説明会の
お申込み

岡山大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年09月26日(火) 10:55~14:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、岡山大学

発表内容詳細

  • 10:55~11:00

開会挨拶

岡山大学 副理事 窪木 拓男

  • 11:00~11:25
  • 材料

1)新規骨誘導材料、骨リモデリングモデル、in vitro骨髄モデル

発表資料

岡山大学 学術研究院医歯薬学域(歯) 大学院医歯薬学総合研究科 生体材料学分野 教授 松本 卓也

https://www.okayama-u.ac.jp/user/biomat/

新技術の概要

細胞由来リン脂質を基材として骨のもと(石灰化小球)を形成することに成功した。また、その三次元化により実際の海綿骨と階層的に同様の形状、構造を有する人工海綿骨形成に成功した。この技術は新規骨誘導材料や人工海綿骨、さらには人工骨髄のモデルシステムとして使用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

全く新規の骨誘導材料を元に、生体骨形成過程を模倣し、生体骨と同様の石灰化物を作製している。この石灰化物はボトムアップアプローチで作製したものであり、実際の海綿骨と酷似している。これまでの人工物とは異なり、実際の生体により近い形で人工骨髄形成に応用できる。

新技術の特徴

・新たな骨誘導技術を利用
・ボトムアップでの三次元骨様構造体作製
・新規骨髄誘導材料として応用が期待できる

想定される用途

・新規骨誘導材料としての用途
・人工造血幹細胞ニッチェ、人工骨髄モデルとしての用途
・骨リモデリングの新規モデル

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • アグリ・バイオ

2)多剤耐性グラム陰性桿菌を含む緑膿菌に対する人工抗菌酵素の開発

発表資料

岡山大学 学術研究院医歯薬学域(医) 病原細菌学 准教授 内山 淳平

http://www.okayama-u.ac.jp/user/saikin/

新技術の概要

緑膿菌に対する新規人工抗菌酵素を、既知のLPS誘導ペプチドと既知 グラム陰性菌に有効なエンドライシンの部分配列、既知の緑膿菌ファージのエンドライシンを融合させて作製した。本人工抗菌酵素は、緑膿菌やグラム陰性桿菌を殺菌でき、EDTAの混合物を使用した動物実験により、抗菌剤としての有効性が証明された。

従来技術・競合技術との比較

緑膿菌に対する新規抗菌剤の開発の中で、近年、抗菌酵素が注目されている。抗菌酵素は、ファージの天然型エンドライシンを中心にしていたが、グラム陰性菌の細胞壁には外膜があることから、十分な殺菌効果が得られるものではなかった。本発明は、抗菌酵素を新規にデザインすることにより、従来品を超える抗菌亜用を得るものである。

新技術の特徴

・既知の LPS 誘導ペプチドと既知グラム陰性菌に有効なエンドライシンの部分配列、既知の緑膿菌ファージのエンドライシンを融合させたものである。
・既存の抗菌酵素で達成できなかった抗菌活性を発揮できる。
・マウスにおける動物試験、並びに多剤耐性緑膿菌に対しても有効である。

想定される用途

・緑膿菌に対する抗菌剤
・薬剤耐性で問題となるグラム陰性桿菌に対する抗菌剤
・環境・施設あるいは医療現場における消毒剤

  • 13:00~13:25
  • 医療・福祉

3)iPSC由来ヒト軟骨前駆細胞を使用した形状型軟骨組織体の開発

発表資料 プレゼン動画

岡山大学 学術研究院医歯薬学域(医) 組織機能修復学 教授 宝田 剛志

http://regsci.mdps.okayama-u.ac.jp/

新技術の概要

軟骨組織が形成される発生過程を模倣し、iPS細胞から軟骨細胞への軟骨前駆細胞を規定することにより、高品質な分化誘導方法を確立した。特定のマーカーで品質管理しながら、軟骨前駆細胞を安定的に拡大増殖培養、継代培養、凍結保存ができる。さらに、立体的な形状軟骨組織体を創出でき、骨化の心配もない。

従来技術・競合技術との比較

シリコーンなどの異物の移植は感染や炎症が起こる危険があり、自家肋軟骨を用いれば感染や炎症の危険は少ないが、十分な量の軟骨を得ることが難しい。しかし、本技術は、軟骨前駆細胞を安定的に拡大増殖培養、継代培養、凍結保存することができ、骨化の心配なく立体的な形状軟骨組織体を創出可能である。

新技術の特徴

・安定的に拡大増殖培養、継代培養、凍結保存が可能な軟骨前駆細胞を提供することができる
・目的に応じて立体的な形状軟骨組織体を創出できる
・iPS細胞から軟骨細胞へ高品質な分化誘導が可能

想定される用途

・骨又は軟骨関連疾患の治療
・鼻や耳の形状を整える
・本来軟骨がない場所に埋め込んだ場合にも美容的効果を期待できる

関連情報

・サンプルあり

  • 13:30~13:55
  • 計測

4)CutA1を足場とした高度安定型多価化分子認識素子の開発

発表資料

岡山大学 学術研究院環境生命自然科学学域(工) 大学院自然科学研究科 応用化学専攻 助教 今中 洋行

https://www.okayama-u.ac.jp/user/bpe/

新技術の概要

固体基材上におけるバイオ分子間相互作用の高感度検出を可能とする簡便・迅速な測定システムの確立を目的に、構造が極めて安定な超好熱菌由来三量体タンパク質CutA1の改良開発を行った。

従来技術・競合技術との比較

生体分子認識素子は、抗体分子の活用が多く、これらは調製が困難でコストが非常に高く、構造安定性が低く、保存や利用に際し機能を失いやすい。我々は、基盤分子であるCutA1を改良開発し、これまでの課題を解決した。利用範囲を大幅に拡大した新しいバイオ分子間相互作用制御システムの技術基盤を確立した。

新技術の特徴

・分子間相互作用を効果的に再現可能(競合技術に優る精度の向上)
・バイオ分子間の相互作用をバイオ分子を安定に保持したまま測定可能(競合技術に優る応用範囲の向上)
・バイオ分子間の相互作用量の向上が可能(競合技術に優る検出量の向上)

想定される用途

・環境分野における多様で高感度なバイオセンサー(例えば特定の環境リスク因子測定技術としての開発)
・創薬や食品分野における多様で高感度なバイオセンサー(例えば創薬や食品に係るタンパク測定キットとしての開発)
・医療(診断)としてのバイオセンサー(例えばCOVID-19抗原検出など体外診断医薬品としての開発)

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 建築・土木

5)大スパンを実現する木材と鋼材とを組合わせた複合梁材とその継手構造

発表資料 プレゼン動画

岡山大学 学術研究院環境生命自然科学学域(工) 環境生命科学研究科 木質構造設計学 准教授(特任) 福本 晃治

https://soran.cc.okayama-u.ac.jp/html/00096eebcead5a9a2dfc967c90e0fcc1_ja.html

新技術の概要

縦長矩形の材軸直交断面を有する左右一対の木質材料と、T字形の材軸直交断面を有する上下一対の補剛鋼材とを組み合わせて構成される複合梁材である。補剛鋼材と木質材料は径12㎜程度の木ビスにより接合され、一体化される。また、継手接合部は鋼構造と同様の接合方式を採ることで従来の木質構造よりも大幅に高強度な接合接手を実現でき、梁材を運搬可能な程度の長さに分割し、工事現場で接合して長大な梁を構築することが可能となった。

従来技術・競合技術との比較

木造による大空間建築技術として、アーチ構造、トラス構造が知られている。前者は建物の形態や高さがアーチ形状によって規定されるため、フラットな屋根の建築には適さない。一方、後者は部材点数や接合箇所が多く、設計・施工が複雑になり、トラスの高さを高くしなければならないために余分な空間ができてしまうなどの欠点があった。本技術はそれらの欠点を解消する技術である。

新技術の特徴

・木質材のみからなる梁材と同程度の断面寸法で、曲げ剛性及び強度を大幅に増大させることができる。
・従来、木質材だけでは実現困難であった大スパンの架構や耐荷重の大きい架構を実現することが可能となる。
・木質材と鋼材との接合形態が単純であり、両者の接合はビス止めによるので、製造・加工も容易である。また、接合接手は従来の鋼構造と同様のものとし、高強度と施工性を両立。

想定される用途

・大スパン、大空間を要するスポーツ施設やアリーナを提供できる
・木質材のみからなる梁材と同程度の断面寸法で、曲げ剛性及び強度を大幅に増大させた複合梁材を提供できる
・各種建築物の躯体を構成する梁材のみならず、橋梁等の土木構造物にも応用できる

関連情報

・展示品あり

  • 14:30~14:55
  • 医療・福祉

6)新規間葉系幹細胞骨髄移植法の開発

発表資料 プレゼン動画

岡山大学 学術研究院医歯薬学域(歯) 口腔病理学 研究准教授 河合 穂高

http://www.okayama-u.ac.jp/user/oralpath/

新技術の概要

骨髄組織から骨髄由来間葉系幹細胞が分離されてなる組織再生用材料であって、レプチン受容体陽性細胞数が5.0×104以上を示す骨髄由来間葉系幹細胞を含む。こうして得られた骨髄由来間葉系幹細胞を含む組織再生用材料は、移植後の細胞の生着が良好であり、骨髄由来の骨・軟骨形成を誘導させることが可能となるため、再生医療の分野に特に適している。

従来技術・競合技術との比較

従来、間葉系幹細胞は、再生医療等の分野での利用が期待されているが、骨髄液に含まれる間葉系幹細胞は、その量が十分ではないため、臨床治療に用いる際には、十分に培養して増殖させる場合があった。本発明によれば、短時間で簡便な処理により、レプチン受容体陽性細胞数が豊富な骨髄由来間葉系幹細胞を含む組織再生用材料を提供することができる。

新技術の特徴

・0.5~1.5mg/mLのコラゲナーゼと0.5~1.5mg/mLのディスパーゼを含む緩衝液で骨髄組織を酵素処理して得られる。また、処理時間は37度10分間であり、手技が簡便である。
・レプチン受容体陽性細胞数が5.0×104以上を示す骨髄由来間葉系幹細胞を含む。
・本発明の組織再生用材料は、移植後の細胞の生着が良好であり、骨髄由来の骨・軟骨形成を誘導させることが可能となる。

想定される用途

・再生医療の分野に特に適している
・ヒト以外の哺乳動物に対しても好適に用いることができる
・実験用にも使うことができる

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

岡山大学 研究推進機構 知的財産本部
TEL:086-251-8417
Mail:chizai アットマークokayama-u.ac.jp
URL:https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top