神奈川大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年12月07日(火) 09:55~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、神奈川大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
神奈川大学 研究支援部 部長 羽賀 丈雄
- 10:00~10:25
- 材料
神奈川大学 大学院 理学研究科 理学専攻(化学領域) 教授 木原 伸浩
https://ku-labo.kanagawa-u.ac.jp/detail/detail_sci_1104.html
新技術の概要
熱可塑性樹脂はもちろん、熱硬化性樹脂や架橋体など、どのようなポリマーでもジアシルヒドラジンで変成すると、本来の耐候性・耐熱性・機械的特性を損なうことなく、かつ、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤の主成分)によって容易に酸化分解できるポリマーが得られる。
従来技術・競合技術との比較
廃プラスチック問題の解決策として、高分解性の材料に期待が集まっているが、高分解性と使用中の劣化は二律背反である。これに対し、本技術による材料は、使用中は難分解性で機械的特性を維持し、廃却時は入手容易で安価な刺激によって速やかに分解して機械的強度を直ちに失う。使用時の安定性と廃却時の分解性を両立できる。
新技術の特徴
・難分解性で、耐熱性が高く、高強度のポリマー(強度は自在に調整可能)
・分解させたい時には、直ちにモノマーまで分解できる
・分解に使う薬品(刺激)は安価で入手容易
想定される用途
・分解性接着剤
・分解性塗料
・分解性架橋体(高吸水性ポリマーなど)
関連情報
・デモあり
・展示品あり
- 10:30~10:55
- 通信
神奈川大学 大学院 工学研究科 工学専攻(電気電子情報工学領域) 准教授 陳 春平
https://ku-labo.kanagawa-u.ac.jp/detail/detail_eng_1025.html
新技術の概要
本研究で提案する金属フォトニック結晶構造は、ミリ波・テラヘルツ波帯において、超小型・低損失且つ高集積化の電磁波回路の実現が可能であり、Beyond 5G/6Gなどの次世代無線通信システム用超高性能機能デバイスの開発に期待される。
従来技術・競合技術との比較
金属フォトニック結晶構造は、現在ミリ波・テラヘルツで使われている導波管とほぼ同じ程度の低損失を持つが、作製は簡単で製造コストも低い。平行平板金属導波構造や、非放射導波路や、金属ポスト壁によるSIW(PWW)構造との集積化利用も可能である。
新技術の特徴
・ミリ波・テラヘルツ帯での低損失・低コスト且つ高集積化超小型電磁波回路の実現が可能
・エアギャップなどを利用することにより共振周波数と結合の制御ができ、可変電磁波回路の実現が可能
・フォトニック構造の通過域と阻止域をうまく利用すると電磁回路の阻止域特性の改善が可能
想定される用途
・Beyond5G/6G無線通信システム用ミリ波・テラヘルツ波帯機能デバイス(フィルタ、アンテナなど)の設計
・レーダや衛星通信などのほかのミリ波・テラヘルツ波無線通信システム用機能ディバイスの設計
・医療診断、危険物の検査、新材料の開発などの分野で利用するミリ波・テラヘルツ波センサーなどの開発
- 11:00~11:25
- 製造技術
神奈川大学 特別招聘教授 田嶋 和夫
新技術の概要
本技術は、界面活性剤の代わりに柔らかい親水性ナノ粒子によって、高粘度油脂や固体微粒子を水相に安定乳化・分散させる三相乳化法の技術を解説する。そして、乳化物と固体分散液を、分離することなく、安定に均一混合ができる事を示す。
従来技術・競合技術との比較
三相乳化技術は、従来技術と異なり、乳化・分散の安定性が界面物性に依存しない技術である。そのため、従来乳化が困難であった高粘度または高融点の油脂の乳化が可能である。また、三相乳化技術によってコーティング処理をした固体微粒子は、固体微粒子の表面物性を問わず水にも油にも分散が可能となる。
新技術の特徴
・油種を問わずに、乳化物が調製可能である。
・既製表面処理の状態を問わず、固体微粒子が水や油に分散できる。
・ヒトや環境に調和型の柔らかい親水性ナノ粒子による乳化・分散法である。
想定される用途
・高分子複合材料用各種ナノフィラーの均一分散
・ドラッグデリバリーシステム
・各種機能性フィルム、機能紙
- 11:30~11:55
- 材料
神奈川大学 大学院 理学研究科 理学専攻(化学領域) 教授 川本 達也
https://ku-labo.kanagawa-u.ac.jp/detail/detail_sci_1103.html
新技術の概要
可視光を利用して水から水素を製造するシステム(水素生成触媒、光増感剤、犠牲剤)において優れた活性を示す水素生成触媒を開発した。ロジウム錯体触媒のターンオーバー数は25,000~30,000、パラジウム錯体触媒では20,000に達する。ただし、パラジウム錯体触媒は反応過程でナノ粒子に変換される。
従来技術・競合技術との比較
競合するのは半導体光触媒。日本を中心に研究が進められており、量子収率(光子の利用効率)を高めることに成功しているが、可視光を十分に利用するまでには至っていない。一方、本技術では可視光を利用することができ、また、光触媒とは異なり、水素だけを製造するため酸素との分離を要しない。
新技術の特徴
・水から水素だけを高効率で製造する
・可視光を利用できる
・システムを構成する水素生成触媒、光増感剤(イリジウム錯体、量子ドット)、犠牲剤を独立に改良できる
想定される用途
・水素の製造
・犠牲剤として廃棄物を用いることによる再利用
・犠牲剤として基質を用いることによる光化学反応
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
神奈川大学 研究支援部産官学連携推進課
TEL:045-481-5661
Mail:sankangaku-renkei kanagawa-u.ac.jp
URL:https://www.kanagawa-u.ac.jp/research/cooperation/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp