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金沢大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年08月17日(木) 13:30~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、
     金沢大学、金沢大学ティ・エル・オー

発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • 創薬

1)筋由来因子アイリシンによる薬物依存症治療薬の開発

発表資料

金沢大学 医薬保健研究域 薬学系 教授 金田 勝幸

https://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~yakuri/

新技術の概要

薬物依存症は、一旦やめてもストレスなどが引き金となり、薬物に対する渇望感が増大し、再び摂取してしまうことが繰り返される難治性精神疾患である。運動により筋肉から分泌されるアイリシンが、マウスモデルにおいて、ストレスによるコカイン欲求増大を抑制することから、アイリシンの依存症治療薬としての応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

薬物依存症治療薬は未だ開発されていない。認知行動療法や自助グループ等による薬物からの隔離が行われているが、十分な治療法とは言えない。既存治療法がきわめて限定された現状において、アイリシンはストレスによる薬物再摂取を抑止できる可能性があり、画期的な新薬となることが期待できる。

新技術の特徴

・運動により筋肉から分泌されるアイリシンがストレスによる薬物欲求増大を抑制する
・運動ができない場合でもアイリシンを摂取することで運動と同等な薬物欲求抑制作用が期待できる
・筋肉由来の内在性因子であるため、安全性が高いと考えられる

想定される用途

・医薬品(特にストレスによる薬物欲求増大を抑止する依存症治療薬)

  • 14:00~14:25
  • 製造技術

2)パラレルメカニズムを用いた高速走査電解加工における加工電圧制御

発表資料 プレゼン動画

金沢大学 理工研究域 機械工学系 准教授 小谷野 智広

http://manufac.w3.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

高速走査電解加工は加工速度が速く、工具電極消耗や加工変質層が生じず、加工面の表面粗さも良いという優れた特徴を有する。本技術では加工精度の向上を目的として、工具電極と工作物間に印加する加工電圧を、走査速度に応じて制御する方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術に、直流電流を用い電極の移動速度に応じ加工電圧を変化させる技術が有るが、電圧低下時に電極と被加工物間に流れる電流密度が小さくなり、表面粗さが大きくなる課題があった。本技術では印加電圧をパルス化し、走査速度に応じてそのパルス幅を変化させるため電流密度が低下せず、良好な加工精度と表面粗さを得られる。

新技術の特徴

・印加電圧をパルス化したことにより、加工精度と加工面粗さを両立できる
・工具電極の大きさや走査経路によらず、適用が可能である

想定される用途

・切削加工などが困難な高アスペクトの溝加工など
・切削加工などが困難な小径の工具による微細形状の加工
・加工変質層が生じないので、他の加工方法では残留応力等により変形しやすい製品形状にも適用が可能

関連情報

・サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • デバイス・装置

3)レーストラック型ループプラズマによる高速表面改質

発表資料 プレゼン動画

金沢大学 理工研究域 電子情報通信学系 教授 田中 康規

http://epel.w3.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

高温プラズマとしてループ状に形成される誘導熱プラズマを用いる。ループ状プラズマの一部を横方向直線状に生成させ、それに対して基板(材料)をスキャンさせることで二次元的な表面改質を実現する。目的に即した分子性ガスを導入することで、ドーパント活性化のためのアニーリング、酸化、窒化、炭化などに使用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、材料の表面酸化には熱酸化が、窒化には例えばイオン窒化法が使用されているが、熱酸化法・イオン窒化法においてはプロセスに数時間から数十時間の時間を要した。高温プラズマを用いることでO2、N2などを解離し、O原子、N原子を用いることで従来より約20倍程度の高速で表面改質を実現できる。

新技術の特徴

・「熱プラズマ」状態でない高温プラズマを用い、酸化、窒化、炭化、アニーリングなどの表面改質を従来手法の20倍で実現
・アークジェットでなくループ状プラズマを用いることで、電極材料からの蒸気混入の問題から解放され、又、広い表面処理面積も実現
・目的に即した様々な分子性ガスを導入することで、ドーパント活性化のためのアニーリング、酸化、窒化、炭化などに使用できる

想定される用途

・酸化膜生成(半導体ゲート材料等)
・窒化膜生成(切削工具等)
・半導体におけるドーパントの活性化のアニーリング

  • 15:00~15:25
  • 分析

4)キラル炭化水素すら識別可能なキラル指示薬

発表資料

金沢大学 理工研究域 物質化学系 助教 廣瀨 大祐

http://kohka.ch.t.kanazawa-u.ac.jp/lab5/lab5/index.html

新技術の概要

本キラル指示薬は、非常に広範なキラル化合物のキラリティを色調や蛍光の変化よって安価に簡便かつ正確に識別でき、光学純度の推定にも利用できる。識別対象の溶解性に合わせ疎水性/親水性用のキラル指示薬を使い分け、最も識別が困難とされるキラル炭化水素類でさえも目視で識別することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

医薬農薬薬物などのキラリティはその効能や規制に関わるため、簡便かつ正確に識別できる指示薬の開発が求められているが、従来のキラル指示薬は適用範囲が狭い問題があった。本技術では、アミン、アルコール、カルボン酸に加え、炭化水素までの幅広い化合物のキラリティを識別できる。

新技術の特徴

・幅広いキラル化合物を色と蛍光の違いでキラル識別できる
・光学純度の推定にも利用可能である
・キラル識別に大型・精密機器を必要とせず、短時間で場所を選ばず分析できる

想定される用途

・麻薬などの規制薬物のその場スクリーニング
・大量のサンプルに対するキラルスクリーニング
・従来法では困難であったキラル化合物のキラル識別

関連情報

・サンプルあり

  • 15:30~15:55
  • 計測

5)レーザ光のFM変調特性に影響されないFMCW光距離センサ

発表資料 プレゼン動画

金沢大学 理工研究域 フロンティア工学系 教授 飯山 宏一

http://oes-lab.w3.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

FMCW光距離センサは、光周波数が時間的に線形掃引されたレーザ光源を用いた干渉型光距離センサである。距離の干渉信号の周波数に変換して距離を測定するが、距離測定性能は光周波数掃引の線形性に大きく左右される。本技術は、補助干渉計の干渉信号の瞬時周波数との比較により距離を算出する方法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

従来は、kサンプリング法あるいはリサンプリング法といった信号サンプリング技術を利用していたが、本技術は通常のサンプリング法で実施可能であるため、非常に簡便である。また、信号強度が大きい場合にはアナログ電子回路のみ、かつPC不要で距離測定が可能であり、さらに簡便化が実現できる。

新技術の特徴

・シンプルな構成とシンプルな信号処理
・移動物体のリアルタイム距離測定が可能

想定される用途

・工作加工品などの形状計測
・自律移動家電製品における距離計測・障害物検知
・測量

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

金沢大学 研究・社会共創推進部 産学連携推進課 知的財産管理係
TEL:076-264-6176
Mail:titeki アットマークadm.kanazawa-u.ac.jp
URL:https://research-promotion.adm.kanazawa-u.ac.jp/co_research/kyoudou/kyoudou.html

金沢大学ティ・エル・オー
TEL:076-264-6115
Mail:infoアットマークkutlo.co.jp
URL:https://kutlo.co.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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