北東北三大学~計測・環境~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年03月14日(木) 10:00~14:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、秋田大学、弘前大学、岩手大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 計測
1)新しい磁気転写電荷誘起方式の高感度・高出力磁界センサ
発表資料秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 材料理工学コース 教授 吉村 哲
新技術の概要
Society 5.0社会の実現には、高感度・高出力・低消費電力・微小な磁界センサの実装が求められている。しかしながら、現在実用化や提案されている薄膜素子から形成される微小化が可能な磁界センサには、高感度・高出力・低消費電力を実現できるものは無い。本技術は、特許第6573374号の『電界印加磁気転写』を逆動作させる新しい概念である『磁気転写電荷誘導』を新規に提案し、その現象を磁界センサに適用するものである。
従来技術・競合技術との比較
薄膜素子から形成される微小化が可能な既存の磁気センサには、①トンネル型磁気抵抗素子②強磁性・強誘電単層薄膜素子などがあるが、①を用いたセンサでは高出力化・低消費電力化が難しく、②のセンサでは高感度化が難しい。これらに対し、本発明のセンサでは、微小化が可能であることは当然、高感度化・高出力化・低消費電力化の全てが可能である。
新技術の特徴
・磁界を高感度で検出が可能
・磁界を高出力で検出が可能
・磁界を低消費電力で検出が可能
想定される用途
・高感度・高出力・低消費電力・微小な磁界センサ
- 10:30~10:55
- 計測
岩手大学 理工学部 システム創成工学科 機械科学コース 准教授 佐々木 誠
新技術の概要
表面筋電位(sEMG)信号の振幅や周波数に着目した筋疲労の評価方法はこれまでいくつか提案されているが、嚥下のように、随意運動と反射運動が混在し、かつ、瞬間的な動作に対する客観的な手法は確立されていない。本技術は、筋シナジー解析と画像化したsEMG信号の類似度比較の組み合わせにより、嚥下時筋疲労の加齢による違いを検出可能にしたものである。
従来技術・競合技術との比較
sEMG信号を利用した従来の筋疲労評価技術は、等尺性随意収縮のような静的な動作が主であり、嚥下のような瞬間的かつ動的な動作に対応できない。
新技術の特徴
・運動フェーズに対応したsEMG信号の分割とそのパターン変化に着目した、動的動作時の筋疲労検出
・加齢に伴う筋疲労の違いを検出・評価が可能
・嚥下造影検査等を要しない、非侵襲かつ簡便な嚥下時筋疲労評価を実現
想定される用途
・高齢者等を対象とした嚥下機能評価システム
・介護現場等での食事中の窒息・誤嚥リスク評価システム
・個々人の疲労特性にもとづく食形態、食事量、食事時間の判定システム
関連情報
デモあり
展示品あり
- 11:00~11:25
- 計測
弘前大学 理工学部/大学院理工学研究科 機械科学科 教授 笹川 和彦
新技術の概要
これまで、新規な構造の考案により、薄くてしなやかなのに、圧力とせん断応力(ずり応力)を同時に計測可能なセンサを実現している。
そこで、
・このセンサを多数配置し応力分布を計測するためのセンシング機構を開発した
・このセンサの高感度化とフォトリソや印刷による小型高集積化を可能にするセンサ構造と計測原理を開発した
従来技術・競合技術との比較
これまで、一般的な圧力・せん断応力センサは固く厚い形態のため物体間の接触応力の計測に不適であったが、本センサは物体界面へのセンサ挿入による接触状態の乱れを極力抑え、より正確な接触応力の計測が可能である。
このセンサをさらに発展させ、圧力とせん断応力の分布計測、高感度化、小型高集積化を可能にした。
新技術の特徴
・薄くてしなやかなのに、圧力だけでなくせん断応力(ずり応力)の分布を計測可能
・肌ざわりなどの繊細な低応力域を対象とした高感度な力覚計測が可能
・微細加工や印刷に適したセンサ構造なので、フォトリソグラフィー技術等により小型高集積化が可能
想定される用途
・ロボット操作のマスター側インターフェイス、デジタルペン等のより高度な電子機器の入力インターフェース、医療福祉機器等のマン―マシン・インターフェイス
・医療手技、工業製品の作製・農作業など手作業の熟練技術の可視化、自動化、トレーニング
・肌ざわり計測に基づいた身に着ける製品(衣料、紙おむつなど)の開発
関連情報
サンプルあり
- 11:30~11:55
- 計測
秋田大学 大学院理工学研究科 数理・電気電子情報学専攻 講師 淀川 信一
新技術の概要
電磁波のインピーダンスマッチング現象を用い測定する水溶液からの反射電磁波を極限まで小さくした状態を作り出すことで、水溶液濃度の微小変化に伴う反射電磁波の強度変化、および反射スペクトルの周波数変化を高感度に検出することが可能となった。これにより水溶液中の微量物質の検出が可能となった。
従来技術・競合技術との比較
血糖値の非侵襲の測定法は様々提案されているが十分な精度が得られておらず、侵襲的な測定が必要である。提案する技術は血糖値レベルの濃度の微小変化の検出が可能となる。
新技術の特徴
・インピーダンスマッチングを用いることで水溶液中の微量の濃度変化を検出できること
・シミュレーション解析により、インピーダンスマッチングに最適な誘電体膜の構造を提案できること
・誘電体複合膜とネットワークアナライザを用いた装置構成により水溶液中の微量物質が検出できること
想定される用途
・人体血糖値の非侵襲測定
・果物などの糖度測定
・水溶液中の微小濃度変化の測定
- 13:00~13:25
- 環境
5)界面活性剤
発表資料弘前大学 理工学部/大学院理工学研究科 物質創成化学科 教授 鷺坂 将伸
新技術の概要
界面活性剤の水表面への吸着速度および水の表面張力低下速度が、トリメチルシリル(TMS)基をもつ炭化水素鎖と、通常の炭化水素鎖を併せ持つ疎水鎖を利用することで、従来(対称)型界面活性剤に比べて10倍速くなることを発見した。これにより、疎水性の増加と水溶性の低下を起こさずに、吸着速度と表面張力低下速度を大きく増大させた低表面エネルギー界面活性剤の開発に成功した。
従来技術・競合技術との比較
フッ素系界面活性剤は、消火剤などに広く利用されてきたが、生体蓄積性や発がん性などが危惧され、利用が制限されている。その代替となるシリコーン系界面活性剤は、生分解性がなく、一方では、酸性や塩基性条件では加水分解しやすいなど問題点もある。また、それらは一般的に水溶性が低い。本研究の界面活性剤はそれら欠点を持たない低表面エネルギー界面活性剤として利用が期待される。
新技術の特徴
・高い水溶性をもつ
・低濃度でも素早く表面に吸着し、急速に表面張力を低下させる
・フッ素およびシロキサンを利用していない
想定される用途
・農薬
・消火剤
・湿潤剤
- 13:30~13:55
- 環境
秋田大学 大学院理工学研究科 数理・電気電子情報学科 数理科学コース 講師 村上 英樹
新技術の概要
土壌、肥料、水遣りが不要で雨水のみで成長し、耐熱性と耐乾燥性が極めて高く、約10℃の断熱効果があるスナゴケを成長促進させて、軽量メンテナンスフリーの緑化資材として、安価で大量に栽培をする技術。このスナゴケを用いて、建造物の強度に合わせて、屋上や壁面を緑化する技術。庭石の様な複雑な形状の物を瞬時に緑化することも可能。
従来技術・競合技術との比較
栽培期間は1年以内で、従来技術のほぼ半分。土壌を用いないので、海外へ輸出が可能。目的個所をコケで直接緑化することが可能で、従来技術で用いられるフレームやシートも不要。成長促進材を同時に敷設した場合は、緑化後もスナゴケを成長させることが可能。従来品と比較して極めて軽量なフレキシブル緑化資材にすることも可能。
新技術の特徴
・高い断熱効果と耐熱・耐乾燥性を持つスナゴケの栽培期間の大幅な短縮
・スナゴケを用いた極めて軽量なメンテナンスフリー屋上及び壁面緑化
・コケ植物の成長促進による速やかな環境浄化及び二酸化炭素固定
想定される用途
・スナゴケを用いた軽量メンテナンスフリー屋上及び壁面緑化による省エネルギーの達成
・コンクリート等のコケ植物を用いた緑化による都市の空気清浄化
・コケ植物が持つ保水力によるヒートアイランド現象と洪水被害の緩和
関連情報
サンプルあり
- 14:00~14:25
- 環境
岩手大学 理工学部 システム創成工学科 社会基盤・環境コース 助教 晴山 渉
新技術の概要
本技術は、化学物質に汚染された土壌や水の浄化処理方法として、糖類を用いた鉄活性化過硫酸法による浄化処理技術である。これにより、低コストで高効率な土壌・水質の浄化処理の方法を提供する。さらに、食品廃棄物等に含まれる糖類の利用が可能であり、サーキュラーエコノミーに資する技術である。
従来技術・競合技術との比較
汚染土壌を掘削することなく井戸から浄化薬剤等を注入することで汚染物質を分解する原位置浄化法において、鉄活性化過硫酸法が、近年注目されている。この手法の浄化促進材と有機酸が利用されてる。本技術は、糖類にも過硫酸法を促進する効果があることを発見した。これにより有機酸試薬を糖類に代替することによって低コストで高効率な処理が可能となる。
新技術の特徴
・鉄活性化過硫酸法に、糖類が共存することで汚染物質の分解が促進可能
・有機酸よりも試薬単価が安い糖類が利用可能
・食品廃棄物等に含まれる糖類を利用できる可能性
想定される用途
・化学物質に汚染された土壌の浄化
・化学物質に汚染された地下水の浄化
・工場用廃水等汚染水の浄化処理
関連情報
デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
秋田大学 産学連携推進機構 知的財産部門
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Mail:chizaijimu.akita-u.ac.jp
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弘前大学 研究・イノベーション推進機構
TEL:0172-39-3178
Mail:chizaihirosaki-u.ac.jp
URL:https://www.innovation.hirosaki-u.ac.jp/
岩手大学 研究支援・産学連携センター 知的財産ユニット
TEL:019-621-6494
Mail:ipttiwate-u.ac.jp
URL:https://www.ccrd.iwate-u.ac.jp/
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