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東京電機大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年11月10日(木) 10:00~13:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東京電機大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • エネルギー

1)リチウムイオンバッテリーの蓄電容量を向上させるシリコン負極

発表資料 プレゼン動画

東京電機大学 工学部 電気電子工学科 教授 佐藤 慶介

http://www.eee.dendai.ac.jp/eee/labo/sato/sato.html

新技術の概要

シリコンナノ粒子へのナノデザイン加工(表面細孔の形成)と不純物添加の融合は、表面空隙の形成に加え、電気伝導性を付与できるため、エネルギー・電気化学分野における蓄電池の性能向上に直結する極めて重要な技術です。今回、リチウムイオンバッテリーの蓄電容量を向上させるシリコン負極材について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

今回開発したシリコン負極材は、細孔径制御による体積膨張の緩和ならびに不純物添加による電気伝導性の向上を可能にし、リチウムイオンバッテリーの電力貯蔵容量を劇的に向上できます。

新技術の特徴

・80-140nmのシリコンナノ粒子表面に20-50nmの細孔を加工
・シリコンナノ多孔粒子の多孔度を40-53%で制御
・シリコンナノ多孔粒子の製造コストを1/6程度に削減

想定される用途

・リチウムイオン二次電池や全固体電池の負極材料としての活用
・蓄電池等のエネルギー・電気化学分野の市場
・カーボンニュートラル社会の実現に向けた電気自動車の普及に貢献

関連情報

・サンプルあり

  • 10:30~10:55
  • 分析

2)臭気の可視化、目視で酸・塩基性ガスの検出が可能な液状有機蛍光体センサ

発表資料 プレゼン動画

東京電機大学 理工学部 理学系 准教授 足立 直也

https://nadachi1.wixsite.com/nadachilab

新技術の概要

有機蛍光体は通常固体であるため、物質の検出は溶液中に限られていた。今回、気体の分子認識を目的として液体性の有機蛍光体を創出した。これは、固体・液体・気体を問わず検出することができ、塗布するだけで気体を蛍光色の変化から検知できるため目視で繰返し利用可能な酸・塩基性ガスセンサとなる。

従来技術・競合技術との比較

通常、有機発光体は固体で存在するため、溶媒中に溶解し塗布するという工程が必要であったが、今回発表する有機発光体は、液体材料である為、そのまま基板や屈曲面など場所を選ばずに塗布が可能である。またガスセンサとしても色の変化で酸・塩基性ガスを識別できるため、目視型のガスモセンサに適している。

新技術の特徴

・酸および塩基性ガスを蛍光色の変化で検出できる
・有機蛍光体自体がセンサとして働くため、どこにでも塗布することでセンサになる
・ろ紙や繊維などに浸漬させても酸・塩基性ガスの検出が可能

想定される用途

・塗るだけで設置可能なため、従来のガスセンサの設置が難しい環境のモニタリング
・アンモニアガスを検出できるため、鮮度センサや携帯性の呼気センサとして
・ろ紙や繊維に染み込ませて利用可能なため、ウェアラブル端末として

関連情報

・サンプルあり

  • 11:00~11:25
  • 製造技術

3)立体物へのマイクロオーダの微細点状ランダムパターン一括形成技術

発表資料

東京電機大学 工学部 先端機械工学科 准教授 小林 宏史

新技術の概要

スペックルという光の特性をリソグラフィーに応用した研究を行なっている。今回、円筒全周方向と数十mmの段差面に対して一回の露光で数マイクロから100マイクロ程度のランダムな形状と配置の点状レジストパターンを形成する技術をそれぞれ発明した。

従来技術・競合技術との比較

高エネルギーレーザーや機械加工により円筒の円周方向や段差面をもつ被加工物表面に微細なパターンを形成する技術がある。これらは、精度の高いパターンを製作することができる。しかしながら装置が高価であり、立体的なものへの加工は難易度が高い。本技術は、簡便安価に立体物へ微細パターンを形成することができると考えている。

新技術の特徴

・スペックル光を利用した微細加工技術で部品表面に点状ランダムレジストパターンを形成
・円筒部品の円周方向表面に一括で点状のランダムレジストパターンを形成
・段差のある部品の表面に一括で点状のランダムレジストパターンを形成

想定される用途

・マイクロピペット先端部や医療用メスなど部品(金型など)表面への微細加工により撥水性を付与検討
・インプラント表面への微細加工により表面改質検討
・加工機や内燃機関等の部品表面への微細加工によりオイル潤滑性向上検討

  • 11:30~11:55
  • アグリ・バイオ

4)安全に取扱い可能な二本鎖DNA蛍光標識技術の開発

発表資料 プレゼン動画

東京電機大学 理工学部 理工学科 生命科学系 助教 高橋 俊介

https://sites.google.com/view/dendai-rb-stakahashi

新技術の概要

二本鎖DNA結合タンパク質に蛍光タンパク質を融合した二本鎖DNA蛍光標識タンパク質を開発した。その特性は、①1分子のDNAや細胞核のイメージングが可能、②核酸染色体試薬と比べ、細胞毒性が少なく、DNAの長時間の蛍光イメージングが可能、③DNAの蛍光標識色は任意にカスタマイズ可能、である。

従来技術・競合技術との比較

DNA分子は、それ自身で蛍光特性を持たないため、蛍光顕微鏡視野内でDNA分子を視覚化するには、何かの方法で染色する必要がある。従来、染色には核酸染色試薬が用いられたが、転写やDNA複製の阻害が示されていた。本技術は核酸染色試薬と比較してDNA結合親和性が高く、研究試薬として医薬分野への活用が期待できる。

新技術の特徴

・核酸染色試薬と比較し、DNAの蛍光退色時間が6倍以上高い
・DNAや細胞核の蛍光観察が可能
・生体由来のため毒性が無い故に、安全に取扱いが可能

想定される用途

・生命・医薬分野の研究試薬など様々なアプローチに適用

関連情報

・サンプルあり

  • 13:00~13:25
  • 情報

5)高性能で軽量な国産公衆ブロックチェーン基盤構成技術

発表資料 プレゼン動画

東京電機大学 システムデザイン工学部 情報システム工学科 教授 小川 猛志

https://www.inl.aj.dendai.ac.jp/

新技術の概要

集中サーバが不要で不特定多数のノード間の合意形成が可能な公衆型ブロックチェーン技術が注目されていますが、消費電力とセキュリティの両立ができない、処理性能が著しく低い、必要なストレージ量が爆発的に増大している、などの問題が知られています。提案技術によりそれらを抜本的に解決した国産公衆ブロックチェーン基盤を実現します。

従来技術・競合技術との比較

従来のビットコインやイーサリアムに比べ、性能を500倍に拡大し、必要なストレージサイズを1/100〜1/1000に削減できる可能性があります。次世代イーサリアムの取り組みに比べ、単純な仕組みで同等以上の効果を発揮します。

新技術の特徴

・既存のビットコイン相当のセキュリティを担保しながら1秒あたりで承認可能な決済数を大幅に向上
・データの永続性を担保しながら端末あたりで保持する必要のあるブロックチェーンデータ量を大幅に削減
・上記により従来は不可能だったスマホやIoT端末などの低性能端末によるブロックチェーン網の構成が可能

想定される用途

・ビットコインやイーサリアムよりも決済手数料が大幅に安い大規模公衆分散電子マネー基盤
・集中サーバが不要で維持費が大幅に安価な銀行間決済システム
・NFTなどのデジタル資産や不動産の管理、デジタル公証人の基盤となる公衆ブロックチェーン基盤

  • 13:30~13:55
  • 計測

6)外乱振動の影響を低減できる光学式傾斜計

発表資料 プレゼン動画

東京電機大学 理工学部 理工学科 機械工学系 准教授 松谷 巌

http://rm.dendai.ac.jp/matsuyalab/index.html

新技術の概要

建築物の中で使用可能な光学式の傾斜計を開発した。基本構造は、凹レンズの上にボールレンズを配し、上下から光源と受光素子で挟みこむ。さらにボールレンズの周囲に粘性流体を満たすことで、これが第3のレンズとなって長焦点距離化と分解能を向上させるとともに、外乱振動の影響を低減することにも成功した。

従来技術・競合技術との比較

建築構造物内部で使用する墨出し機に使われる傾斜計としては、気泡管センサがよく使われている。液体の中の気泡の動きを光学的に検出する仕組みだが、高い分解能が実現できる一方で、外乱振動も拾いやすいという問題があった。今回開発した傾斜計は粘性流体の効果によってより高い分解能(0.001°)と外乱振動の影響を低減することを可能にしている。

新技術の特徴

・0.001°以下の分解能で傾斜角度を測定可能
・細かな揺れがある現場でもその影響を低減した計測が可能
・粘性流体の種類や濃度によって分解能や感度、ダンピング効果をある程度自由に設計可能

想定される用途

・揺れの多い建築構造物内部における水平垂直方向の基準出し(墨出し)
・工場や製品ラインにおける傾斜計測
・運転中の乗り物の中での傾斜計測

関連情報

・デモあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京電機大学 研究推進社会連携センター 産官学連携担当
TEL:03-5284-5225
Mail:crc アットマークjim.dendai.ac.jp
URL:https://www.dendai.ac.jp/crc/tlo/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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