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京都⼤学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年06月28日(火) 11:00~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、 京都大学、

     株式会社TLO京都、

     iPSアカデミアジャパン株式会社

発表内容詳細

  • 11:00~11:25
  • 医療・福祉

1)不妊治療をアシストする卵子の硬さ/柔らかさの定量評価技術

発表資料 プレゼン動画

京都大学 高等研究院 医学物理・医工計測グローバル拠点 特定助教 山本 暁久

https://cimphy.kuias.kyoto-u.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、顕微受精を行う卵子の「硬さ/柔らかさ」のデータを、卵子に侵襲的な負担をを加えることなく取得し、これを卵子の品質評価の数値指標として活用します。これにより生殖補助医療の質と信頼度を向上させるだけでなく、医療従事者の負担を大きく軽減できることが期待できます。

従来技術・競合技術との比較

卵子の「硬さ」が顕微授精の成功率と関連があることは、すでに経験的に知られてきましたが、これを従来の顕微受精操作には一切変更を加えず、動画像のみから数値データとして取り出すことに成功しました。そのため評価後の卵子はそのまま利用することが可能です。

新技術の特徴

・顕微授精操作前および操作中の卵子の形状変化から硬さを定量する
・非侵襲的な手法により、サンプルの損傷を避けることができる
・ヒト以外の卵子、また卵子以外の細胞に対しても応用が可能

想定される用途

・定量指標による品質管理によって不妊治療を効率化と信頼性を向上
・熟練者の高度な技術を生殖補助医療従事者の間で広く共有化
・生殖補助医療のみでなく畜産事業や動物保全等への展開

関連情報

・デモあり

  • 11:30~11:55
  • 創薬

2)ゲノム編集酵素を安全に効率よく生体組織に送達できるNanoMEDICウイルス様粒子システム

発表資料 プレゼン動画

京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 准教授 堀田 秋津

http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/hotta/

新技術の概要

ウイルスの持つ細胞侵入能力を最大限活用し、安全かつ効率的にゲノム編集を生体組織内で誘導できるよう、NanoMEDICと名付けたウイルス様粒子システムを開発しました。これはウイルスのゲノム部分を極力除去し、そこにゲノム編集酵素CRISPR-Cas9とガイドRNAを能動的に取り込ませることにより、ウイルス粒子の細胞侵入能力を保持したまま、複製や組換えのリスクを極限まで減らしたタンパク質送達システムとなっています。

従来技術・競合技術との比較

AAVなどのウイルスベクターはDNAやRNAの核酸送達であり、ゲノム挿入リスクや長期間に渡ってゲノム編集酵素の発現が継続することによるオフターゲットリスクが課題となっている。NanoMEDICは核酸を介さないタンパク質輸送システムのため、細胞侵入後に直ちにゲノム編集活性を誘導し、かつ1日以内で速やかに消失することが最大の特徴である。

新技術の特徴

・効率的かつ安全なタンパク質形態でのCRISPR-Cas9送達
・骨格筋などの生体内組織へ送達してゲノム編集を誘導
・レンチウイルスベクターと同様のパイプラインで製造可能

想定される用途

・遺伝子変異疾患や遺伝子改変が有効な疾患に対する治療薬
・モデル生物や非モデル生物を用いたin vivoゲノム編集研究
・ワクチン

関連情報

・サンプルあり

  • 13:00~13:25
  • アグリ・バイオ

3)簡単に細胞ブロックを作製可能な三次元細胞培養方法および培養治具

発表資料 プレゼン動画

京都大学 大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 助教 伊藤 明良

https://kuroki-lab.hs.med.kyoto-u.ac.jp/

新技術の概要

近年、生体組織内での細胞代謝を模するような三次元培養法がいくつも提案されています。本発明では、足場材フリーかつ簡便な三次元細胞培養方法および治具を開発しました。任意の形状の細胞シートやブロックなどの構造体を、安価かつ簡単に作製することが可能となります。

従来技術・競合技術との比較

既存の足場材フリーの細胞培養手法は専用の装置や器具が必要であり、成熟過程で構造体の収縮が生じて形状を維持できない点などが課題となっています。本技術は培養治具の構成がシンプルで、取り扱いが簡単であり、安価に任意の形状の構造体を作製可能です。

新技術の特徴

・細胞スフェロイドが団子状に凝集してしまうことなく、細胞シートやブロックを作製可能
・培養治具を細胞構造体から取り外すことも可能
・シンプルで簡便なため、三次元培養の低コスト化に貢献

想定される用途

・移植用人工組織の作製
・再生医療や創傷治癒などのための治療材料の作製
・創薬・研究ツールとしての人工組織の作製

  • 13:30~13:55
  • 創薬

4)多能性幹細胞由来の病態再現モデルを用いた中條西村症候群の創薬候補化合物スクリーニング

発表資料

京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 教授 齋藤 潤

https://msaito8.wixsite.com/ciranakahata

新技術の概要

中條西村症候群患者由来iPS細胞から単球株を作製し、これを用いて病態メカニズムを解析した。更に、疾患関連表現型を指標として化合物スクリーニングを行う評価系を構築した。約5000化合物のスクリーニングの結果、3つのヒット化合物を得た。ヒット化合物について、特許出願中である。

従来技術・競合技術との比較

我々のiPS細胞由来単球株を用いた化合物スクリーニング系は、培養細胞株や動物モデルより正確に患者の病態を反映し、十分な細胞数を取得できる点が優れている。また、ゲノム編集などによる細胞エンジニアリングも容易である。

新技術の特徴

・ヒトiPS細胞を用いた化合物スクリーニング系
・患者の病態を反映できる細胞株

想定される用途

・遺伝性免疫疾患に対する創薬候補化合物スクリーニング
・遺伝性免疫疾患の病態解析
・免疫細胞の機能制御に関係する化合物の探索

  • 14:00~14:25
  • 材料

5)円偏光純度と明るさを両立させる円偏光コンバータの開発

発表資料 プレゼン動画

京都大学 大学院エネルギー科学研究科 国際先端エネルギー科学研究教育センター 助教 岡﨑 豊

https://www.energy.kyoto-u.ac.jp/jp/advanced_center/

新技術の概要

直線偏光発光(LPL)材料と位相差板を張り合わせるだけで、肉眼で検出できるほど高い円偏光純度かつ高輝度の円偏光を容易に得られるフィルムを開発した。この新技術では、生成する円偏光の波長(色)や左右円偏光を自在に調節でき、LPLフィルムを複数重ねることによって光情報の多重化も可能である。

従来技術・競合技術との比較

非偏光から円偏光を生成する既存の方法では、円偏光純度と明るさを両立させることが理論的に困難であった。一方で新技術は、円偏光純度と明るさの両立に当たって理論的な限界はない。また、発光体の選択や位相差板の貼り合わせ角度制御によって、波長(色)や左右の円偏光を自在に生成することが可能である。

新技術の特徴

・生成する円偏光の波長(色)制御、左右円偏光の制御、光情報の多重化が可能
・円偏光変換において電源を必要とせず、フレキシブル化も可能
・製品の作製にあたって、既存の延伸フィルム製造装置をそのまま活用可能

想定される用途

・太陽電池の変換効率向上のための偏光変換フィルム
・植物育成速度向上のための偏光変換フィルム(ビニールハウスや植物工場にて使用)
・機密度向上のためのセキュリティ印刷(紙幣やIDカードなど)

  • 14:30~14:55
  • 情報

6)車載カメラにおける道路死角領域の自動検出と可視化

発表資料

京都大学 大学院情報学研究科 知能情報学専攻 教授 西野 恒

https://vision.ist.i.kyoto-u.ac.jp/

新技術の概要

手動および自動運転において道路上の死角領域の認識は、子供の飛び出し回避など、安全のために不可欠である。本技術は、死角領域を任意の車載映像において、自動的に2次元画像領域として検出する。これにより、あらゆる車載映像に道路死角領域をアノテーションでき、機械学習モデルを用いた実時間の車載カメラ視点からの死角検出が可能だ。

従来技術・競合技術との比較

従来技術としては、3次元形状の推定などを通した実時間検出が難しい方法や、車両等の後ろをすべて死角とする不正確な手法が存在する。それに対し、本技術は、実時間で車載映像から直接2次元画像領域として死角を検出し、表示することが可能である。

新技術の特徴

・任意の車載映像における道路死角領域の自動検出
・機械学習を用いた死角領域検出モデルの学習データ生成に有用
・実時間死角検出を実現

想定される用途

・自動運転
・先進運転支援システム(ADAS)
・運転教習

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 15:00~15:25
  • 情報

7)機械学習による動画像分類器の判断根拠を可視化する手法

発表資料 プレゼン動画

京都大学 大学院情報学研究科 通信情報システム専攻 准教授 末永 幸平

https://www.fos.kuis.kyoto-u.ac.jp/

新技術の概要

機械学習を用いた動画像分類器は、分類結果の判断根拠が人間に理解できないことが問題となっています。この問題を解決するために、機械学習による動画像分類器の判断根拠をヒートマップによって可視化する手法が多く提案されています。本技術はこれらのヒートマップの質を向上させ、判断根拠の高品質な説明を可能にします。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、生成したヒートマップが説明として不十分でも、そのヒートマップを改良することは困難でした。本手法は、改良対象のヒートマップを生成したモデルに関わらず適用ができます。改良過程を可視化することもできるので、改良にかかる時間とヒートマップの品質の最適なトレードオフをニーズに応じて解決できます。

新技術の特徴

・動画像分類を行う機械学習モデルの判断根拠をヒートマップで説明する手法
・任意の手法で生成されたヒートマップを改良することが可能
・モデル内部の情報にアクセスすることなくヒートマップの改良が可能

想定される用途

・セーフティクリティカルな分野で機械学習を導入する際に判断根拠を説明する際に
・機械学習によって実装した分類器が想定外の挙動をした際のデバッグ支援に
・GradCAM, GradCAM++, LIME, SHAP, RISE 等の既存技術では判断根拠が不明な際に

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

株式会社TLO京都 京大事業部門
TEL:075-753-9150  
Mail:event アットマークtlo-kyoto.co.jp
URL:https://www.tlo-kyoto.co.jp/

iPSアカデミアジャパン株式会社
TEL:075-754-0625  
Mail:license アットマークips-ac.co.jp
URL:https://ips-cell.net/j/

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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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