ライフサイエンス系 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年03月01日(火) 14:00~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、京都産業大学、龍谷大学、近畿大学、甲南大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 14:00~14:25
- アグリ・バイオ
龍谷大学 先端理工学部 環境生態工学課程 准教授 越川 博元
新技術の概要
尿、または下水に重金属廃液を混合することにより、重金属廃液中の金属イオンと尿、または下水に含まれるリン酸イオンとが反応し不溶性の重金属リン酸塩としてその両者の同時回収をおこないます。3価の金属イオンを選択的に沈殿回収ができるため、枯渇資源のレアアースとリンの資源回収を実現します。
従来技術・競合技術との比較
従来、重金属の処理として共沈法やアルカリ沈殿法は、処理後のpH調整や廃液の処理が必要でした。またリン酸はリン除去汚泥などとして埋立処分されています。本法では、pH調整が不要で環境負荷が小さく、資源として回収できます。工場で除害設備として、また下水処理場の遊休施設を利用することで下水の利用とその処理施設も利用できます。
新技術の特徴
・リン酸及び3価の金属イオン(レアアース等)の枯渇資源の同時回収
・1または2価の金属イオンが存在しても、3価金属イオンの選択的な沈殿形成
・尿、または下水のもつ緩衝作用により、pH調整が不要
想定される用途
・下水処理場の遊休施設の転用によるリン回収施設利用とその事業
・畜産動物(畜産農家)のし尿処理対策
・表面処理業(めっき業)等の廃液処理や無害化処理
- 14:30~14:55
- アグリ・バイオ
2)虫こぶ由来のCAPペプチドにより植物の潜在能力を引き出す
京都産業大学 生命科学部 産業生命科学科 教授 木村 成介
新技術の概要
虫こぶ形成昆虫が分泌するCAPペプチドは,植物細胞の幹細胞化や植物のストレス耐性に関する遺伝子の発現を誘導することで、植物組織の初期化、病原菌への感染抑制など多面的な生理作用を示す。したがって、このCAPペプチドは新規の農業用資材やバイオスティミュラントとして有望である。
従来技術・競合技術との比較
病害虫防除等に用いられる農薬類は,生産者や消費者に対する安全性と環境に与えるインパクトの面から問題点が指摘されている。これに対し,CAPペプチドは植物も持っている物質であり安全性が高いと考えられる。また、既存のバイオスティミュラント製品に病害虫防除を目的としたものはほとんどない。
新技術の特徴
・植物研究に必須の形質転換(遺伝子組み換え)の効率をあげることができる。
・栽培植物の成長速度をあげることができる。
・栽培植物のストレス耐性(病害抵抗性など)をあげることができる。
想定される用途
・研究用植物の形質転換(遺伝子組換え)促進剤
・栽培植物の成長促進剤
・栽培植物へのストレス耐性付与剤
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- 医療・福祉
3)固定・設置強度診断に向けた生体非侵襲レーザーセンシング
発表資料近畿大学 生物理工学部 医用工学科 講師 三上 勝大
https://www.kindai.ac.jp/bost/research-and-education/teachers/introduce/mikami-katsuhiro-b81.html
新技術の概要
レーザーパルスの照射により弾性波や衝撃波を発生させ、その振動を計測し、解析することで被照射物体の状態を計測するセンシング技術が、医療やインフラ、産業など幅広い分野で研究開発が行われている。本技術はレーザー照射周波数を掃引することで、生体非侵襲なエネルギーによる計測を提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術の課題として、ミリジュール以上の高エネルギーパルスを用いた計測技術のため、保護メガネ等が必要である。本技術はマイクロジュール以下の低エネルギーで実現するため、計測対象や条件によってはレーザー保護メガネが不要なポインター程度の出力でも計測可能となり、従来の課題を解決する。
新技術の特徴
・レーザー保護メガネ不要の生体非侵襲な出力によるセンシング技術
・レーザー照射による振動で試料の締結および固定状態の定量的な診断が可能
・レーザーを照射するだけの簡便な診断を実現
想定される用途
・弾性波計測の原理に基づく生体内の診断技術への転用
・生体内環境を含むボルトの締結および埋設状態の診断
・その他の打音検査が用いられる他分野の診断対象の全般
関連情報
・デモあり
- 15:30~15:55
- 医療・福祉
甲南大学 フロンティアサイエンス学部 生命化学科 教授 藤井 敏司
新技術の概要
アルツハイマー病の原因物質として有力な候補であるアミロイドβペプチドを簡便、高感度、安価、ハイスループットに検出するための電気化学センサの開発を行っている。独自に開発したペプチドを修飾した電極を用いて、血中に含まれるアミロイドβ(数十pM)を1時間以内に検出することに成功している。
従来技術・競合技術との比較
これまでに報告されている同様の検出研究例では、測定に時間を要する、測定装置・費用が高額である、測定用センサの構築が煩雑である、などの問題があった。本技術で使用する電気化学装置は比較的安価であり、簡便に、また修飾電極を繰返し利用可能で、1測定あたりの費用を下げることが可能であり、汎用性の高いものとなっている。
新技術の特徴
・簡単にアミロイドβを定量測定することが可能
・電極の修飾様式を変えれば、その他の物質の検出にも応用可能
・ポータブル化への展開
想定される用途
・健康診断等の血液検査項目の1つとしてのアミロイドβ量の経時変化追跡
・家庭用簡易アミロイドβ量モニタ
・アルツハイマー病の早期リスク評価用スクリーニング
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
京都産業大学 研究機構(研究推進担当)
TEL:075-705-3255
Mail:ksu-kenkyusuishin star.kyoto-su.ac.jp
URL:https://www.kyoto-su.ac.jp/collaboration/liaison.html
龍谷大学 知的財産センター
TEL:077-544-7270
Mail:chizai ad.ryukoku.ac.jp
URL:https://chizai.seta.ryukoku.ac.jp/index.php
近畿大学 大学運営本部 学術研究支援部
TEL:06-4307-3032
Mail:kenkyujosei itp.kindai.ac.jp
URL:https://www.kindai.ac.jp/liaison/
甲南大学 フロンティア研究推進機構
TEL:078-441-4547
Mail:sangaku ml.konan-u.ac.jp
URL:https://www.konan-u.ac.jp/front/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp