北海道 理工系大学・高専及び公設試 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年09月27日(火) 09:55~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、 室蘭工業大学、
帯広畜産大学、北見工業大学 苫小牧工業高等専門学校、 公立はこだて未来大学、 北海道立総合研究機構発表内容一覧
- ウシ乳房炎原因菌プロトテカ・ボビスの検出方法 発表資料
- しゃがみ姿勢や正座姿勢の作業負担軽減スツール 発表資料 プレゼン動画
- 残存機能を活用した新たな立ち座り動作支援機器 発表資料
- 食品の箱詰め作業が可能な薄型ソフトロボットハンドの開発 発表資料 プレゼン動画
- 紙だけで容易に作成&装着できる使い捨て型握りこみ把持ロボットハンド 発表資料 プレゼン動画
- 乱流現象および混相流に対応した高時間分解能のレーザーせん断応力計 発表資料
- 廃乾電池を用いた廉価なアルミニウム合金用Mg濃度調整剤 発表資料 プレゼン動画
- レーザーを用いて空気中で施工するチタン表面窒化プロセス 発表資料 プレゼン動画
- 磁場に応答して光の偏光を変える液体と磁気光学デバイスへの応用 発表資料 プレゼン動画
- 血管のようなヌルヌル柔軟弾性管と簡単・瞬時に着脱できるコネクタ付きチューブ 発表資料 プレゼン動画
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
室蘭工業大学 地方創生研究開発センター センター長 吉成 哲
- 10:00~10:25
- アグリ・バイオ
1)ウシ乳房炎原因菌プロトテカ・ボビスの検出方法
発表資料帯広畜産大学 獣医学研究部門 基礎獣医学分野 応用獣医学系 准教授 豊留 孝仁
新技術の概要
プロトテカによるウシ乳房炎は難治性で畜産業における大きな問題です。ほぼすべての症例でプロトテカ・ボビスにより引き起こされていますが、本技術では、プロトテカ・ボビスを迅速かつ安価なLAMP 法で乳汁から特異的に検出できます。また、難治性ウシ乳房炎のもう一つの原因となる酵母様真菌と区別することができます。
従来技術・競合技術との比較
従来、乳汁をプレート培養し、コロニーの性状からプロトテカを検出しているが培養に時間がかかる。本発明では乳汁サンプルから培養を介さず、LAMP法を基礎とした迅速かつ安価な検出ができる点が優位である。
新技術の特徴
・新規プライマーによりプロトテカ・ボビスを特異的に検出し、酵母様真菌と区別可能。
・従来、培養しコロニー性状から検出していたが培養に時間がかかっていたが培養せず迅速に検出可能。
・LAMP法のため安価で検出可能。
想定される用途
・原因菌特定が難しいプロトテカによる難治性乳房炎における診断薬
- 10:30~10:55
- アグリ・バイオ
北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部 ものづくり支援センター開発推進部 主査 前田 大輔
http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri/index.html
新技術の概要
農業等に多く見られる、しゃがみ・正座等の座り込んだ姿勢で行われる作業において、足腰の負担を軽減する装着型のスツールです。身体の動作を妨げない装着方法により、作業性を損なうこと無く負担軽減が可能です。
従来技術・競合技術との比較
従来の装着型スツールでは、移動して座り直すたびにスツールの位置がずれる、装着するためのベルト等が作業の動きを妨げるなどの課題がありました。本技術はこれらの問題が生じにくい装着方法を特徴としています。
新技術の特徴
・体格や作業姿勢に応じて適切な着座位置への調整が可能です。
・立ち座りを繰り返してもスツールがずり落ちたりせず、作業中の位置調整が不要です。
・股関節の動作を妨げない装着方法のため、装着したままでの移動が容易です。
想定される用途
・園芸作物の管理、収穫における作業負担軽減
・ガーデニングや家庭菜園等での利用
・その他、しゃがみ・正座と移動を繰り返す作業の負担軽減
関連情報
・ サンプルあり
・ 展示品あり
- 11:00~11:25
- デバイス・装置
3)残存機能を活用した新たな立ち座り動作支援機器
発表資料苫小牧工業高等専門学校 創造工学科・機械系 准教授 土谷 圭央
新技術の概要
一般的に歩行能力よりも立ち上がり動作や座り動作が行えなくなり健康寿命の低下を引き起こす。そこで、残存機能を活かして高齢者をサポートすることで、健康的な寿命を延ばすことができる。そのため、要支援1 の高齢者を対象とし、残存機能を動力源とした持ち運び可能な杖型支援機器の開発を進める。
従来技術・競合技術との比較
高齢者の運動学的特徴から立ち座り支援機器として、椅子タイプやサスペンションタイプ等あるが開発されてきた。しかし、取り付け型であるため、高齢者の日常生活動作に対して常に対応することはできない。しかし、本機構はパッシブな補助機構とすることで日常的に利用可能とした。
新技術の特徴
・残存機能を活かした補助器具
想定される用途
・デイサービスの歩行訓練時の利用
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
- 11:30~11:55
- デバイス・装置
北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部 工業試験場産業システム部 研究主任 川島 圭太
http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri/index.html
新技術の概要
ソフトロボットハンドは、シリコーンゴムなどの柔軟な樹脂で柔軟な指を製造する。従来技術では、耐久性や強度に課題があり、柔軟指の薄型化が困難であるため、製品の隙間が狭いところでの作業が困難でした。新技術では、柔軟指の構造を見直し、剛性や耐久性を向上させ、薄型の柔軟指を実現しました。
従来技術・競合技術との比較
従来技術のソフトロボットハンドの柔軟指(以下、柔軟指)は、強度・耐久性不足により薄型化が困難でした。本技術では、従来内部が中空である柔軟指の中空部分に骨格部品を埋め込むことで柔軟指の剛性・耐久性を向上させ、今まで困難であった柔軟指の薄型化を可能とした。
新技術の特徴
・ソフトロボットハンドの柔軟指の薄型化が実現可能
・ソフトロボットハンドの柔軟指の剛性・耐久性向上が可能
・ソフトロボットハンドの柔軟指の製造工程の簡略化に貢献
想定される用途
・食品や壊れやすい対象向けのロボットハンド
・食品製造現場における、多品種少量生産ラインの自動化に活用可能
・ケーキなどの箱詰め作業や、スーパーマーケットやコンビニでの食品の品出し等への活用
関連情報
・展示品あり
- 13:00~13:25
- 機械
公立はこだて未来大学 システム情報科学部 複雑系知能学科 教授 三上 貞芳
新技術の概要
短冊型の紙を数回折り込み、数か所の切り込みをかみあわせるだけで、接着剤を一切使わずに短時間で実用強度を持つロボットハンドを作成する方法を開発した。合わせて、ハンドの一片をスリットに抜き差しするだけで脱着が完了する駆動部分も開発した。これにより、食品等に利用できる実用的な使い捨て可能なハンドが実現できる。
従来技術・競合技術との比較
食品を握るロボットハンドは汚れた際に手間のかかる水洗いが必要であるが、本方式ではその場でハンドを破棄し、短時間に交換ハンドを作成・装着することで実時間で確実な衛生管理ができる。また一般のハンドに袋を装着する場合とは異なり、本方式では折り方を変えるだけで、さまざまなサイズや機能をもったハンドを同一ロボット上に実現できる。
新技術の特徴
・使い捨てが実用的に行えるロボットハンドを提供できる
・大きさの違いやすくい取り機能の付加など把持対象に合わせたハンドを折り方の変更で即時に準備できる
・紙の柔軟性に2関節の指同様な自然な握りこみ動作が加わり、柔らかで安全な把持が実現できる
想定される用途
・食品のハンドリング
・農産物や生体に直接触れる作業のハンドリング
・頻繁に除染が必要な衛生管理の厳しい対象のハンドリング
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
- 13:30~13:55
- 計測
6)乱流現象および混相流に対応した高時間分解能のレーザーせん断応力計
発表資料室蘭工業大学 大学院工学研究科 生産システム工学系専攻 准教授 大石 義彦
新技術の概要
乱流のせん断応力計を計測可能としたセンサと装置で、光のドップラー効果を利用したものでビート信号検出を応用させた。実用的な流れ場を把握するために、壁面摩擦抵抗を流体の種類や固気液混相の状態によらないせん断応力を評価可能なせん断応力計を開発した。
従来技術・競合技術との比較
本装置は1kHzまでの測定が可能となり、乱流摩擦抵抗の低減効果を詳しく把握できる装置である。混相流のせん断応力が可能であり、気泡や非ニュートン流体による摩擦抵抗低減効果を効率よく調査することができる。
新技術の特徴
・レーザードップラーによる光測定を変位計に用いており、乱流場の測定が可能となった。
・気泡などが入った混相流のせん断応力が測定できる。
・高い時間分解を持ち、急な変化の特徴をとらえやすい。
想定される用途
・船舶のせん断応力評価
・管内の混相流のせん断応力評価
・非ニュートン流体のせん断応力評価
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
- 14:00~14:25
- 材料
北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部 企画調整部 部長 髙橋 英徳
http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri/index.html
新技術の概要
本製品は、使用済み乾電池を焼成して得られた酸化物粉末が主成分である。アルミニウム溶湯に0.5wt%の添加で0.05wt%以上のMg低減効果を有している。アルミニウム溶湯への添加には、本製品の投げ込みおよび撹拌を行う。
従来技術・競合技術との比較
従来のアルミニウム合金用マグネシウム濃度調整用フラックス(通称:脱マグ剤)は\200/kg以上であるが、本製品は従来品と同等のマグネシウム濃度低減性能を有する上に価格が1/5以下であることから、経済性に優れた製品である。
新技術の特徴
・廉価なアルミニウム合金用マグネシウム濃度調整剤
・使用済み乾電池を再利用
想定される用途
・アルミニウムリサイクル
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- 14:30~14:55
- 材料
北見工業大学 工学部 地球環境工学科・先端材料物質工学コース 教授 大津 直史
新技術の概要
空気中でレーザーをチタン材料表面に照射するだけで、その周囲に膜厚数マイクロのTiNおよびTi2Nから成る窒化皮膜を形成できる技術です。
従来技術・競合技術との比較
従来法である真空めっき(イオンプレーティング)と比較して、空気中で、位置選択的に、かつ短時間で、窒化皮膜を施工できる。装置自体も簡便であるので、施工装置を既存のロボットアーム等への搭載も可能である。
新技術の特徴
・チタン材料表面に簡便かつ短時間で窒化皮膜形成可能
・空気中で施工できる。ロボットアームにも搭載可能
・必要な箇所だけに選択的に施工可能
想定される用途
・チタン材料の表面高硬度化
・チタン材料の耐摩耗性向上
・チタン材料の装飾性向上
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 15:00~15:25
- デバイス・装置
室蘭工業大学 大学院工学研究科 しくみ解明系領域 准教授 飯森 俊文
新技術の概要
本技術の目的は、ファラデー効果を有する液体を用いることで形状を調整する自由度が高いファラデー回転子、並びにこれを用いた磁気光学デバイス及び光アイソレータを提供することにある。磁場の印加により旋光性が生じる特性を利用した磁場センサーなどへの応用も可能である。
従来技術・競合技術との比較
光アイソレータ等の磁気光学デバイスに用いられるファラデー回転子として、一般に結晶の固体材料が用いられている。固体材料を用いたファラデー回転子の場合、回転子の形状を調整するには結晶材料自体を加工する必要がある。このため、回転子およびデバイスの形状調整は容易ではない。本技術は、上記の課題を解決することができる。
新技術の特徴
・放熱
・形状変更容易
・設計自由度向上
想定される用途
・光アイソレーター
・磁気光学デバイス
- 15:30~15:55
- 製造技術
北見工業大学 工学部 地球環境工学科・エネルギー総合工学コース 准教授 松村 昌典
新技術の概要
薄くて破れやすく、ぬめりや柔軟性もある血管のような弾性管と簡単・瞬時に着脱できるコネクタ付きチューブを開発した。これは弾性管の内側に挿入するチューブと弾性管の外側に装着する外筒から成り、チューブと弾性管の間、あるいは外筒と弾性管の間に設けたバルーンを膨らませることで、確実な接続ができるものである。
従来技術・競合技術との比較
薄くて柔軟性のある弾性管を各種チューブと接続する場合は、弾性管側に硬質のルアーコネクタ等を糸等で止める必要があった。この作業には時間を要し、熟練も必要とした。さらに糸等によって、弾性管側に物理的損傷を与えることもあった。本コネクタは、熟練者でなくても瞬時に着脱でき、また物理的損傷も非常に少ない。
新技術の特徴
・ぬめりのある薄くて柔軟性のある弾性管と各種チューブを瞬時に着脱できる
・弾性管側を加工する必要がなく、弾性管の物理的損傷が非常に少ない
・着脱作業に熟練を要しない
想定される用途
・臓器などの脈管と各種医療機器との接続
・ゴム状に伸びるホースとの接続
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
室蘭工業大学 地方創生研究開発センター
TEL:0143-46-5860
Mail:crd mmm.muroran-it.ac.jp
URL:http://www.muroran-it.ac.jp/crd/
帯広畜産大学 産学連携センター
TEL:0155-49-5771
Mail:crcenter obihiro.ac.jp
URL:https://www.obihiro.ac.jp/facility/crcenter/iac-activities
北見工業大学 知的財産センター(研究協力課)
TEL:0157-26-9152
Mail:chizai desk.kitami-it.ac.jp
URL:https://www.kitami-it.ac.jp/center-info/intellectual_property/
苫小牧工業高等専門学校 総務課企画調査係
TEL:0144-67-8901
Mail:kikaku tomakomai-ct.ac.jp
URL:https://www.tomakomai-ct.ac.jp/collaborate
公立はこだて未来大学 社会連携センター
TEL:0138-34-6549
Mail:col fun.ac.jp
URL:https://www.fun.ac.jp/crc
北海道立総合研究機構 本部研究戦略部
TEL:011-747-2900
Mail:hq-soudan@hro.or.jp hro.or.jp
URL:https://www.hro.or.jp/research/develop/cooperation.html
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
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