静岡大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年11月11日(木) 13:00~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、静岡大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:00~13:25
- 製造技術
静岡大学 大学院総合科学技術研究科 工学専攻 教授 孔 昌一
https://tdb.shizuoka.ac.jp/rdb/public/Default2.aspx?id=10358&l=0
新技術の概要
本技術は、より簡便な方法(少工程かつ短時間、高温処理を必要としない)による多孔質還元型酸化グラフェンの製造を可能にすることにある。具体的には、酸化グラフェンと金属酸化物粒子との複合体に対して、アルコール類と酸の存在下でマイクロ波処理により多孔質還元型酸化グラフェンが得られる。
従来技術・競合技術との比較
従来(競合)技術では、工程数が多く、製造までに長時間(20時間以上)、特殊条件(H2/Ar雰囲気)や高温(300 ℃)での処理が必要となるといった課題があるのに対して、本技術では1工程で低温短時間(180 ℃、6分間)のマイクロ波処理で製造でき、また、キャパシタ電極に用いた時に高比容量が得られた。
新技術の特徴
・資源豊富な黒鉛を材料として用いる
・環境に優しいマイクロ波処理
・低温短時間少工程
想定される用途
・キャパシタの電極材料
・バッテリーの電極材料
・バッテリーの電解質材料
関連情報
・サンプルあり
- 13:30~13:55
- エネルギー
静岡大学 大学院総合科学技術研究科 理学専攻 講師 守谷 誠
新技術の概要
全固体マグネシウム電池向け固体電解質として展開を目的として、マグネシウムイオン、対アニオン、小分子の自己集積化と結晶化を用いて含マグネシウム分子結晶を開発した。開発した分子結晶は、結晶構造中にイオン伝導パスを有し、室温近傍の温度域でパスを介したMgイオン伝導性を示す。
従来技術・競合技術との比較
セラミックスやガラスといった無機系固体電解質ではマグネシウムイオン伝導性の発現に150度以上の加熱を要することが一般的であるが、今回開発した有機固体電解質は室温近傍という非常に温和な条件でマグネシウムイオン伝導性が確認されている。
新技術の特徴
・マグネシウムイオン伝導
想定される用途
・全固体電池
・センサー
・キャパシタ
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- 医療・福祉
静岡大学 大学院総合科学技術研究科 工学専攻 准教授 佐野 吉彦
新技術の概要
本技術は、透析治療における患者体内の血液毒素濃度の時間変化を示す関数を用いて、それぞれの患者の身体的個性にあわせた透析条件を提言する透析情報提供装置である。本技術は、透析における患者の身体的固有値の取得を可能とし、透析後を含めた任意の透析時間で、血液濃度等の目標値を実現するための透析条件を演算する。
従来技術・競合技術との比較
透析条件は医師の知見および経験により総合的に決定される。過去に透析条件を記憶する透析支援技術は存在するが、本技術のように身体的個性を計測した上で理論的に透析条件を提言する技術はない。透析治療時の血液毒素濃度を示す関数はこれまでも提案されているが、身体的個性は考えておらず精度に欠けていた。
新技術の特徴
・患者の身体的個性に合わせた透析条件の自動提言ソフトウェア
・患者一人一人の身体特性に合わせた人工透析の実現
・新たな透析患者生体内毒素予測モデルによる透析中、透析後の血中毒素濃度の正確な予測
想定される用途
・それぞれの患者にあわせた透析治療条件(透析治療の種類を含む)の情報提供
・VA再循環率の計測より、バスキュラーアクセスの査定
・医師・看護師・臨床工学士向けの教材
関連情報
・デモあり
- 14:30~14:55
- 環境
静岡大学 大学院総合科学技術研究科 工学専攻 教授 木村 元彦
新技術の概要
渦巻型の板をミスト気流中で回転させることによってミストに遠心力を与え、渦巻型の板で捕集するものである。静止した気流であっても渦巻型の板を回転させることによってミストに遠心力を与えることが可能となり、ミストの捕集効率が大きい。
従来技術・競合技術との比較
フィルターを使用する方法は定期的にフィルターを洗浄あるいは交換する必要がある。また、静電気を使用する方法は装置が複雑かつ高価なものとなる。サイクロンを用いる方法はある程度の高速な気流が必要となるなどの課題があった。
新技術の特徴
・静止したミストを回収可能
・フィルター交換等が不要
・ミスト捕集効率が高い
想定される用途
・機械工場、食品工場などのオイルミストの回収
・超音波霧化分離装置への応用
関連情報
・展示品あり
- 15:00~15:25
- 医療・福祉
静岡大学 グリーン科学技術研究所 グリーンケミストリー研究部門 教授 朴 龍洙
新技術の概要
ポリエチレンイミンからなるpH応答性ナノゲルにナノタグをカプセル化し、磁気ナノ粒子−標的ウイルス−ナノゲルのサンドイッチ構造を形成した。磁気分離後、六方晶窒化ホウ素を処理した表面ラマン増強散乱基板でホットスポットを形成させ、ラマン散乱を増強した。E型肝炎ウイルスの場合、検出感度はフェムトグラムオーダーであった。
従来技術・競合技術との比較
従来イムノアッセイ法に比べ100倍以上の感度で標的ウイルスの検出が可能である。
新技術の特徴
・SERS活性を持つナノタグを、ナノゲル包埋することで、凝集などの再現性・不均一性を解決した。
・ナノゲルは、pH応答性であるため、SERS基板上でホットスポットを形成できる。
・ナノタグは、夾雑物から磁気分離されるため、ラマン散乱における夾雑物による影響が少ない。
想定される用途
・抗体付加による、ウイルスの高感度・迅速検出
・ナノプローブ付加による、化学物質の超微量・迅速検出
- 15:30~15:55
- 医療・福祉
静岡大学 大学院総合科学技術研究科 工学専攻 教授 海老澤 嘉伸
新技術の概要
本技術は、例えば、50㎝程度離れたところから、2つの波長の近赤外線を顔に照射し、眼底からの戻り光をとらえる。2波長光による瞳孔輝度比を計測することで、瞳孔径が変化しても、眼底の酸素飽和度を連続的に計測・モニタリングできる。
従来技術・競合技術との比較
従来の眼底の血中酸素飽和度の計測では、散瞳剤点眼の上、覗き窓の覗くようにした状態で計測される。本方法では、50㎝など遠く離れたところから、不可視の近赤外線を顔に照射する。散瞳剤不要のため、視覚機能低下無しで、無自覚かつ連続的に眼底の血中酸素飽和度が計測・モニタリング可能である。
新技術の特徴
・比較的簡易な装置構成により、遠隔から眼底の血中酸素飽和度の連続計測が可能
・瞳孔面積・瞳孔輝度・視線・頭部姿勢などの高精度な同時計測が可能
・被計測者への負担が小さく、無自覚計測が可能
想定される用途
・スマートフォンによる身体や眼の病気の発見のための連続的スクリーニング・モニタリング
・ドライバー等の脳障害による危険検知
・洗面台ミラーなどの自宅備え付け機器に組み込み、身体や眼の病気の発見のための連続的スクリーニング・モニタリング
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
静岡大学 イノベーション社会連携推進機構
TEL:053-478-1702
Mail:sangakucd adb.shizuoka.ac.jp
URL:https://www.oisc.shizuoka.ac.jp/
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