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JST戦略的創造研究推進事業② 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年12月08日(金) 10:25~14:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構

発表内容詳細

  • 10:25~10:30

開会挨拶

科学技術振興機構 戦略研究推進部 調査役 内田 信裕

  • 10:30~10:55
  • 分析

1)ポリマーを基材としたナノフォトニクスデバイス作製とセンサ応用

発表資料 プレゼン動画

大阪公立大学 大学院工学研究科 物質化学生命系専攻 准教授 遠藤 達郎

新技術の概要

本技術は、ナノメートルサイズの構造を有する光学素子、フォトニック結晶をポリマーを基材として作製し、これを光学センサとして応用するものである。ポリマーを基材とすることで、ポリマー中へ機能性分子を包含させることや、ポリマー表面へ認識素子を固定化することで、安価・簡易なセンサとして応用することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

ポリマー材料および包含させる機能性分子、表面へ固定化する認識素子等多岐にわたる測定対象物質に対応したセンサデバイスを作製することが可能である。

新技術の特徴

・ポリマー中に機能性分子を包含させたセンサデバイスが提供できる
・ポリマー表面へナノ構造を転写することから安価に作製が可能

想定される用途

・イオン・pH測定
・DNA分析

関連情報

展示品あり

  • 11:00~11:25
  • 材料

2)高速分解が可能なアクリル樹脂

発表資料 プレゼン動画

信州大学 先鋭領域融合研究群 先鋭材料研究所 准教授 髙坂 泰弘

http://fiber.shinshu-u.ac.jp/kohsaka/index.html

新技術の概要

ラジカル重合して主鎖にエステル骨格を含むポリマーを与える環状ビニルモノマーと、アリル位にヒドロキシ基を修飾したメタクリレートの共重合により、特定の触媒に応答して高速で主鎖切断するアクリル樹脂を得た。さらに、メタクリル酸メチルを主成分とする三元共重合体でも、高速主鎖切断が実現した。

従来技術・競合技術との比較

ラジカル重合において、ポリマー主鎖にエステル結合を導入する技術は確立されているが、その分解には強アルカリ等で主鎖エステル結合を切断する必要があった。本技術はペンダント基を利用した分子内反応により、穏和で高速な主鎖分解を実現する。

新技術の特徴

・二元共重合体の溶液分解では、5分以内にピークトップ分子量が数万から数百以下まで減少
・メタクリル酸メチルを主成分とする3元共重合体でも、高速分解を達成
・酢酸を利用した、バルクでの分解も可能

想定される用途

・解体性接着剤
・剥離可能なコーティング剤
・塗料

  • 11:30~11:55
  • 材料

3)微量の添加物でガラスの靭性を大幅に向上

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻 准教授 篠崎 健二

http://www.mit.eng.osaka-u.ac.jp/td2/shinozaki/

新技術の概要

ガラス中のナノ構造・ナノ粒子分散などにより脆さを克服するための研究を行っています。ガラス中に微量(例えば0.5 vol%)の金属ナノ粒子を分散析出させることで破壊靭性を3倍に向上させることができ、機械加工性の改善や、厚み・重量の低減が期待できます。

従来技術・競合技術との比較

ガラスを割れにくくする技術として例えば強化ガラスがありますが、側面のキズや深いキズに弱く、また、適応可能なガラス種が限られます。本技術ではガラスの本質的な靭性を高めるので、どのようなガラスにも適応でき機械加工性の改善も期待できます。

新技術の特徴

・微量の金属ナノ粒子分散によりガラスの靭性3倍に向上
・強化困難な石英ガラスなどにも適応可能
・き裂耐性向上により機械加工性も改善

想定される用途

・ガラスを用いた各種基板や筐体
・高温用窓材

関連情報

サンプルあり

  • 13:00~13:25
  • 材料

4)簡便に作成可能な自己修復性を持つイオン伝導性ソフト材料

発表資料 プレゼン動画

物質・材料研究機構 高分子・バイオ材料研究センター 分子機能化学グループ 独立研究者 玉手 亮多

https://samurai.nims.go.jp/profiles/tamate_ryota

新技術の概要

巨大タンパク質や天然ゴムなどに匹敵する100万を越える分子量を持つ超高分子量ポリマーと不揮発なイオン液体からなる自己修復ゲル材料を、極めて簡便に創製する手法を開発した。この材料はリサイクル性に優れ、循環型経済に資するだけでなく、IoT基盤技術に必須の高耐久性フレキシブルデバイス用イオン伝導材料への応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

多くの自己修復高分子材料では精密な合成手法や複雑な製造プロセスを要求される場合が多い。一方で、本材料では高分子鎖の絡み合いという高分子材料が普遍的に持つ特徴を利用した物理的アプローチによる汎用性の高い戦略を用いている。そのため簡便に作成可能・低コストでの製造可能性があるといった利点を持つ。

新技術の特徴

・有機溶剤フリーで非常に簡便に作成可能
・不揮発・不燃性で熱成型によるリサイクルが可能
・高い力学強度・イオン伝導度・自己修復機能を両立したソフトな電解質

想定される用途

・不揮発で生体に貼り付けられるソフト電極材料
・ウェアラブルデバイスなど新規電気化学デバイスの電解質材料
・形状記憶材料への応用

関連情報

サンプルあり

  • 13:30~13:55
  • 材料

5)架橋高分子からにじみ出さない多環状高分子を特長とする制振材料

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 大学院工学研究院  応用化学部門 分子機能化学分野 高分子化学研究室 教授 佐藤 敏文

https://poly-ac.eng.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

本技術のネットワーク高分子は架橋時に多環状高分子を非常に高い確率でロタキサンとして取り込んでいるため、添加された多環状高分子の割合が多くても材料からにじみ出さない。また、添加された多環状高分子はネットワーク高分子中で液体のように振る舞うため、ダンピング材料に重要な性質であるエネルギー分散性を付与できる。

従来技術・競合技術との比較

ネットワーク高分子にエネルギー分散性を付与するために線状高分子を添加した報告がある。線状高分子の添加によってエネルギー分散性は向上するが、ネットワーク高分子から経時的にじみ出してしまう欠点をもっている。

新技術の特徴

・環状高分子を大量に混ぜてもにじみ出さない
・材料にエネルギー分散性を与えることができる
・用途に応じて環状高分子の化学種、分子量、構造を制御できる

想定される用途

・免震ゴムなどの制振材料
・レース用タイヤなどの素材
・柔軟性を向上させるための可塑剤

関連情報

サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 材料

6)高効率円偏光発光を示す第3世代有機EL材料

発表資料 プレゼン動画

名古屋大学 大学院工学研究科 有機・高分子化学専攻 講師 福井 識人

https://www.chembio.nagoya-u.ac.jp/labhp/organic1/index.html

新技術の概要

熱活性化遅延蛍光(TADF)を示す発光性有機分子は優れた変換効率で電気を光に変換できるため、第3世代有機EL材料として注目されている。今回我々は、異方性因子が0.007の円偏光発光を示す第3世代有機EL材料を開発した。

従来技術・競合技術との比較

これまでに報告されたTADF活性な有機EL材料の円偏光発光の異方性因子は最大でも0.001程度であった。今回我々は、8の字型に曲がった分子構造を採用することで異方性因子の格段の向上に成功した。

新技術の特徴

・優れた円偏光発光特性を示す第3世代有機EL材料を開発
・8の字型の分子構造の採用が鍵

想定される用途

・3Dディスプレイの発光素子
・セキュリティプリント材料

関連情報

サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • 創薬

7)環状ペプチドの化学酵素合成法

発表資料

北海道大学 大学院薬学研究院 創薬化学部門 天然物化学研究室 講師 松田 研一

https://www.pharm.hokudai.ac.jp/tennen/

新技術の概要

C末端修飾ペプチドを効率よく合成する固相合成法を開発した。これにより合成された5~20残基程度の修飾ペプチドは、C末端の修飾構造を脱離基とし、独自に見出したペプチド環化酵素によって効率的にhead-to-tail型の環状ペプチドに変換できる。

従来技術・競合技術との比較

液相での縮合反応によって脱離基を導入する従来の基質ペプチド合成法では、異性化の副反応による収率低下や精製工程の煩雑化が課題であった。今回開発した手法は液相の縮合工程を介さないため、簡便に収率よく基質ペプチドが得られる。このため環状ペプチド取得までの工程が簡略化された。

新技術の特徴

・ペプチド環化酵素の基質となる修飾ペプチドを簡便に合成
・修飾ペプチドは酵素反応により効率よく環化

想定される用途

・環状ペプチドの製造
・環状ペプチドのライブラリー合成

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科学技術振興機構 戦略研究推進部(CREST)
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URL:http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/

科学技術振興機構 戦略研究推進部(ACT-X)
TEL:03-6380-9130 
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URL:https://www.jst.go.jp/kisoken/act-x/

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