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JST未来社会創造事業② 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年05月20日(金) 10:00~13:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 情報

1)植物に由来するパターン生成・メッシュ生成技術

発表資料 プレゼン動画

九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 数理計算インテリジェント社会実装推進部門 教授 富安 亮子

https://imi.kyushu-u.ac.jp/~tomiyasu/index_jp.html

新技術の概要

非周期的なタイリング・パッキングから生成されるパターンは、様々な工業製品デザインに用いられている。例えばペンローズタイルは、電気剃刀用の網刃にも用いられ、フィボナッチ配列(ヒマワリの種の配列, フォーゲル螺旋)はドラム式洗濯機の扉のデザインに使用されている。本発明は、フィボナッチ配列の方法を同心円状でない曲面において生成する情報処理システムおよび、そこから生成された非周期的点列に基づくパターン・タイリングを用いた装飾・工業デザインに関わる。

従来技術・競合技術との比較

フィボナッチ配列による点列の生成は、点密度の高い点列を高速に生成できること、ヒマワリの種など自然界に同様のパターンがみられることに特徴がある。従来技術では錐・回転体などの円対称性を持つ曲面に限られていた。より一般の曲面に適用可能な手法を開発したことで、本技術は従来技術よりも広範囲におよぶ様々な点列の高速生成により、2次元平面・曲面を装飾するパターン・タイリングの生成を可能とする。

新技術の特徴

・パッキング密度(点の単位面積当たりの個数)の下界が理論的に得られる
・各面に生成される点列の自由度が1次元高いので貼り合わせ境界で滑らかな接続が可能
・解析的に定義された任意の曲面上に多様な螺旋パターンを生成

想定される用途

・デザイン制作ソフトウェア
・メッシュ生成(数値解析など)

  • 10:30~10:55
  • 情報

2)ベイズ理論を用いて、構造物の健全度が変化したことを知らせる新しい提案

発表資料 プレゼン動画

京都大学 大学院地球環境学堂 資源循環学廊 都市基盤エンジニアリング論分野 研究員 河邊 大剛

http://infra.kuciv.kyoto-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

センサなどで収集した点検時のデジタルデータを用いて構造物の健全時の状態を確認し、さらに劣化損傷などにより健全時と異なった状態となった時に、異常を適切に評価する新しい考え方である。これにより施設管理者が容易に構造物の状態を評価することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

構造物の損傷は、振動数やモード形状などの振動特性に着目し、その変化をとらえることで発見が可能です。従来技術の多くはその変化をとらえることを目標にしています。しかしながら目で見てわかる損傷であってもその変化量は非常に小さいので判断が難しいところを、新技術はその変化を的確にとらえることに効果を見出しています。

新技術の特徴

・健全時と異常時を比較、評価する場合にパラメータ個々の比較でなくベイズ推定を用いた尤度的な判断を加えている
・健全時と異常時を評価する場合に状態方程式の振動項に着目してその変化を統計的に評価している
・健全であるデータを基本として、異常が起きていない場合および異常が起きていることを解りやすく表現している

想定される用途

・施設管理者が計測値を見て構造物の状態を直感的、適切に判断できる
・デジタルデータにより定量的にデータで損傷を評価しているため、損傷していることを適切に示し、コスト縮減が図れる
・点検時に併用することで点検結果に定量的数値を与えることで、点検の高度化、効率化を図ることができる

  • 11:00~11:25
  • 製造技術

3)作業スキルを継承できる賢いロボット

発表資料 プレゼン動画

慶應義塾大学 新川崎先端研究教育連携スクエア ハプティクス研究センター 特任教授 大西 公平

https://haptics-c.keio.ac.jp

新技術の概要

スキルを含む柔軟な作業は作業対象の力触覚に基いて発揮される作業者の適応的な動作から成り立つ。新技術では、作業者から抽出した作業感覚と作業動作のデータに人工知能を援用して、人のような賢い動作を可能にするコントロールシステムを構築する。これを新しいロボットに実装し人のように柔軟な作業を実現する。

従来技術・競合技術との比較

現状のロボットの動作は位置決めが基本であり作業対象に適応する能力に欠ける。特に高い適応性を作業動作に求めると作業対象からの鮮明な力触覚が必須であり、力センサーのみでの解決は難しい。また、産業用ロボットでは力加減能力が不足する場合が多く、柔軟な動作と力触覚との高い協調能力に課題が残っている。

新技術の特徴

・スキルのディジタル化
・高い適応能力を持つロボット
・柔軟な作業の人工実現

想定される用途

・製造業における人手に頼る作業の自動化
・人の持つ柔軟作業が必要な医療福祉介護のロボット化
・作業者のスキルのディジタル保存

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

  • 11:30~11:55
  • 医療・福祉

4)標的場所に噴霧してウイルスが存在すると光る試薬の開発

発表資料

東京農工大学 大学院工学研究院 生命機能科学部門 教授 池袋 一典

http://web.tuat.ac.jp/~tanpaku/

新技術の概要

標的ウイルスを特異的に認識する抗体とアプタマーを組み合わせ、ウイルスの有無を確認したい場所に噴霧すると、ウイルスが存在する場合にのみ化学発光を示す試薬キットを開発した。SARS-CoV-2とインフルエンザウイルスを明確に判別できることを確認しており、現在実用化のための高感度化を行っている。

従来技術・競合技術との比較

標的ウイルスの存在が疑われる場所に噴霧するだけで、ウイルスの存在を確認できる試薬は未だかつて開発されていない。ウイルスがいるときだけ信号を発信するためには、原理的にはウイルスと結合していない試薬を除去する必要があり、洗浄操作が必要となる。この洗浄操作が不要な世界初の試薬である。

新技術の特徴

・ウイルスの感染が疑われるところに噴霧するだけで、ウイルスがあれば光る
・洗浄操作が不必要で、簡便な検出が可能である
・洗浄・分離操作が不要なので、水溶液を用いる検出機器に容易に応用できる

想定される用途

・周囲の、標的ウイルスの有無が気になるものや場所に噴霧すれば、標的ウイルスを発光により検出できる
・MEMS/NEMSと組み合わせた、微小検出機器の検出試薬として利用できる
・感染経路の同定や感染源の特定に利用できる

  • 13:00~13:25
  • 環境

5)微生物ガス発酵を用いたアセトン製造によるカーボンリサイクル技術

発表資料 プレゼン動画

広島大学 大学院統合生命科学研究科 生物・生命科学分野 生物工学ユニット 教授 中島田 豊

https://metab.hiroshima-u.ac.jp/ja/home-j/

新技術の概要

独自の組換え微生物を用い、発酵により合成ガスからアセトンを製造する。合成ガスは廃プラスチックなどの有機廃棄物から製造し、カーボンリサイクルが可能である。耐熱性微生物を用いるため製造と同時にアセトンを蒸留分離ができる。

従来技術・競合技術との比較

従来合成ガスを用いた工業生産は化学法である。化学法は高温、高圧下で行い、ガス組成の厳密な制御が必要である。しかし微生物変換ではこれらの制限がかからない。

新技術の特徴

・高温発酵を生かした製造プロセス
・多様な有機物・有機廃棄物を合成ガスに一元化することで利用可能
・微生物代謝改変によるオーダーメイドな化学品生産

想定される用途

・プラスチックリサイクル
・製鋼所廃ガスを原料としたアセトン製造、関連化成品製造

  • 13:30~13:55
  • 環境

6)化学とバイオが連携した芳香族ポリマー原料生産

発表資料 プレゼン動画

弘前大学 農学生命科学部 分子生命科学科 准教授 園木 和典

http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/staff/tomonori-sonoki

新技術の概要

本技術は、ポリマーに耐熱性や剛性を与える芳香族化合物を、非可食バイオマスの主成分であるリグニンから生産することを提供する。化学分解により多様な芳香族化合物が生成することがリグニン利用の課題とされてきた。本技術で開発した銅固定化触媒と微生物触媒を用いることで、その課題を解決する。

従来技術・競合技術との比較

銅化合物はリグニンの酸化分解に有効な触媒として知られているが、従来の触媒は分解反応生成物との分離・再利用は容易ではない。多様なリグニン由来の化合物を分解できる微生物は少なく、それらに対する耐性は低い。本技術はこれらの課題を解決したリグニン分解用触媒と芳香族モノマー原料生産用の微生物触媒を提供する。

新技術の特徴

・リグニンから選択的に芳香族ポリマー原料を生産する方法を提供する
・芳香族化合物耐性が高い微生物株を提供する
・再利用・再生可能なリグニン分解用触媒を提供する

想定される用途

・バイオマスプラスチック生産

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 未来創造研究開発推進部 推進1グループ
TEL:03-6272-4004
Mail:kaikaku_mirai アットマークjst.go.jp
URL:https://www.jst.go.jp/mirai/jp/

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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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