競合技術との比較

簡易プロセスで多方向の傾斜をモニタリングするフレキシブル傾斜センサはこれまでに報告例がなく、新しいコンセプトにより実現した技術である。また湿度センサについても新しく材料を形成し、その電極材料との組み合わせにより安定且つ高感度な湿度センサを実現したものであり、従来技術では報告例はない。

新技術の特徴

・簡易プロセスによるフレキシブルセンサ作製技術
・多種センサの集積化技術
・システム回路とフレキシブルセンサとの融合

想定される用途

・見守り用、乳幼児遠隔モニタリング
・ウェアラブルデバイス
・感染症患者の非接触遠隔状態モニタリング

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大阪市立大学 大学運営部 研究支援課
TEL:06-6605-3550 FAX:06-6605-2058
Mail:sangakuアットマークado.osaka-cu.ac.jp
URL:https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/research

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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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