筑波大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年10月21日(木) 13:25~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、筑波大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- デバイス・装置
筑波大学 図書館情報メディア系 准教授 落合 陽一
新技術の概要
速度や軌道が調節でき自身から飛行音を発しているドローンを球として用いると同時に、それに対応した新たなラリー手法やラケット開発を行うことで、弱視者が空中で移動する球を認識しラリーすることができる球技競技を提案する。
従来技術・競合技術との比較
ドローン産業の発展により安価でプログラミング可能なドローンが普及した。そのようなドローンを球として用いるアイデアを基に、新たなデバイスやラリー手法を考えることで、これまで不可能であったバウンドを必要とせず視線を上げて行う弱視者向けの球技を提案する。
新技術の特徴
・ドローンをガットが無いラケットを通過することを非接触で検知し,UAVの飛行方向を変更させる技術
・複数のラケットを使用することで,UAVを用いて軌道変更可能なラリーを行う技術
・上記システムを用いたスポーツゲーム進行のルールの開発
想定される用途
・ルールの設定された球技の実施(スイングの失敗、ドローンにラケットを衝突させ墜落させた場合に相手に点数が入る仕様。指定ポイント先取したプレイヤーの勝利)
・ルールの設定された球技の実施(2人1組になりラリーのたびにドローンの速度が早くなるようにプログラムを作成。連続したラリーの回数を更新していくゲーム)
・ルールの設定された球技の実施(輪投げの要領で、ドローンをスイングによりコンロールして指定された場所にドローンを移動させる。指定場所にあるポイントを足し合わせた点数が高いプレイヤーの勝利。)
関連情報
・デモあり
- 14:00~14:25
- 電子
筑波大学 システム情報系 情報工学域 助教 三宮 秀次
新技術の概要
真に処理中の回路のみが駆動される省電力動作により、高い性能対電力効率が求められるIoTシステムや、消費電力を判断基準とする格段に正確な異常検出を実現できる回路アーキテクチャである自己同期型パイプラインを、システムのプロトタイピングに欠かせない、書き換え可能な回路であるFPGA上に効率的に実現する技術である。
従来技術・競合技術との比較
自己同期型パイプラインのFPGA実現では、そのデータ転送のための制御回路の小型化が困難であり、結果的に処理性能向上が困難であった。本技術は、データ転送制御回路を、従来の50%の規模で実現する。具体例として、自己同期型パイプラインの応用例の一つであるプロセッサのスループットを最大で約66%向上できる。
新技術の特徴
・プロセッサ(自己同期型データ駆動プロセッサ)のスループットを最大約66%向上
・全てのパイプライン回路に応用可能
・大手FPGAベンダー(Xilinx社、Intel社)のFPGA上で実証済み
想定される用途
・プロセッサ(自己同期型データ駆動プロセッサ)
・専用処理エンジン
・エッジAI
- 14:30~14:55
- 情報
筑波大学 システム情報系 情報理工学位プログラム 准教授 今倉 暁
新技術の概要
本技術は、複数の機関が独立に保持する秘匿データを共有することなく、統合的に解析を行う技術である。共有困難な秘匿データではなく、各機関が独自の方法で抽象化した中間表現のみを共有することで、データの秘匿性を担保しつつ、単独機関のデータのみでは実現できない高精度な解析を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術である暗号計算に対して、通常の数値計算のみで実装される本技術は計算コストが小さく、複雑な解析モデルの構築も含めた大規模解析が可能である。また、競合技術であるFederated Learningと異なり、機関を跨ぐ反復通信が不要であり、導入時および実行時における省コスト性を実現している。
新技術の特徴
・複数機関のデータを、生データを共有せずに統合的に解析を行う
・各機関の生データのフォーマットの統一が不要
・暗号計算や機関を跨いだ反復通信が不要であり省コスト
想定される用途
・複数医療機関・自治体のデータを利用した、疾患予測モデルやリスク因子推定
・ものづくりや農業分野における生産データを利用した、生産性向上のための生産条件の最適化
・複数の都市データを利用した、スマートシティーのためのデータ連携解析
- 15:00~15:25
- 情報
4)ストリームデータ圧縮技術 ASE Coding
発表資料筑波大学 システム情報系 准教授 山際 伸一
新技術の概要
ASE Codingはデータストリームのエントロピーを適応的に理解し、圧縮・復号化するロスレスデータ圧縮技術である。単位データへの可変長でのリアルタイム圧縮が可能であり、安定的な圧縮効率を実現している新方式である。圧縮器・解凍器はハードウェア実装とも親和性が高く、小さな回路規模での高速動作が可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来技術のLCA-DLTと比べ、圧縮データ単位の可変長での圧縮が可能なため、安定的な圧縮性能を示すだけでなく、ハードウェア実装でも必要となるリソースサイズを縮小できている。4K画像において30%〜40%のデータ削減が可能であることを確認している。
新技術の特徴
・リアルタイムにストリームデータをゼロディレイでの圧縮をできる。
・ロスレスでストリームデータをリアルタイム圧縮/復号化できる。
・少ないリソースでハードウェア化できる。
想定される用途
・医療や製造業での検査等で精密な画像データを用いるアプリケーション
・データセンタなどビッグデータを保存、通信を行うアプリケーション
・センサーデータなどリアルタイムにデータを扱うモバイル/IoTアプリケーション
- 15:30~15:55
- 計測
5)先進のデータ解析・情報数理を駆使したCT画像再構成法は新方式CT装置の実現を拓く
発表資料筑波大学 システム情報系 情報メディア創成学類、理工情報生命学術院システム情報工学研究群情報理工学位プログラム 教授 工藤 博幸
新技術の概要
最新のトモグラフィ理論、超圧縮センシング、深層学習など最新の情報数理を駆使して、X線を関心領域のみに照射するインテリアCT・X線照射方向数を削減するスパースビューCT・位相CTなどの新方式において、被曝や計測時間を短くした投影データから高画質のCT画像が生成できる画像再構成法とソフトウェアを開発した。
従来技術・競合技術との比較
産業用CT、医療用CT、マイクロ・ナノCT、電子線トモグラフィなどのCT装置では、現在でもフィルタ補正逆投影(FBP)法により画像再構成が採用されているが、完全な投影データが必要であるためX線を関心領域のみに照射するインテリアCT・X線照射方向数を削減するスパースビューCT・回折格子を移動させないシングルショット位相CTなどの魅力的な新方式CTを実現することはできない。最新のトモグラフィ理論、超圧縮センシング、深層学習を駆使して、不完全投影データでも高画質のCT画像が得られる画像再構成法とソフトウェアを開発した。
新技術の特徴
・インテリアCTやスパースビューCTに極めて有効な画像再構成法とソフトウェア
・回折格子を移動させないシングルショット位相CTな位相画像復元手法
・多様なCT装置にインテリアCT、スパースビューCT、シングルショット位相CTなどの機能を付加する道を拓く
想定される用途
・産業(非破壊検査)用CT装置
・医療用CT装置
・マイクロ・ナノCT装置、電子線トモグラフィ装置
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
筑波大学 産学連携部 産学連携企画課
TEL:029-859-1486
Mail:event-sanren un.tsukuba.ac.jp
URL:https://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/
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