九州工業大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2023年12月05日(火) 10:00~14:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、九州工業大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 製造技術
九州工業大学 大学院情報工学研究院 知的システム工学研究系 教授 鈴木 恵友
新技術の概要
難加工材であるSiC、ダイヤモンドまたはGaNを高い研磨レートで研磨することができ、生産性に優れた、研磨されたSiC材料、ダイヤモンド材料またはGaN材料の製造方法を提供することを目的として、イオンビームを照射することによって、SiC、ダイヤモンドまたはGaNである半導体材料の表面または内部に形成された脆化層を、スラリー存在下で研磨して、脆化層20を除去する研磨工程を有する、薄膜基板100の製造方法。
従来技術・競合技術との比較
SiC、ダイヤモンドまたはGaNを高い研磨レートで研磨することができ、生産性に優れた、研磨されたSiC材料、ダイヤモンド材料またはGaN材料の製造方法が提供される。
新技術の特徴
・イオンビームで脆化層を形成
・研磨材料は、研磨砥粒と、含有量が1質量%以下酸化剤で構成
・研磨のセルフストップ
想定される用途
・SIC基板の製造
- 10:30~10:55
- デバイス・装置
九州工業大学 大学院情報工学研究院 知的システム工学研究系 准教授 坂本 憲児
新技術の概要
「微量サンプル」の粘度を「使い捨てチップ」で測定する装置に関わる技術。30μL以下の微量なサンプル量で測定が可能であり、使い捨てチップを用いるため、汚染物質や感染性サンプルの計測が可能である。卓上サイズで非技術者でも1ボタンで計測できるシステムに構成でき、現場でのオンサイト計測に利用可能。
従来技術・競合技術との比較
30μL以下の微量なサンプル量で測定が可能であり、従来品よりも少量での計測が可能である。また装置は従来装置に比べ安価に構成できる。さらにサンプルの接触するチップは使い捨てであり、他装置では見られない特色である。
新技術の特徴
・使い捨てチップで粘度測定可能
・微量サンプルで粘度の測定が可能
・安価な装置で実現
想定される用途
・希少サンプルの粘度による品質管理(半導体用の高額レジストなどをオンサイトで計測)
・血漿をはじめとするニュートン流体的な体液粘度の測定
関連情報
サンプルあり
デモあり
展示品あり
- 11:00~11:25
- デバイス・装置
九州工業大学 大学院生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻 助教 宇佐美 雄生
新技術の概要
多数のマイクロ電極間に導電性ポリマーをネットワーク状に配置し、湿気のある環境下で酸化還元現象に由来するヒステリシス電気特性の電気化学反応が現れることを明らかにした。PCB基板回路として機械学習システムと接続、組み込みを実現した。演算性能のデモンストレーションとして、0~9までの数字音声認識を7-9割の高い正解率で実現した。
従来技術・競合技術との比較
有機分子ネットワークを用いた音声認識は世界で初めて。従来のメモリスタの例と比較して、ノード当たり1000倍の消費電力効率で駆動可能。少ない出力数で動作可能(実施時12-15、メモリスタの場合1000以上)。
新技術の特徴
・簡便な作製手法
・低消費電力で音声識別可能
・学習後はスタンドアローンで動作
想定される用途
・AIロボットへの搭載
・半導体チップに組み込み
・音による異常検知
関連情報
サンプルあり
- 11:30~11:55
- 機械
九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系 教授 永岡 健司
新技術の概要
本技術は、単一のアクチュエーターを用いた螺旋翼の回転軸方向へのマルチ面波動を伝播する機械装置である。アクチュエーター内蔵型螺旋翼による小型化と単純回転動作の波動変換による簡素な構造が特徴である。また、本装置は全周を覆うことが可能であり、柔軟な被覆構造を用いた完全密閉型構造を構成できる。
従来技術・競合技術との比較
これまでの波動伝播構造と比べて、歯車などの外部連動機構が不要であり、なおかつ装置の周囲四方にマルチ面波動もしくは環状波動を伝播することが可能である。完全密閉型構造による優れた防塵性・防水性に加えて、対象環境に依らない幅広い工業分野への応用が期待できる。
新技術の特徴
・マルチ面波動の機械伝播
・完全密閉可能な構造
・単一駆動源による内蔵構造
想定される用途
・完全密閉型が望ましい環境/対象物に対する搬送装置
・防塵/防水性を備えた移動体の移動機構(自然地形や配管検査など)
関連情報
デモあり
- 13:00~13:25
- 機械
九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 准教授 高嶋 一登
新技術の概要
温度によって材料の柔軟性が変化し、形状記憶特性を有する形状記憶材料とジャミング転移現象を組み合わせ、温度、圧力変化により剛性、形状を変更可能なリンクを開発した。リンクとしてだけでなく、対象物を引っ掛けたり、表面に固定するなどしての搬送も可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来は様々な状況で使用するためには、使用状況に応じたリンクの交換が必要で、手間や複数種のリンクを準備するための費用の問題があった。また、従来技術だと、複雑な形状に変形させるためには、関節やアクチュエータの追加が必要で、構成が複雑になる問題があった。
新技術の特徴
・複雑な任意の中心線、断面形状に変形し、その形状を保持可能
・変形後、初期形状に回復可能
・剛性を4状態変更可能
想定される用途
・ロボットアームなどのリンク、骨組み
・ロボットなどのハンド、グリッパ
関連情報
デモあり
- 13:30~13:55
- 計測
九州工業大学 大学院情報工学研究院 知能情報工学研究系 助教 永井 秀利
新技術の概要
単発で短時間存在する波形を構成要素とする計測信号において、その要素波形の検出・分析が必要なことがある。要素波形が離散的か重畳有りかは様々だが、出現規則性が乏しい場合は特に、波形検出が難しいことも多い。新技術では、単チャネルの計測信号のみから低コストかつリアルタイムで良品質の検出を行う手段を提供する。
従来技術・競合技術との比較
波形出現が離散的で検出を阻害する信号成分がほぼないという好条件でない限り、周期性のない単発の要素波形を従来技術で検出することは難しい。それゆえ、直接検出を諦めて、抽象的な特徴等に基づく推定で妥協することも多い。新技術は、利用の際の制約が少なく、様々な形状の要素波形の検出に対応させる設計が可能である。
新技術の特徴
・従来技術では要素波形を捉えられなかった信号に対し、信号特徴の本質である要素波形の視点で分析する道筋を提供
・許容される波形変化がある場合の要素波形らしさ評価も含めた柔軟な対応設計が可能
・FPGAによる1チップ化も十分に可能なくらいに簡素化された処理
想定される用途
・【具体的実用例】単チャネル表面筋電からの運動単位活動電位波形の抽出・分析とその応用
・重畳の有無によらず、各種計測信号中で不規則発生する要素波形の検出・抽出
・各種計測信号における規則性に反する要素波形の出現や、要素波形としては異常な波形の検出・抽出
- 14:00~14:25
- 環境
九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 准教授 安藤 義人
新技術の概要
未利用農業資源である木質バイオマス、特にその中でもセルロースが持つ水酸基による親水性、水素結合による凝集性が材料としての利用を妨げている。その対処として官能基の変換など手法があるが手間がかかる。本発表では物理的にその凝集性を制御する技術や簡便な官能基変換技術について紹介する。
従来技術・競合技術との比較
酸塩化物誘導体やイオン液体の利用、TEMPO酸化などの手法を使って木質バイオマスをセルロースナノファイバーとして、さらには樹脂へのフィラーの用途で高付加価値のある材料にしてきた。しかし、複数の工程や多くの薬剤を必要とする。今回、簡便で比較的安価、多様性のある木質バイオマスの水酸基を制御(改質)技術である。
新技術の特徴
・CNF乾燥体での複合樹脂用フィラー
・組み合わせで調整可能な機能性CNFフィラー
・バルク条件による機能性CNFの作成
想定される用途
・機能性樹脂
・生分解性樹脂
・建築材料
関連情報
サンプルあり
展示品あり
- 14:30~14:55
- エネルギー
九州工業大学 大学院工学研究院 電気電子工学研究系 准教授 長谷川 一徳
新技術の概要
再生可能エネルギー用インバータには電流品質向上のためコンデンサを用いたフィルタが使用されている。コンデンサは劣化スピードが他の部品より速いため信頼性の低下を招き、結果として再生可能エネルギーの普及拡大を阻んでいる。本技術はセンサ部品を用いず低コストでインバータ用LCLフィルタの寿命診断を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術はLCLフィルタ内のコンデンサ電流計測のため高価な電流センサが用いられている。本技術は波形分析に基づきコンデンサ電流を演算することにより、電流センサを用いず寿命診断を実現している。
新技術の特徴
・低コストで寿命診断技術を実現
・センサ部品が不要であり、新設だけでなく既設インバータにも適用可能
・再生可能エネルギーの普及拡大に貢献
想定される用途
・太陽光・風力発電用パワーコンディショナ
・フレキシブル交流送電システム(FACTS機器)
・スマートグリッド
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
九州工業大学 先端研究・社会連携本部 産学イノベーションセンター
TEL:093-884-3499
Mail:chizaijimu.kyutech.ac.jp
URL:https://www.ccr.kyutech.ac.jp
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
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