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金沢大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年08月18日(木) 13:30~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、金沢大学、金沢大学ティ・エル・オー

発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • 環境

1)スチレンオリゴマーを分解する海水中の細菌

発表資料

金沢大学 環日本海域環境研究センター 陸域環境領域 助教 本田 匡人

http://garden.w3.kanazawa-u.ac.jp/1/

新技術の概要

マイクロプラスチック由来のスチレンの研究はスチレンモノマーに集中しており、その分解酵素の研究も進んでいる。一方海洋中には、スチレンモノマーの約5倍量のスチレントリマーが含まれており、魚に対する攪乱作用(女性ホルモン受容体との結合作用)があることを見出した。海水からスチレントリマー分解菌を単離することに成功したので紹介する。

従来技術・競合技術との比較

プラスチックは精製ポリスチレンが30〜150℃で分解し、分解したポリスチレン中のスチレンモノマー:スチレンダイマー:スチレントリマーの組成比が1:1:5である。海洋中に多量にあるスチレントリマーを分解する菌は、これまで発見されていない。これまでにない機能を有する酵素の発見につながる可能性が高い。

新技術の特徴

・新規スチレントリマー分解菌の単離・同定
・海水中でもスチレントリマーの分解活性を持つ塩分耐性のある新規酵素
・低温(15℃)でもスチレントリマーの分解活性を持つ新規酵素

想定される用途

・魚類の養殖時の環境水の浄化
・プラスチック工場の排水の浄化
・マイクロプラスチックの分解

  • 14:00~14:25
  • デバイス・装置

2)低オン抵抗を実現する新規ダイヤモンドMOSFET構造

発表資料 プレゼン動画

金沢大学 ナノマテリアル研究所 パワーデバイス開発グループ 准教授 松本 翼

http://nanomari.w3.kanazawa-u.ac.jp/group/group06.php

新技術の概要

ダイヤモンドを始めとするワイドギャップ半導体を用いたMOSFETにおいては、ドリフト層を厚くすることで高耐圧を達成するが、同時にオン抵抗が著しく高くなるという課題がある。提案する新技術は、絶縁性の高いボディとドレイン電極から直接伸びる空乏層によって高耐圧と低オン抵抗を同時に達成し、パワーデバイスの低オン抵抗化に寄与する。

従来技術・競合技術との比較

従来構造のMOSFETと比較すると、ドリフト層と呼ばれる層がないことが大きな特徴である。シンプルな構造にも関わらず、同程度の耐圧、より低いオン抵抗が期待できる。IGBTのように複雑な構造にする必要もない。

新技術の特徴

・深い不純物準位が逆にメリットになる構造
・小型で高耐圧、低オン抵抗が期待
・他のワイドバンドギャップ半導体形成材料(Ga2O3、Al2O3等酸化物半導体)にも応用可

想定される用途

・パワーデバイス
・高周波デバイス

  • 14:30~14:55
  • 材料

3)超臨界二酸化炭素を利用したダイヤモンドナノ粒子表面修飾

発表資料

金沢大学 名誉教授 田村 和弘

新技術の概要

本技術は、超臨界CO2のもつ高拡散性・低表面張力によりナノダイヤモンドの凝集を制御でき、高機能性物質をナノダイヤモンド表面に化学修飾することが可能である。また、このプロセスでは有機溶媒の廃液処理や乾燥処理が不要であり、処理コストや環境負荷が低減できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の製造法では、カップリング剤を有機溶媒に溶解させ、界面活性剤を用いて合成するため、未反応成分や添加剤の生成物への異物混入の問題,合成後の廃液処理といった問題点を抱える。一方、本技術である超臨界CO2を用いた処理プロセスでは、有機溶媒や界面活性剤の残留がなく、ドライ状態でナノダイヤモンドを得ることができる。

新技術の特徴

・高機能性ナノコンポジット用フィラー
・高機能性表面処理剤
・高機能性バイオマーカー

想定される用途

・高熱伝導性・耐摩耗性・光学特性を有するナノコンポジット用フィラー・表面コーティング
・高感度屈折率検出可能なバイオ分子イメージング材料・バイオマーカー

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり

  • 15:00~15:25
  • アグリ・バイオ

4)細胞内相分離の挙動・物性を簡便に定量解析できる蛍光プローブ

発表資料 プレゼン動画

金沢大学 新学術創成研究機構 准教授 羽澤 勝治

http://fsowonglab.w3.kanazawa-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

近年、細胞内で生体分子が水と油のように分離する液-液相分離現象は、生命現象を制御する基盤機構として注目されている。相分離異常と疾患の接点も見出され、相分離の機序解明が求められているが、相分離の挙動を捉える研究ツールが存在しない。本発明により、細胞内で自発的におこる相分離の特性を初めて明らかにできる。

従来技術・競合技術との比較

これまでに報告されている細胞内相分離を調べる技術は、合成生物学的アプローチで“細胞内に人工相分離構造をつくる”という合成生物学的アプローチが主流である。本新技術は、遺伝子工学などの複雑な過程を必要とせず、有機化合物のみで細胞内相分離の挙動・物性を簡便に定量解析できる点に優れている。

新技術の特徴

・自発的に発生する細胞内相分離を解析できる
・遺伝子工学や複雑な工程を必要としない
・細胞内などの複雑系環境で問題となる化合物の局在化による影響を無視できるレシオメトリー測定方法である

想定される用途

・ライフサイエンス・相分離解析ツールとしての市販化
・相分離異常を調べる診断ツールとしての応用

関連情報

・サンプルあり

  • 15:30~15:55
  • 医療・福祉

5)新生児でも検査可能な伝音難聴の検査装置

発表資料 プレゼン動画

金沢大学 理工研究域 フロンティア工学系 准教授 村越 道生

https://biomech.w3.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

イヤフォンとマイクロフォンを内蔵したイヤープローブを外耳道に装着し、鼓膜に向けて音刺激を加え、その際の外耳道内音圧の変化を計測することで、中耳の状態を他覚的に検査する技術である。刺激音にノイズ音を用いることで、短時間計測と(数秒程度)とそれによる測定精度の向上が達成される。

従来技術・競合技術との比較

既存の中耳検査技術としてはティンパノメトリー検査が知られている。この方法はある特定の純音を刺激音として使っている。実際の中耳の状態と異なる結果を示すことや、新生児においては使用できない等の問題がある。新技術はノイズ音を用いてより短時間に精度よく検査が行え、また生後1週間の新生児でも検査が可能である。

新技術の特徴

・伝音難聴の簡易非侵襲検査
・生後1週間の新生児で検査可能

想定される用途

・新生児から成人の伝音難聴の精密検査
・子供の集団検診における聴覚スクリーニング

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

金沢大学 研究・社会共創推進部 産学連携推進課 知的財産管理係
TEL:076-264-6176
Mail:titeki アットマークadm.kanazawa-u.ac.jp
URL:https://research-promotion.adm.kanazawa-u.ac.jp/co_research/kyoudou/kyoudou.html

金沢大学ティ・エル・オー
TEL:076-264-6115
Mail:info アットマークkutlo.co.jp
URL:https://kutlo.co.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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