説明会の
お申込み

九州工業大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年12月15日(木) 10:00~14:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、九州工業大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • デバイス・装置

1)負性容量デバイス

発表資料 プレゼン動画

九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系 教授 孫 勇

https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/174_ja.html?k=%E5%AD%AB

新技術の概要

通常のコンデンサーは、両端の電位差が増えると、蓄積電荷量も増加する。また、電流と比べると、電圧の位相は90°遅れる。反対的に電圧の位相を早める回路素子はコイルである。しかし、コイルは立体的な構造であり、利用しにくいケースが多い。本研究で開発している負性容量はコイルの代替品として利用できる。

従来技術・競合技術との比較

現在、負性容量の材料としてHfO2などが報告されている。これらの負性容量材料には印加電圧が外された場合、充電電荷がそのまま保存される特性がある。本研究で開発する負性容量デバイスは、負性容量を持つが、印加電圧外された場合、電荷が保存されず揮発性する特徴がある。

新技術の特徴

・負性容量をもつデバイス
・電気回路の位相調整
・回路や電子デバイスの周波数特性改善

想定される用途

・送配電ネットワークの無効電力調整
・集積回路寄生容量の消し合い
・平面型ダイオード素子などのスイッチング時間の短縮

関連情報

・デモあり

  • 10:30~10:55
  • 情報

2)調整レスな産業用ロボットの自動化のための3次元認識技術

発表資料 プレゼン動画

九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 准教授 陸 慧敏

https://ericlab.org/

新技術の概要

現在産業用ロボットの動作は教示により行われている。ピッキング対象部品の位置がずれたり、工場のレイアウトが変更されるとそのたびに教示し直す必要性があることが問題点となっている。また、産業界で実用化されている把持姿勢を推定する手法は対象物体のCAD(Computer Aided Design)モデルに依存する制約がある。そこで、教示(調整)の必要性の無い産業用ロボット自動化技術を開発することが本研究の特徴である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は各ロボットに教示し直す必要があり、部品の位置が少しでもズレたらピッキングできなくなる。本新技術は新しい部品のCADデータが依存せず、自動的にアノテーションをし、認識のための深層学習モデルの学習により得られた重みが自動で生成する。また、センサの撮像距離内であれば部品の位置はズレても大丈夫である。

新技術の特徴

・深層学習で利用するデータを自動的にアノテーション
・CAD(Computer Aided Design)モデルに依存せず、再学習の必要のない
・学習から推論まで何の調整もいらない

想定される用途

・産業ロボット
・自動運転
・サービスロボット

関連情報

・デモあり

  • 11:00~11:25
  • 製造技術

3)浮上工具を用いた中空加工技術に開発 ~工具干渉低減に向けて~

発表資料 プレゼン動画

九州工業大学 大学院情報工学研究院 知的システム工学研究系 教授 鈴木 恵友

http://www.kyutech-iizuka.jp/member.html

新技術の概要

近年、超伝導援用加工法の開発により、中空加工の実用化が期待されている。本研究ではバルクのほかに超伝導配線を組み合わせ超伝導援用加工法を高性能化することで、配管内の加工など工具を外部から遠隔駆動により実現可能な加工法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

従来の加工法では工具をスピンドルに固定しているため、高度なプログラムで加工しても工具干渉の問題を回避することが困難であった。近年、超伝導援用加工法が提案されており、超電動バルクのみ採用されたため、寿命の問題が深刻であった。

新技術の特徴

・中空加工による工具干渉の低減
・超伝導線材のバルク化による高いピンニング力の実現

想定される用途

・配管などの中空加工

関連情報

・展示品あり

  • 11:30~11:55
  • 情報

4)レザバーコンピューティングベースのエッジ指向型画像認識

発表資料 プレゼン動画

九州工業大学 先端研究・社会連携本部 先端研究推進部 ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター 助教 田中 悠一朗

https://www.brain.kyutech.ac.jp/~neuro/

新技術の概要

本技術はレザバーコンピューティングをベースとした畳み込み演算、および畳み込みニューラルネットワークの構築法を確立し、低学習コストな画像認識システムの構築を可能とする。本技術により構築されるネットワークは、画像認識タスクに有効な、多様な空間周波数の画像特徴を抽出可能である。

従来技術・競合技術との比較

レザバーをベースとすることで、通常の畳み込みニューラルネットワークよりも学習にかかる計算コストを抑えることが可能であり、エッジでの学習に適用しやすい。また既存のレザバーコンピューティングによる画像認識システムよりも、自然画像データセットに対する性能が高い。

新技術の特徴

・学習にかかる計算コストが通常のネットワークよりも低い
・様々な空間周波数の画像特徴を抽出可能であり,通常のレザバーより自然画像認識に強い
・レザバーベースであるため,物理レザバーによる実装が可能

想定される用途

・エッジ側で学習が必要な画像認識システム
・画像を取り扱う時系列処理タスク,強化学習タスクなどの前処理
・(物理レザバーなどハードウェア化ができる場合)低消費電力な画像認識システム

  • 13:00~13:25
  • 医療・福祉

5)サーマルカメラからのバイタルサインモニタリング技術

発表資料

九州工業大学 大学院情報工学研究院 知能情報工学研究系 准教授 徳永 旭将

https://researchmap.jp/7000007131

新技術の概要

心拍に伴う皮膚温度の微小な変化を利用することで、サーマルカメラ映像から脈拍信号が抽出できることが知られている。一般的にカメラベースで抽出される脈波は信号強度が低く、被験者の動きも加わるため、様々なノイズの影響を受ける。本技術は、複数の画像処理・信号処理技術を組み合わせることで、脈拍に伴うシグナルと、非生理学的なシグナルを分離することで、実環境に強いバイタルサインモニタリング技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

RGBカメラ映像からバイタルサインを推定する技術と比較し、サーマルカメラ映像に基づく本技術は、照明条件に依存せず多様なシーンで使用できる。また、サーマルカメラを用いることで、RGBカメラよりプライバシーに関する懸念を軽減できる。さらに、独立成分分析に基づく信号分離を導入することで、同じくサーマルカメラに基づく脈拍推定技術であるDistancePPGよりも高い精度での脈拍信号推定を実現した。

新技術の特徴

・照明条件の影響を受けづらいため、屋内・屋外問わず使用可能
・夜間の使用も可能
・非接触でバイタルサインの監視が可能

想定される用途

・睡眠時の乳幼児の見守り(突然死症候群のリスク軽減)
・自宅療養者の監視・生存確認
・畜産場や農場の遠隔監視

関連情報

・デモあり

  • 13:30~13:55
  • アグリ・バイオ

6)世界初の高機能性スクアリリウム色素のセンシング分野への応用

発表資料

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 教授 パンデイ シヤム スデイル

http://www.life.kyutech.ac.jp/~shyam/

新技術の概要

金属イオンの高感度検出は産業、環境、およびヘルスケアの監視にとって最も重要です。 金属の中で、鉛、銅などは非常に有毒な重質物質であり、貧血、神経障害、腎臓障害など、人間にいくつかの病気を引き起こします。 これは、環境汚染と臨床診断を監視するために、生物学的および環境サンプル中の鉛の測定を必要とします。 したがって、特に近赤外波長領域にある適切なイオン検出プローブの設計は、以前のサンプル処理を高め、バイオセンシングアプリケーションに非常に適しています。

従来技術・競合技術との比較

イオンセンシングでは、イオノフォアが市販されており、特定のイオノフォアが特定のイオン用に設計されており、この分野の研究は現在も続いています。モノスクアライン色素を含む近赤外プローブも報告されていますが、特定のイオンに適したプローブを設計する必要があります。一方、ダブルスクアライン色素の美しさは、慎重に選択された溶媒システムを変更するだけで、同じプローブが異なるイオンを選択的に検出できるという事実にあります。これにより、イオン検知プローブでのダブルスクアライン色素の広範なアプリケーションが可能になります。

新技術の特徴

・分子設計幅広い可能性
・可視から近赤外の広い波長領域で感光
・非常に強いソルバトクロミズム

想定される用途

・バイオイメージング
・バイオセンサー
・増感剤

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • デバイス・装置

7)生体皮膚応用を志向した重量及び位置を区別できる柔軟な圧抵抗センサ

発表資料 プレゼン動画

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻 助教 宇佐美 雄生

http://www.brain.kyutech.ac.jp/~tanaka/

新技術の概要

電気伝導性の高いカーボンナノチューブと粘弾性を有するポリジメチルシロキサンの混合物をスポンジ構造にし、人間の皮膚と同等の感度、柔軟性を有する圧抵抗センサを開発した。複数の出力電極から得られる信号を機械学習を用いて解析することで、重量及び位置の分類が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の圧抵抗センサは単一の入出力電極を用いるため、重量及び位置の検出のために膨大な数のセンサが必要。一方本技術は電極のアレイ化により、一素子で印加圧力の分布を各電極の抵抗変化として検出可能。センサ材料と基板の密着性向上による、電極―センサ界面の接触抵抗の低減を達成。

新技術の特徴

・簡便な作製手法
・センサ構成材料の比率調整によりセンサ感度のコントロール可能
・周辺回路と組み合わせ、機械学習を用いた重量、位置の判別

想定される用途

・ウェアラブルデバイス
・義手、義足への感覚付与
・ロボットの触覚センサ

関連情報

・サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • エネルギー

8)ERSaver:インバータ機器によるリアルタイム電力需給調整システム

発表資料

九州工業大学 先端研究・社会連携本部 産学イノベーションセンター 上席高度専門職員 米澤 恵一朗

http://www.ccr.kyutech.ac.jp/information/

新技術の概要

再生可能エネルギーのフル活用のためには、十分な電力供給システム(発電方法・蓄電方法)の整備に加え、電力需給ギャップをなくすための調整システムが必要になります。我々は、特にリアルタイムの調整力(1次調整力)を空調機器をはじめとするインバータ機器に実装することを目指します。これまで、眠らせていたインバータの能力を積極的に活用することで、インバータ機器をこれまで同様に定常稼働させつつ、かつ調整力化するという新たな技術コンセプトを提案します。

従来技術・競合技術との比較

・本技術は1次調整を需給側に委ねることを可能とし、供給側に1次調整を頼っていた電力システムを抜本的に変革する
・本技術は1次調整力としての火力発電の代替手段となりうる
・蓄電池はコストの面から1次調整力には不向きであり、本技術が補完技術となる

新技術の特徴

・インバータ機器の機能を維持したままで調整力化を可能とする
・インバータ機器をIoT化することで調整力化する

想定される用途

・再生可能エネルギーが主力化した電力社会における1次調整力の担い手とそのプラットフォーム
・2024年度に立ち上がることが予定されている1次の電力需給調整市場の商品となる

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

九州工業大学 先端研究・社会連携本部 産学イノベーションセンター
TEL:093-884-3499
Mail:chizai アットマークjimu.kyutech.ac.jp
URL:https://www.ccr.kyutech.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top