環境・土木 ~秋田県合同~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2023年11月21日(火) 13:30~15:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構 、秋田大学、秋田県立大学
後援:秋田県、秋田県商工会議所連合会、秋田科学技術協議会
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 環境
秋田大学 大学院理工学研究科 共同サステナブル工学専攻 准教授 髙橋 博
新技術の概要
Li, Co, Ni, Alイオンを含む水溶液に対して2種類の汎用試薬を添加し、さらに簡単な機械的操作を行うことのみで、Co/Ni群、Al、Li群の順で3つの群に簡単に分別分離することができる技術を開発した。また、得られるそれぞれの固体は水に再溶解が可能であり、固相-液相間で簡単に形態を変えることができる特徴を有している。
従来技術・競合技術との比較
従来、Co,Ni群、Al、 Liを含む水溶液からの3つの群に相互分離することは複数の単位操作を組み合わせる必要があると考えられるが、本技術では1つの手法で短時間のうちにCo/Ni群、Al群、Li群の3つの群にそれぞれ固液分離することが可能である。
新技術の特徴
・酸やアルカリによる化学処理を行わない点
・Co/Ni群,Al, Liと3つの群に相互に分離される点
・平衡と速度差による分離を組み合わせた点
想定される用途
・LiBのリサイクルシステムにおける群分離への応用
・酸やアルカリを用いずにアルミニウムをコンパクト化する単位操作としての利用
アルミニウムイオンを水に再可溶が可能な固体として分離したい場合
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
- 14:00~14:25
- 環境
秋田県立大学 生物資源科学部 生物生産科学科 准教授 頼 泰樹
新技術の概要
東日本大震災に起因する東京電力福島第一原発の事故により拡散した放射性セシウムは広範囲の土壌を汚染し、社会的な問題となった。農作物が吸収することで人の健康被害が問題となるため、セシウムを吸収しないイネを作出し、同時にイネのセシウム吸収のメカニズムを明らかにした。
従来技術・競合技術との比較
放射性物質の土壌汚染で取られる方法は表土の剥ぎ取りなどによる除染、放射性セシウムについてはカリウムの散布などであるが、農耕地の場合それらよりはるかに低コストで農作を継続することが可能となる。
新技術の特徴
・人に対する(潜在的な)リスクを低減させた農作物の育種
・物理化学的手法に対してはるかに低コストな方法
想定される用途
・有害元素の低減技術としての育種
- 14:30~14:55
- 建築・土木
秋田大学 大学院理工学研究科 システムデザイン工学専攻 教授 後藤 文彦
新技術の概要
山間部の登山道等では、自然景観に馴染む木橋のニーズが高いが、豪雪地帯の雪荷重に対抗するには、鋼部材でハイブリット化するなど剛性を高める必要がある。冬季の雪荷重のためのハイブリッド化は、オーバースペックとも言えるため、発想を転換し、冬季間は床版を折りたたみ、雪荷重を回避する構造を提案した。
従来技術・競合技術との比較
豪雪山間部の木橋として、従来は雪荷重に対抗するために、鋼部材でハイブリッド化するなど、正攻法で正面から荷重に対抗する戦略をとっていた。本技術では、発想を転換し、最大の荷重である雪荷重をかわすために、床版折りたたみにより構造を変換し、荷重そのものを回避する。
新技術の特徴
・過大な外力に対して、それに耐えられる堅牢な構造で真正面から抵抗しようとはせず、構造を転換して外力を回避する
・雪荷重等、季節に依存した条件の変化に対して、年間を通して同じ構造で対抗できるようにするのではなく、季節ごとに要求される機能へと構造を変換する
・季節の変わり目で必要となる構造の変換は、2人程度の作業者が安全に容易に行える
想定される用途
・豪雪地帯山間部の登山道への適用
・冬季間閉鎖される木橋以外の橋梁への適用
・豪雪地帯の屋根構造への応用
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 15:00~15:25
- 建築・土木
4)熱可塑性樹脂とCFシートを用いたコンクリート新規補修工法
発表資料秋田大学 大学院理工学研究科 システムデザイン工学専攻 教授 徳重 英信
新技術の概要
本研究開発で進めている改良型熱可塑性樹脂を用い、電磁誘導加熱や近赤外線加熱などによる炭素繊維(CF)シートをコンクリート部材に溶着する技術である。本技術を用いることにより効率的なコンクリート部材の補強・補修が可能となり、積雪寒冷地での冬期施工などの低温・湿潤環境下でも適用可能となることが想定される。
従来技術・競合技術との比較
従来のCFシートと熱硬化性樹脂を用いたコンクリート補強・補修工法は、養生工程等から工期短縮に制限があり、低温・湿潤環境下施工でも制限が伴う。また従来型熱可塑性樹脂をCFRP成形に用いた例はあるが、「CFシートとコンクリートの接着」に従来型熱可塑性樹脂を用いることは難しい。本技術はこれらの課題を解決する技術となる。
新技術の特徴
・熱可塑性樹脂の粘性と強度の改良
・コンクリート部材へのCFシート溶着方法
・低温・湿潤環境下施工と工期短縮
想定される用途
・小規模コンクリート橋梁等の部材の補修と補強
・木造建築部材の補修と補強
・鋼製橋梁部材のボルト固定など
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
秋田大学 産学連携推進機構 知的財産部門
TEL:018-889-3020
Mail:chizai jimu.akita-u.ac.jp
URL:https://www.akita-u.ac.jp/crc/
秋田県立大学 地域連携・研究推進センター
TEL:018-872-1557
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URL:https://www.akita-pu.ac.jp/stic/index.htm
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