材料 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年08月17日(火) 09:55~14:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、四国産学官連携イノベーション共同推進機構(SICO)、徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学、高知工科大学、株式会社テクノネットワーク四国
発表内容一覧
発表内容詳細
- 材料
徳島大学 大学院医歯薬学研究部 保健学域生体機能解析学 准教授 冨永 辰也
https://www.tokushima-u.ac.jp/med/health_science/course/kino_kensa/biological-function-analysis/
新技術の概要
体液中のエクソソームの回収方法として、ゴールデンスタンダードである超遠心法や既存の試薬キット(アフィニティーカラム、ポリマー沈殿法等)が存在する。本技術はこれらの方法と異なり、高吸水ポリマーを用いることで、迅速且つ高収率・高純度なエクソソームを回収できる技術である。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、尿検体1ml、回収工程180分程度で、既存法と比較して、回収率は10倍、精製度はエクソソーム精製キットと同等であり、これまでにない性能を有する。
新技術の特徴
・回収工程が非常に簡便
・必要検体量が微量
・高収率・高回収
想定される用途
・エクソソーム回収キット
・エクソソーム診断薬の前処理剤
・培養液等からのエクソソーム大量精製装置
- 材料
2)高いサイクル特性を示すリチウムイオン二次電池用有機正極活物質
発表資料愛媛大学 大学院理工学研究科 物質生命工学専攻 応用化学分野 助教 吉村 彩
新技術の概要
リチウムイオン二次電池の正極活物質として、環境負荷が小さく、多彩な分子設計が可能な有機材料が注目されているが、一般に電解液への溶出を抑えられず、サイクル特性は優れない。今回我々は、この課題を解決し、高いサイクル特性を示す有機正極活物質の開発に成功した。
従来技術・競合技術との比較
一般的なリチウムイオン二次電池の正極活物質である無機材料は「元素危機」などが懸念されている。また、多様な分子設計が可能な有機材料が注目されているが、電解液への溶出を抑えられず、サイクル特性は優れない。我々の開発した有機分子は、電解液への溶出を抑え、高いサイクル特性を示すものである。
新技術の特徴
・有機正極材料の電解液に対する溶出を抑制
・高いサイクル特性を達成する有機正極材料の開発
想定される用途
・リチウムイオン二次電池の正極材料
- 材料
高知大学 教育研究部 総合科学系 複合領域科学部門 黒潮圏総合科学専攻 准教授 難波 卓司
新技術の概要
スピルリナの成分が細胞に働きかけることで細胞の持つ機能を増進させる。特に老化細胞はミトコンドリアの抗酸化能の低下から活性酸素を大量に産生しているため、細胞内での新たなタンパク質の合成がうまくできていない。そこでスピルリナの成分を老化細胞に作用させるとミトコンドリアの抗酸化能を増強させ、これまで減少していたコラーゲンの産生量も増加させた。
従来技術・競合技術との比較
これまでにスピルリナの成分自体が抗酸化作用などの有用な機能を有していることが明らかになっていた。一方、本研究開発ではスピルリナの成分が細胞に作用することで細胞の機能を増進すること、特に老化した細胞の機能を回復させることを新たに発見している。
新技術の特徴
・老化した線維芽細胞でコラーゲンの産生を増加させる。
・老化した線維芽細胞の抗酸化能を増加させる。
・老化した線維芽細胞でスピルリナがミトコンドリアの機能回復させる。
想定される用途
・健康食品
・化粧品
- 材料
愛媛大学 大学院理工学研究科 物質生命工学専攻 准教授 山室 佐益
新技術の概要
本発明は、数十~数百nmの細孔径を有するβ型炭化ケイ素多孔体を製造する方法に関するものである。液体又は気体に含まれる粒子やウイルス等の除去対象物を空孔に捕獲させることで該液体又は気体から除去するフィルタや、触媒を空孔に担持させる担体等への使用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
一般に、有機ケイ素ポリマーを用いて炭化ケイ素多孔体を製造する場合にはシリカ粒子等の造孔材を用いるため、フッ酸によるシリカ粒子除去等の後工程が必要となる。本手法では造孔材粒子が不要なため、後工程が簡略化され環境負荷も低減できる。細孔径も30~300 nmと小さく、ウイルス等の微小異物除去に適用できる。
新技術の特徴
・造孔材が不要
・炭化ケイ素の使用による高い熱的・化学的安定性
・ナノサイズの細孔形成が可能
想定される用途
・微小異物除去のためのフィルター
・触媒粒子の担体
- 材料
高知工科大学 環境理工学群 化学 講師 林 正太郎
新技術の概要
発表者が開拓した「エラスティック結晶」の概念と簡便な分子集合プロセスに基づいた「単結晶ファイバー」創製技術とその新素材における従来繊維と異なる機能性を実現する。この素材の創製原理に基づき、極めて容易なプロセスで分子単位までの完全分解が行える「完全リサイクル」を実現した。
従来技術・競合技術との比較
繊維材料を構成する分子は高分子が基本であり、共有結合性の巨大分子である。これは、結合の開裂に大きなエネルギーが必要なため、分解を効率的に行うことができない。一方で、単結晶ファイバーは分子間相互作用で強固に構成された柔軟繊維であり、素材の安定性は高いが分子単位まで簡単に分解できる。
新技術の特徴
・低分子から構成される簡便な繊維作成プロセスとその完全な分解に基づいた「完全リサイクル性」
・作製プロセスによって制御される多彩なファイバー径
・分子構造の特徴によって様々に誘起される発色・発光性と超撥水性
想定される用途
・シートおよび緩衝材
・フィルター
・撥水性材料
- 材料
6)高塩濃度溶液からSrを除去する高性能マンガン酸化物系吸着剤
発表資料香川大学 創造工学部 先端材料科学領域 教授 馮 旗
新技術の概要
福島原発事故放射能汚染水から放射性Srを選択的に除去するため、海水等の高塩濃度溶液からSrを選択的に吸着できる高性能酸化マンガン系吸着剤を開発した。
従来技術・競合技術との比較
海水条件における吸着選択性は、これまで報告されたケイチタン酸塩系吸着剤、二チタン酸塩系吸剤、A-ゼオライト系吸着剤より高いSr吸着性を有する。
新技術の特徴
・低コストと高性能を同時に実現
・汚染水の処理の高効率化を実現
想定される用途
・福島原発放射能汚染水の処理
・核燃料リサイクルの汚染水処理
・海水からSr資源回収
関連情報
・サンプルあり(連携希望企業等からの要望があれば提供できる)
・展示品あり
- 材料
愛媛大学 大学院理工学研究科 物質生命工学専攻 講師 阪本 辰顕
新技術の概要
合金の高強度を維持したまま、延性を改善する方法として、微細粒と粗大粒の混粒組織(バイモーダル組織)の利用が挙げられる。バイモーダル組織を作製するためには、通常、圧延などの加工と熱処理を組み合わせて行われるが、本発明は熱処理により強度を維持したまま金属に延性を付加する技術についてである。
従来技術・競合技術との比較
バイモーダル組織を作製するために、本発明では圧延などの加工を必要としないので、加工ができない部品・製品に対して強度を維持したまま延性を付与することができる。また、曲げ加工などの加工性が劣る部材に対して、強度を維持したまま加工性を付与することができる。
新技術の特徴
・圧延などの加工ができない部材・製品の強度を維持したままの延性向上
・曲げ加工等の加工性が悪い部材の強度を維持したままの加工性向上
想定される用途
・板材の強度を維持したままの曲げ加工性の改善
・棒材の強度を維持したまま延性改善
・ねじの強度を維持した延性改善
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部【発表1~2,4,6~7】
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高知工科大学 研究連携部研究連携課【発表5】
TEL:0887-57-2025
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