ものづくり技術~中国地域公設試~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2023年11月30日(木) 10:00~14:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、広島県総合技術研究所、山口県産業技術センター、鳥取県作業技術センター
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- アグリ・バイオ
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 食品加工研究部 研究員 下久 由希
新技術の概要
食材に物質を急速に導入する技術です。高温状態の食材を常圧下で冷たい溶液に浸漬することを特徴としています。従来の凍結含浸法で必須だった減圧工程を省き、さらに物質導入量も増加しました。減圧を使用しないため減圧装置の導入コストが不要となり、製造工程の短縮が可能です。
従来技術・競合技術との比較
食材に物質を急速導入する従来技術として広島県の「凍結含浸法」が知られています。軟化酵素を含浸することで「やわらか食」の製造方法として実用化しています。従来技術は食材を溶液に浸漬し「減圧」することで物質を導入することを特徴としており、減圧装置の導入コストがかかること、減圧工程が律速となりやすいことが課題でした。
新技術の特徴
・常圧下で簡単に食材中心部まで高分子物質を浸透できます!
・使用機器は一般的な加熱機器及び冷蔵庫のみなので、調理場や小規模製造現場でも技術導入できます!
・調味液、栄養成分、油脂、機能性成分、酵素など様々な物質を浸透できます!
想定される用途
・調味食品、栄養強化食品、機能性強化食品、形状保持軟化食品(高齢者食)の効率的製造
・食材への物質導入時間短縮による食品製造における生産性の向上
・経産牛等廃棄食材の嗜好性向上及び硬さ調整による食品ロス削減
- 10:30~10:55
- 計測
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 加工技術研究部 担当部長 長谷川 浩治
新技術の概要
本発明は、各種材料の断熱性の指標である熱伝導率や熱貫流率を測定する装置です。従来手法(保護熱板法(GHP法)や断熱材の熱貫流率測定法)を改良し、簡素化した装置構成で様々な部品に対応可能な断熱性能測定装置です。
従来技術・競合技術との比較
保護熱板法による断熱性能測定装置の改良では、温度制御方法を簡素化することで安価な装置作りが可能となりました。また、熱貫流率の測定装置では、通常、試験体は平板ですが、部品などの局面形状にも対応できる測定装置となっています。
新技術の特徴
・従来の断熱材評価方法に比べ、装置が簡素化され安価になります
・実体の部品等、平板の試験体以外の断熱性能の測定が可能です
想定される用途
・自動車材料の断熱性改善
・敷床材料の断熱性評価
・生活用品等の断熱評価及び対策用素材の開発
- 11:00~11:25
- デバイス・装置
3)射出成形シミュレーション用溶融樹脂粘度測定装置の開発
発表資料広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 材料技術研究部 部長 田平 公孝
新技術の概要
圧力センサーと温度センサーを取り付けた金型と市販の射出成形機を組み合わせた樹脂粘度測定装置を開発しました。射出成形機を用いているためガラス繊維など繊維含有樹脂の粘度測定において実際の成形時と同様の繊維切断状態での樹脂粘度が測定できます。
従来技術・競合技術との比較
通常は市販されているキャピロメーターで樹脂粘度を測定しますが、本装置は2点で圧力を測定するため、1点測定だけの従来装置に比べ、ラビノビッチ補正など複雑な補正が必要ありません。
新技術の特徴
・繊維含有樹脂の粘度を比較的容易に測定できます
・繊維含有樹脂において成形条件(可塑化条件)によって変わる繊維切断の影響を配慮した測定ができます
想定される用途
・CAE(射出成形シミュレーション)での活用
・樹脂の物性管理
- 11:30~11:55
- 製造技術
広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 加工技術研究部 主任研究員 寺山 朗
新技術の概要
射出成形、ダイカスト、ホットプレスなど金型を使った熱加工プロセスにおいて、金型内部にセンサを仕込み、金属やプラスチックなどの成形体と金型の間の伝熱(熱伝達係数)を測定する方法を開発しました。
従来技術・競合技術との比較
熱加工プロセスにおいて、成形体と金型の熱伝達を測定するための専用センサはこれまでにないものです。適正な熱伝達係数を求めることで、温度シミュレーションの精度向上に繋がります。
新技術の特徴
・金型と成形体の熱伝達係数が測定できます
・表面粗さや離型剤塗布など金型の表面状態を変えて測定できます
・温度シミュレーションの精度を向上できます
想定される用途
・成形シミュレーションの熱的境界条件の設定に活用
・伝熱を制御した成形プロセスの開発
・接触界面での伝熱機構の解明
- 13:00~13:25
- 材料
鳥取県産業技術センター 機械素材研究所 機械・無機材料グループ 研究員 塚根 亮
新技術の概要
低密度、電磁波遮蔽、振動吸収性、低比熱、寸法安定性など様々な性質をもつマグネシウムをポーラス化することでさらなる高機能化が期待される。液相焼結を適用した粉末冶金法によりポーラスマグネシウムを作製し、圧縮試験によりいくつかの機械的特性を評価した。
従来技術・競合技術との比較
ポーラス金属の作製方法の一つである焼結スペーサー法は空孔率/形状の制御が容易であるが、マグネシウムは難焼結材のため適用が困難であった。共晶反応を利用した液相焼結を適用し、焼結スペーサー法によりポーラスマグネシウムを作製した。
新技術の特徴
・マグネシウムのポーラス化を実現
・空孔率や空孔形状を制御可能
想定される用途
・衝撃吸収材(自動車、ヘルメットなど)
・生体内材料
- 13:30~13:55
- エネルギー
山口県産業技術センター 技術支援部 材料技術グループ 専門研究員 中邑 敦博
新技術の概要
アルカリ水溶液の電気分解による水素製造では、高濃度のアルカリ条件下で使用できる大型の電極が求められている。本発表では、大型化が容易なアノード電極について報告する。この電極は、酸素発生過電圧が0.293V(10mA cm-2のとき)と低く、貴金属・希少元素を使用していないことに特徴がある。
従来技術・競合技術との比較
従来の無機系触媒被覆電極は、化学合成した触媒をバインダーを用い基材に接合する。その為、電極の耐久性が低く、触媒層の物性、膜厚を均一とした電極の製造ができないことが課題であった。一方、本技術では、電気化学反応によって基材表面上に触媒層を形成させるため、均一で耐久性の高い大型電極が製造できる。
新技術の特徴
・メッシュ状等、複雑形状の電極上に均一な触媒層を形成できる
・硝酸イオンの分解に使用できる
想定される用途
・アルカリ水溶液の電気分解用アノード電極
関連情報
サンプルあり
- 14:00~14:25
- 材料
山口県産業技術センター 技術支援部 部長 前 英雄
新技術の概要
本特許の紫外線吸収材料は、鉄イオンを含む水溶液を加水分解後に透析して調製したゾルであり、UVAをほぼ100%吸収する。600nmまでの光の吸収を制御できるので、多くの蛍光色素を励起光から保護して光退色を防止できる。
従来技術・競合技術との比較
50nm以下の酸化鉄は、紫外線領域の光は吸収するが、それ以上の波長の光は透過させやすいため、比較的透明である。本技術によって得られる酸化鉄も同様の特性を示すが、塩素イオンや硝酸イオン等の陰イオンを透析によって除去している点に特徴がある。
新技術の特徴
・紫外線吸収ゾル
想定される用途
・紫外線吸収材料
・ゴム・樹脂製品の劣化感知のための、製品に混練させるマイクロカプセル
関連情報
サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
広島県総合技術研究所 企画部
TEL:082-223-1200
Mail:sgkkikakupref.hiroshima.lg.jp
URL:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-soken/
山口県産業技術センター 経営戦略室
TEL:0836-53-5051
Mail:infoiti-yamaguchi.or.jp
URL:https://www.iti-yamaguchi.or.jp/
鳥取県作業技術センター 企画・連携推進部
TEL:0857-38-6200
Mail:tiitkikakutiit.or.jp
URL:https://tiit.or.jp/
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