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千葉大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年10月20日(木) 10:00~14:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、千葉大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 創薬

1)膜タンパク質研究を加速するモノクローナル抗体

発表資料 プレゼン動画

千葉大学 大学院理学研究院 基盤理学専攻 特任准教授 小笠原 諭

https://mprc.chiba-u.jp/

新技術の概要

本技術は、タンパク質の異種発現・精製で汎用のヒスタグに対して、高親和性を有する新たな「抗ヒスタグ抗体」及び、nanodiscとよばれる膜タンパク質形状に対して、特異的に結合する新たな「抗nanodisc抗体」の2種を開発した。本技術によって、精製や構造解析が難しい膜タンパク質の高純度精製及び機能解析が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

本抗ヒスタグ抗体は、ヒスタグと非常に高い親和性を有し、これまでにない高純度での膜タンパク質の精製を可能とする。また、本抗nanodisc抗体は、従来法で不十分だった検出デバイスへのナノディスクの固定化量や、その保持性を満足すると共に、解析後にはデバイスを再生し得る等、取扱い性や経済性にも優れている。

新技術の特徴

・ヒスタグ融合タンパク質を高純度精製できる。
・nanodisc化された膜タンパク質に対して特異的、かつ強固に結合する。

想定される用途

・ヒスタグ融合タンパク質の精製・検出(構造・機能解析などへの展開)
・nanodisc化膜タンパク質の機能解析(創薬シーズのスクリーニングなど)
・その他、基盤などへ抗体を結合させての膜タンパク質の利用

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 10:30~10:55
  • 医療・福祉

2)画像解析による診断支援技術 -胸部X線,爪床圧迫テスト,舌診断-

発表資料

千葉大学 フロンティア医工学センター 教授 中口 俊哉

http://nlab.tms.chiba-u.jp/

新技術の概要

1)胸部X線ポータブル画像からの肺疾患の診断能を向上するため深層学習の適用による診断支援システムを提案し、有効性を検討した。
2)ショック症状を簡便に検査する爪床圧迫テストの安定計測条件を導出し、簡便な計測デバイスを開発した。
3)舌の色彩と光沢を非接触計測することで健康状態変化を予測し、消化器系疾患の診断支援を行った。

従来技術・競合技術との比較

1)公共のデータセットに加えて、本学独自に収集したデータセットを加えることで、診断精度を向上させた。
2)国際的に初となる爪床圧迫テストの安定計測条件を導出した。計測デバイスの原理確認を完了し臨床研究を開始している。
3)舌診断に関する研究を多角的に実施し、様々な計測手法の確立、疾患との関連解析、データ蓄積、国際標準化などを達成している。

新技術の特徴

・胸部X線画像診断支援のための2段階判定深層学習法
・爪床圧迫テストの精度を高める計測条件の導出
・舌表面の色彩および光沢解析技術

想定される用途

・胸部X線画像からの肺炎・胸水・無気肺の診断支援
・簡便かつ高精度な爪床圧迫テスト
・舌の非接触観察による健康状態のモニタリング

関連情報

・デモあり

  • 11:00~11:25
  • 材料

3)アルキルアンモニウム塩との複合化によるユーロピウム錯体の赤色円偏光発光の飛躍的増強

発表資料 プレゼン動画

千葉大学 大学院工学研究院 物質科学コース 准教授 中村 一希

https://www.chibauniv-kobalab.com/

新技術の概要

キラル構造を有する発光性ユーロピウム錯体と、アルキルアンモニウム塩などの有機カチオンをアルコール溶媒中や固体状態で単純に混合・複合化させるだけで、ユーロピウム錯体の赤色発光が数百倍に増強し、高い円偏光発光を同時に実現することを見出した。

従来技術・競合技術との比較

従来の希土類錯体を用いた円偏光発光材料は、高い発光円偏光度と強発光性を両立させるため、特別な分子設計や多段階の合成・精製が必要であったが、本発明では、汎用キラルユーロピウム錯体に第4級アンモニウム塩などを添加するだけの極めて簡便な手法で発光円偏光度と発光強度の飛躍的な増強を実現可能とした。

新技術の特徴

・ユーロピウム錯体の強発光が困難なアルコール溶媒中で元の発光錯体の数百倍の発光増強
・ユーロピウム錯体とアンモニウム塩の粉体同士の混合のみでも強発光化
・複雑な分子設計や多段の合成過程が必要なく、市販薬品との単純な複合化により強円偏光発光実現

想定される用途

・3Dディスプレイ用の偏光光源
・セキュリティ認証発光体
・光機能性プリンティング,フィルム

関連情報

・サンプルあり

  • 13:00~13:25
  • 医療・福祉

4)微粒子・細胞の連続分離を可能とする多孔性基材一体型マイクロ流路デバイス

発表資料 プレゼン動画

千葉大学 大学院工学研究院 共生応用化学コース 准教授 山田 真澄

http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb01/

新技術の概要

溶液に懸濁させたサブミクロン~数ミクロンサイズの微粒子を大きさによって連続的に分離するためのマイクロ流体デバイスを開発した。部分的に連通孔を形成したポリマー平板と、流路を形成したポリマー基板を接合することで分離デバイスを形成する新規プロセスを開発し、実際にサブミクロン微粒子や血液成分の分離に適用した。

従来技術・競合技術との比較

溶液中の微粒子を連続的に分離精製するための「クロスフローろ過方式のマイクロ流体デバイス技術」が多数報告されているが、サブミクロンサイズの対象を分離するためには、きわめて精密な流路形成プロセスが必要となり、その一方で分離の処理量は低くなるという欠点があった。本技術は、高精度な加工プロセスを必要することなく、微小な対象を分離する場合であっても比較的高い処理量を維持できるため、既存の技術と比較して高い優位性を有している。

新技術の特徴

・血液中の微小な粒子の分離・精製に適用可能
・マイクロ流体デバイスの新規作製法を提案
・薄膜状の分離膜を用いない、新しいクロスフロー分離技術

想定される用途

・血液診断
・細胞分離
・機能性微粒子材料の調製

関連情報

・サンプルあり

  • 13:30~13:55
  • 計測

5)スマートフォン等が発するBLE信号を利用した近接関係の認識による屋内位置推定

発表資料 プレゼン動画

千葉大学 大学院工学研究院 情報科学コース 教授 塩田 茂雄

http://www.qos.tu.chiba-u.jp

新技術の概要

スマートフォン等の端末が周囲にBLE(Bluetooth Low Energy)信号を発する機能を有することを利用して(端末所持者等の)屋内位置を推定する。各端末はBLE信号を周囲に発するとともに、周囲の端末が発するBLE信号を受信し、その信号が一定以上の強度のとき、その端末が近くに存在すると認識する。端末が相互に認識するこの「近接関係」をつなぎあわせることにより、屋内の各端末(およびその所持者)の位置を推定する。

従来技術・競合技術との比較

代表的な従来技術として「予め屋内の各地点でアンカーノードからの信号強度を測定してデータベース化し、実際の端末の測定値と信号強度が最も近いデータベース上の地点を推定位置とする」という技術がある。この技術はデータベース作成時の信号の屋内伝搬特性と、位置推定実施時の伝搬特性が異なると推定が正しくできない。本技術は「近接」と認識する信号強度閾値を適応的に調整することで、伝搬特性の変動を吸収でき、よりロバストである。

新技術の特徴

・特殊な設備が不要
・屋内環境の変動に対してロバスト
・低コスト

想定される用途

・所在地把握
・ロボット制御
・屋内人流推定

  • 14:00~14:25
  • 創薬

6)創薬化学を志向した光学活性ヘテロ環化合物の精密合成

発表資料

千葉大学 大学院理学研究院 基盤理学専攻 准教授 森山 克彦

http://fineorgreact.chem.chiba-u.jp/

新技術の概要

不斉触媒反応により高度に官能基化された光学活性ヘテロ環化合物の効率的合成法を開発した。これら化合物は、様々な誘導体に容易に変換可能である。また、これら研究開発においてカスタムメイド型不斉有機触媒の開発にも成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来の方法では合成することができなかった光学活性ヘテロ環化合物の合成技術であり、合成中間体としても有用な物質である。また、不斉有機触媒の創製技術においても、目的の反応によって触媒の官能基を容易に付け替えることができる有機触媒を見出した。

新技術の特徴

・光学活性ヘテロ環化合物の構築
・有機触媒反応
・環境低負荷型反応

想定される用途

・医薬品及び農薬の創製
・不斉有機触媒の供給
・非天然型ペプチドの開発

  • 14:30~14:55
  • 計測

7)ラインセンサを用いたワンショット物体識別およびイメージング

発表資料

千葉大学 大学院工学研究院 電気電子工学コース 教授 下馬場 朋禄

https://www.te.chiba-u.jp/lab/brains/jp/index.html

新技術の概要

ラインセンサの高速性と広帯域性に着目したワンショット撮影による識別およびイメージング手法。一般的なカメラよりも広帯域な波長帯で撮影が可能であり、シングルピクセルイメージングのようなパターン投影を必要としない。

従来技術・競合技術との比較

シングルピクセルイメージングは複数のパターンを対象物に投影し、その散乱光を単一画素検出器で計測することで、対象物の画像を再構成できる。単一画素検出器は、通常のカメラよりも高感度であり高速に動作する。この技術を応用して、通常のカメラでは難しい物体識別やイメージングができる。しかし、この技術の問題は、パターン投影である。提案技術は、この問題を解決できる。

新技術の特徴

・ラインセンサを使って、ワンショットで物体識別やイメージングができる
・撮影データを小さなデータ量として保存できる
・広い波長帯で、高速に、物体識別やイメージングができる

想定される用途

・高速・広帯域な顕微鏡、位相イメージング
・特殊な波長帯のカメラ
・暗視カメラ

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

千葉大学 学術研究・イノベーション推進機構
TEL:043-290-3048  
Mail:ccrcu アットマークfaculty.chiba-u.jp
URL:https://imo.chiba-u.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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