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スマートライフ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2021年12月23日(木) 12:55~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、
中国地域産学官連携コンソーシアム、
岡山理科大学、山口大学、就実大学、
鳥取大学、広島市立大学、岡山大学

発表内容詳細

  • 12:55~13:00

開会挨拶

鳥取大学 理事(研究担当, IT担当)・副学長 河田 康志

  • 13:00~13:25
  • エネルギー

1)PT対称性により実現した高性能ワイヤレス給電システム

発表資料 プレゼン動画

岡山理科大学 理学部 応用物理学科 准教授 石田 弘樹

http://www.dap.ous.ac.jp/~ishida/

新技術の概要

本発明は、時間・空間反転対称性(PT対称性)の原理を応用した新規のワイヤレス給電装置(WPT)である。PT対称性により、給電側コイルと受電側コイルの間の距離(伝送距離)が変化した場合でも、長い伝送距離にわたって一定の伝送電力と高い伝送効率を維持し続けることができる特徴をもつ。PT対称性WPTは、2017年にスタンフォード大学のファン教授のグループから発表された。発表当時は、伝送電力および伝送効率ともに低く、実用性に乏しいと思われたが、2020年に同グループは、スイチングモードアンプの適応に成功し、高い伝送効率を実現した。
本発明の特徴は、PT対称性WPTの実用性を高めるために20kHz程度の低周波を用いることにある。これは、ファン教授らが提案したシステムの100分の1程度の周波数である。低周波化による恩恵としては、コイルを磁性コア材に巻くことができるため、コイルサイズを小さくすることができる。また、数MHzの高周波で駆動するスイチングモードアンプの実現は技術的に難しく、製造コストも高くなる。一方、20kHz程度の低周波であれば、モーター用のインバータと同様の技術で実現できるため、製造コストを低く抑えられる。本発明では、低周波においてPT対称性を保存させるための条件を見出し、この条件を満たす装置を発明した。

従来技術・競合技術との比較

本発明によれば、ワイヤレス電力伝送を高効率に行う事ができる。従来技術と比べて、電力伝送を行う機器との距離や位置ずれなどが発生した場合であっても、伝送効率を損なうことがない。
低周波数であることから、コイルを磁気コア材料に巻き付けることによりコイルサイズが小型化できる、スイッチングモードアンプなどの回路コストを低コスト化できる、などのメリットがある。
また、本発明の方法では、数百ワット以上の電力伝送が可能であることから、移動体、携帯機器、医療機器、家電分野など広く応用が可能である。
ケーブルを用いた電力供給が利便性、安全性を損なう分野、障害物があって電力供給に困難が伴う分野、バッテリーの小型化を目指す分野などで、メリットを生かした応用が可能である。

新技術の特徴

・PT対称性を応用した事による高効率のワイヤレス電力伝送
・低周波数のため磁気コアを使用した小型、低コストのシステム
・距離や位置ずれが発生しても伝送効率の変化が少ない

想定される用途

・携帯機器のワイヤレス給電
・搬送車などの移動体へのワイヤレス給電
・医療機器へのワイヤレス給電

関連情報

・展示品あり

  • 13:30~13:55
  • エネルギー

2)環境モニター用電源に好適な植物微生物燃料電池

発表資料 プレゼン動画

山口大学 大学院創成科学研究科(工学系学域) 社会建設工学分野 准教授 アジズル モクスド

http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~azizul/

新技術の概要

将来の持続可能な社会実現に向け、新たな再生可能エネルギーを提案する。「植物微生物燃料電池」は在来の微生物を利用することを特長とするバイオ電池である。植物が光合成で生産し、その根から漏出する糖を地中の微生物が代謝する過程で発生する電子を利用する発電システムである。

従来技術・競合技術との比較

先行する再生可能エネルギーの太陽光発電や風力発電とは異なり、昼夜を問わず気象条件に影響されず発電できる。また化学電池とは異なり、交換の必要がなく、有害な化学物質を利用・排出しない環境にやさしい発電システムである。ただし、現状ではエナジーハーベストの一種の位置づけで、高出力化が課題である。

新技術の特徴

・環境に優しいエナジーハーベスト(環境発電)技術
・気象条件に影響されない発電技術
・充電や部材の交換を必要とせず、長期に発電できる

想定される用途

・環境モニタリングセンサーやワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)への電源供給
・災害監視センサーの電源
・スマート農業センサーの電源

関連情報

・デモあり
・展示品あり

  • 14:00~14:25
  • 環境

3)抗ウイルスコーティング技術の開発

発表資料 プレゼン動画

就実大学 薬学部 薬学科 講師 山田 陽一

新技術の概要

エンベロープ型ウイルス全般に効果がある界面活性剤を含浸可能でかつ徐放するコーティングを作製する技術である。エアロゾルデポジション(AD)法によって多孔質のナノポーラス膜を作製し、これに消毒で広く用いられているクロルヘキシジンを含浸させたコーティングが顕著な抗ウイルス効果を示した。

従来技術・競合技術との比較

エンベロープ型ウイルスへの対策として界面活性剤による清拭が行われているが、ドアノブや手すり、つり革など公共の場で人の手が触れるものに対して頻繁に行うことは難しい。本技術は持続性があるため、そのような表面への適応が期待される。

新技術の特徴

・抗ウイルスコーティング
・持続性
・様々な表面に適応

想定される用途

・手すりなどのコーティング
・つり革のコーティング
・公共の椅子のコーティング

関連情報

・サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • アグリ・バイオ

4)食用きのこの発酵豆乳液に見いだしたDPP-4阻害ペプチドによる2型糖尿病の予防と改善

発表資料 プレゼン動画

鳥取大学 工学部 化学バイオ系学科 教授 岡本 賢治

http://www.bio.tottori-u.ac.jp/~shoku/

新技術の概要

豆乳を食用きのこで発酵させる技術で、2型糖尿病治療薬のターゲットとされるDPP-4(Dipepeptidyl peptidase-4)に有望な阻害活性を示し、発酵で生じたペプチドが存在する。それ以外に、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするアグリコン型イソフラボンのほか、きのこ由来の抗酸化物質エルゴチオネインを含有するのを特徴とする。

従来技術・競合技術との比較

現行の血糖値上昇を抑える特定保健用食品としては、腸管からの糖の吸収を抑える難消化性デキストリンを含むものや、麦芽糖の分解に関わるα-グルコシダーゼ阻害物質を含むものが主流であるが、DPP-4阻害をターゲットとした商品は未だ上市されていない。本技術はきのこと大豆を組み合わせたことで新たな展開が期待される。

新技術の特徴

・インスリン分泌に働くDPP-4阻害ペプチドを含む
・エストロゲン様物質のアグリコン型イソフラボンを含む
・きのこが作る抗酸化物質のエルゴチオネインを含む

想定される用途

・機能性表示食品
・介護食
・ペットフード

関連情報

・サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 医療・福祉

5)ユーザの意図の理解に助かる全天周車椅子ロボットの注視点推定法

発表資料

広島市立大学  大学院情報科学研究科 システム工学専攻 教授 李 仕剛

https://www.mc.info.hiroshima-cu.ac.jp/mc_public/

新技術の概要

本技術は、周囲の環境を観測できる全天周カメラを取り付けた車椅子ロボットの前方の両側にユーザの顔を観測するカメラを取り付けて、ユーザの前方を見渡す広い視野内での注視点を、車椅子ロボットに取り付けられた全天周カメラで撮像された全天周画像上で推定を行うものである。

従来技術・競合技術との比較

従来法と比べて、リモートカメラを用いているため、ユーザに負担をかけないうえ、複数(2台)の顔観測カメラを使用することでユーザの大きな頭部の回転にも対応できる。さらに、深層学習による時系列画像を処理することで高い計測精度を得ることを確認できた。

新技術の特徴

・新しい車椅子ロボットのユーザの注視点計測の視覚インターフェースを構築した
・車椅子ロボットのユーザの大きな頭部の回転にも対応できる注視点計測の技術を開発した
・深層学習による時系列画像を処理することで高い計測精度を得た

想定される用途

・ユーザに優しい車椅子ロボットの実現
・ユーザの意図を理解できる車椅子ロボットの実現

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 15:30~15:55
  • 材料

6)電気をよく通す高分子イオン液体材料の開発

発表資料

岡山大学  学術研究院自然科学学域 応用化学専攻 研究准教授 渡邉 貴一

http://achem.okayama-u.ac.jp/interface/

新技術の概要

我々は新奇なイオン液体モノマーを開発した。それを空気中で加熱すると、電気をよく通す高分子イオン液体とその架橋樹脂が得られた。これらの材料は、不揮発性や耐熱性、不燃性も兼ね備えているため、安全な高分子固体電解質や過酷環境で使用できるソフトアクチュエータとしての応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来の主鎖型高分子イオン液体は、重合後に煩雑な反応工程を経て合成されている。本研究で開発したClick反応性イオン液体モノマーを用いると、一段階の反応で、高イオン伝導性を示す主鎖型高分子イオン液体が得られる。さらに架橋すると、イオン伝導性と機械的強度を兼ね揃えた架橋樹脂が得られる。

新技術の特徴

・シンプルな一段階反応によって主鎖型高分子イオン液体が得られる。
・モノマー設計に基づいてイオン伝導性を調節できる。
・架橋度によって機械的強度と膨潤特性を制御できる。

想定される用途

・電池の固体電解質
・ソフトアクチュエータ材料
・樹脂への添加剤

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

中国地域産学官連携コンソーシアム
岡山大学 研究推進機構内 中国地域産学官連携コンソーシアム事務局
TEL:086-251-7151  
Mail:sangaku-cons アットマークokayama-u.ac.jp
URL:http://sangaku-cons.net/

岡山理科大学 研究・社会連携部
TEL:086-256-9730 
Mail:renkei アットマークoffice.ous.ac.jp
URL:http://renkei.office.ous.ac.jp/

山口大学 学術研究部 産学連携課
TEL:0836-85-9961 
Mail:yuic アットマークyamaguchi-u.ac.jp
URL:http://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/

就実大学 産学官地域連携センター
TEL:086-271-8465 
Mail:soumu アットマークshujitsu.ac.jp
URL:https://www.shujitsu.ac.jp/about/torikumi/sangakurenkei/

鳥取大学 研究推進機構
TEL:0857-31-5609  
Mail:sangakucd アットマークml.cjrd.tottori-u.ac.jp
URL:https://s.orip.tottori-u.ac.jp/

広島市立大学 社会連携センター
TEL:082-830-1545  
Mail:office-shakai アットマークm.hiroshima-cu.ac.jp
URL:http://www.renkei.hiroshima-cu.ac.jp/

岡山大学 研究推進機構 産学連携・知的財産本部
TEL:086-251-8463  
Mail:cr-ip アットマークokayama-u.ac.jp
URL:http://www.orpc.okayama-u.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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