新潟大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年11月17日(木) 10:00~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、新潟大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 材料
1)不斉重合と不斉分解を組み合わせた新規光学分割法
発表資料新潟大学 自然科学系生産デザイン工学系列(工学部) 工学科・化学システム工学プログラム 教授 青木 俊樹
新技術の概要
高分子原料モノマーの側鎖に分離対象ラセミ化合物を加水分解性基を介して導入し、これを重合すると、主鎖に不斉が転写されたポリマーが得られる。このポリマーに円偏光を照射することで不斉分解が生じ、一方の鏡像異性体を持つ主鎖が選択的に分解される。分解物と非分解物は溶解性で容易に分離可能で、これにより光学分割が達成される。
従来技術・競合技術との比較
従来の光学分割は、通常不斉源(キラル化合物)としての光学分割剤を必要とするが、本法では全く必要としない。また、従来の光学分割は、分離対象ごとに適する光学分割剤の選択が必要であるが、本法では同じポリマーを用いることができる。
新技術の特徴
・通常の分離(光学分割)で必要な不斉源(キラル化合物)を必要としない
・分離(光学分割)対象が広範である可能性が高い
・分離(光学分割)の後処理が容易である
想定される用途
・医薬品およびその原料の分離(光学分割)
・農薬およびその原料の分離(光学分割)
・キラル液晶材料の分離(光学分割)
- 10:30~10:55
- 材料
新潟大学 自然科学系生産デザイン工学系列(工学部) 工学科・化学システム工学プログラム 准教授 戸田 健司
新技術の概要
安価で毒性の低いマンガンを着色イオンとして用い、安定な酸化物母体にドープすることにより、鮮やかな青色を示し、かつ高温耐久性を持つ新規な青色顔料の合成に成功した。
従来技術・競合技術との比較
最も古くから知られた鮮明な青色顔料はコバルトブルーであるが、コバルト化合物の発がん性により将来規制される可能性が高い。青色顔料として、YInMnブルー(インミンブルー)があるが、Inは高価であり、かつ発がん性が懸念されている。すなわち、安価、低毒性、色調、高温耐久性を兼ね備えている青色顔料は、今まで存在していなかった。
新技術の特徴
・鮮やかな青色
・環境にやさしい原料
・合成が容易
想定される用途
・陶磁器の着色
・プラスチックの着色
・絵具
関連情報
・サンプルあり
- 11:00~11:25
- デバイス・装置
3)ほぼゼロの周波数温度特性を有する薄板バルク弾性波デバイス
発表資料新潟大学 自然科学系生産デザイン工学系列(工学部) 工学科・機械システム工学プログラム 教授 安部 隆
新技術の概要
本技術は、厚み滑り振動を有する水晶板を支持基板上に接合したバルク弾性波デバイスに関するものである。支持基板上に貼り付けた水晶板を励振させることができため、研磨プロセスによる薄板化に対応している。また、使用する支持基板により、周波数温度係数を調整可能であり、常温付近を含む広い温度範囲でほぼゼロの周波数温度係数を示すなど優れた温度特性を有している。
従来技術・競合技術との比較
近年、温度特性改善、スプリアス低減などの目的のため、支持基板に圧電板を貼り付けたバルク弾性波あるいは表面弾性波デバイスに関する研究が発表されている。本技術は、上部の圧電板を励振させるバルク弾性波技術であり、研磨による薄板化に対応し、支持基板の選定により周波数温度係数をほぼゼロにできるなどの長所を有している。
新技術の特徴
・貼り付けた上部の圧電板を共振させることが可能であるため薄板化に対応している
・周波数の温度係数をほぼゼロにすることができる
・支持基板の分極によって電界を誘導し励振させることができる
想定される用途
・周波数制御素子などの信号源
・ガス、匂いセンサ(QCM)
・高安定な発振回路を利用した複素容量センサ
- 11:30~11:55
- 機械
新潟大学 自然科学系生産デザイン工学系列(工学部) 工学科・機械システム工学プログラム 准教授 寒川 雅之
新技術の概要
MEMS技術により作製した触覚センサチップについて、新たに対象物と接触する部分の交換を可能としました。これにより、接触により摩耗や破損が生じた場合に修復することや、用途によって接触部の硬さや材質、接触面積や表面形状を自由に変更することができます。さらに、検知素子の改良により高感度化し、検出範囲の拡大に成功しました。
従来技術・競合技術との比較
従来、力を計測するセンサとしては、ロードセルや力覚センサが用いられていますが、小型化には限度があり、数万円以上と高価で、さらに過負荷による損傷のリスクがあります。本技術はMEMS技術により小型が容易であり、また大量一括生産が可能なため、チップ当たりのコストを抑えることができます。さらに、樹脂封止により過負荷に対する高耐久性も備えています。
新技術の特徴
・圧力の分布や振動、温冷が一つの小型センサで計測可能
・接触部の交換ができ、摩耗・破損時の修復や材質・形状の変更が可能
・高感度から広ダイナミックレンジまで、感度の調整が可能
想定される用途
・ロボットハンドの把持状態計測・制御
・皮膚性状の診断やしこり、脈波検出
・金属、樹脂、布などの製品の触感評価
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
新潟大学 地域創生推進機構
TEL:025-262-7554
Mail:onestop adm.niigata-u.ac.jp
URL:https://www.ircp.niigata-u.ac.jp/
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