神奈川大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年02月22日(木) 10:00~13:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、神奈川大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 創薬
神奈川大学 化学生命学部 生命機能学科 助教 伊部 公太
新技術の概要
活性型ビタミンD3のD環部を排し、側鎖にフェニレンを組み込んだ構造簡略型des-D環ビタミンDを創成した。この完全化学合成を達成し、これら誘導体群は有効なビタミンD受容体結合能を示すこと、さらにレポータアッセイの結果、高活性なアゴニストであることを見いだした。
従来技術・競合技術との比較
従来、活性型ビタミンD3の誘導体は、天然物ビタミンD類の分解より得られるC、D環部にA環部および側鎖を再構築する方法で行われてきたが、本研究では天然物によらない完全化学合成で中心のC環部を合成する新しい誘導体ライブラリーを提供している。
新技術の特徴
・完全化学合成による新規誘導体ライブラリーを提供できること
・A環部や側鎖との組み合わせで創成される広範囲な新規ライブラリーであり、新規疾患領域にも対応する作用分離等の新機軸を探索できること
・完全化学合成によって安定供給が可能であること
想定される用途
・骨粗鬆症やCa代謝異常の治療薬
・細胞分化誘導・細胞増殖抑制活性を利用する薬剤
・免疫賦活・免疫活性化作用を利用する薬剤
関連情報
サンプルあり
- 10:30~10:55
- 材料
神奈川大学 理学部 理学科 教授 木原 伸浩
新技術の概要
既存の高分子材料を分解性に変性する技術である。熱、光、酸、アルカリなど、天然の刺激に対しては安定なので、分解性を導入しても高分子材料の物性を損なわない。しかし、特定の(しかし容易に入手可能で安価な)非天然の刺激によって速やかに分解するため、任意のタイミングで完全に分解除去できるようになる。
従来技術・競合技術との比較
使用中の高い安定性と、使用後の高い分解性を同時に実現しており、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性を損なうことなく、ビニルポリマーを含む高分子材料に分解性を導入できる。分解生成物は水溶性で、材料表面に残ることなく、完全に除去できる。
新技術の特徴
・使用中は高温でも分解しませんが、使用後は容易に分解できます
・十分な強度を保ちます
・ガスによっても分解することもできます
想定される用途
・分解性接着剤/塗料/構造材料
・易解体性架橋材料(高吸水性ポリマーなども含む)
・フィラー(カーボンファイバーなど)の回収可能なコンポジット材料
- 11:00~11:25
- アグリ・バイオ
神奈川大学 化学生命学部 生命機能学科 教授 岡本 専太郎
新技術の概要
オーキシンとして知られるインドール-3-酪酸(IBA)構造を基盤とする誘導体の合成と活性評価の中から、根の発育において側根選択的に伸長を阻害する化合物群を見いだした(シロイヌナズナ)。これらの多くは、イネの根成長には影響しない。一方、側根伸長を促進する化合物も見いだしており、植物の根の生育制御剤として期待される。
従来技術・競合技術との比較
IBAの構造を基に、適用植物や使用時期等に対応可能な植物成長調節剤候補を創出する新規IBA誘導体群を合成した。従来のオーキシン生合成阻害剤と比較して高い側根伸長阻害と植物選択性を示す化合物や逆に側根伸長を促進する化合物等を見出しており、従来の剤とは異なる作用機序を有する様々な新規剤候補化合物を提供できる。
新技術の特徴
・これまで余り注目されて来なかったIBAを基盤とする誘導体群であること
・側根伸長阻害剤と促進剤の両方を見いだしている点
・伸長阻害では,ナズナに有効な濃度領域でイネには影響が無いこと
想定される用途
・雑草類の成長抑制
・発根後の根の伸長促進剤
・挿し木の歩留まり向上
関連情報
サンプルあり
- 11:30~11:55
- 情報
神奈川大学 情報学部 システム数理学科 教授(学部長) 秋吉 政徳
新技術の概要
都市空間におけるデジタルサイネージや避難路の設計の基礎データとして利用可能な地震災害時の避難行動者の認知特性をエージェント駆動によるアバターで表現されたる他の避難者群行動を取り込んだVR空間を用いて収集する。
従来技術・競合技術との比較
VRを用いた避難訓練や空間設計は試みられているが、エージェント駆動によるアバターで表現された他の避難者群行動を取り込んだものはない。
新技術の特徴
・VR空間での認知行動収集
・エージェント駆動によるアバター
想定される用途
・都市空間の設計
・デジタルサイネージ等の表示内容の利活用
関連情報
デモあり
- 13:00~13:25
- エネルギー
神奈川大学 工学部 電気電子情報工学科 准教授 根岸 信太郎
新技術の概要
カーボンニュートラルの実現に向けた様々な電力・エネルギー技術について「どの技術を」「いつごろ」「どれくらい」導入していくのかを長期的な電力需給の模擬を行うことで決定し、経済的・環境的価値の評価ができるディスパッチシミュレーションツール
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、計算コストの課題から代表日(1年のうち数日)を取り出した分析が主流なため、発電機や蓄電設備の長期運用(メンテナンス・日をまたぐ蓄電)が考慮できなかった。また、再生可能エネルギーの短周期的な変動を考慮していないため、需給調整力の確保を含めた安定供給が担保されないシミュレーション結果だった。
新技術の特徴
・時間粒度が1時間(1年8,760時間)という高い時間解像度で数十年間という長期間の分析が可能
・各時間ステップでの需給調整力の確保も含めたモデル化を行うことで、実際の電力需給でも実現性のある計画を得ることが可能
・メンテナンス期間の確保や蓄電設備運用の制約を導入することで、より実際の給電運用に近いコスト評価が可能
想定される用途
・シナリオに基づく新規エネルギー技術の事業性評価や政策評価
・街づくりにおけるエネルギー供給システムの長期デザイン、マスタープラン作成
- 13:30~13:55
- 材料
神奈川大学 化学生命学部 応用化学科 特別助教 原 秀太
新技術の概要
カテコール・リンカチオンの分散剤と無機ナノ粒子からなる複合体をサブナノ以上のナノ粒子の分散剤として活用できること。また効果として、5um BNや2DTiCなどの熱伝導性や誘電特性を有する材料に、絶縁性や導電性、磁性ナノ粒子を被覆と同時に分散させることができる。
従来技術・競合技術との比較
ナノ粒子の複合化技術は、高分子ナノ粒子や高分子分散剤などを用いて達成することができるが、本技術は、低分子分散剤として上記の技術を達成している。また、カテコール基とリンカチオンの効果により、全ての分散作業をビーズミルで達成することができる。
新技術の特徴
・低分子化合物の分散剤である
・幅広いナノ粒子を複合化することができる
・分散工程がビーズミルだけであり勘弁である
想定される用途
・3Dプリンターのフィラーとしての利用
・複合材料としての利用
・機能性インクとしての利用
関連情報
サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
神奈川大学 研究推進部産学官連携課
TEL:045-481-5661
Mail:sankangaku-renkeikanagawa-u.ac.jp
URL:https://www.kanagawa-u.ac.jp/research/cooperation/
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