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産業技術総合研究所 AIST Solutions 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2024年09月10日(火) 09:55~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、 AIST Solutions

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発表内容詳細

  • 09:55~10:00

開会挨拶

AIST Solutions シニアエキスパート 今井 文一

  • 10:00~10:25
  • 環境

1)微生物がPET原料製造廃水処理を助ける~2倍の効率化に成功~

産業技術総合研究所 生命工学領域 生物プロセス研究部門 微生物生態工学研究グループ 
主任研究員 黒田 恭平

新技術の概要

PET原料製造プロセスから排出される組成の異なるPTA製造廃水およびDMT製造廃水を混合することで処理過程で重要なメタン菌が活性化し、処理速度が高速化することを見出した。これら廃水処理の阻害物質分解を促進するための担体充填と、鍵微生物を狙い撃ちした栄養基質添加により処理速度を従来の2倍に向上させた。

従来技術・競合技術との比較

PET原料製造廃水の生物学的処理では、広大な敷設面積を要する活性汚泥法や、複数台の嫌気性処理設備を用いる処理技術が用いられてきたが、敷設面積コスト、運用コスト、環境負荷が大きいことが問題であった。廃水中の化学物質の分解を担う微生物機能が未解明であり、PET原料製造廃水処理の効率化技術の開発が困難であった。

新技術の特徴

・生物学的処理に必要な「微生物叢」を構成する個々の微生物種の機能を解明し、その制御技術を創出した
・処理速度が2倍になったことで、従来処理設備の2倍の廃水量に対して生物学的処理が可能となり、社会課題となっているPET原料廃水処理に伴う環境負荷を低減し、PET原料の生産量増大に対応することができるようになる
・性能が2倍になったことは環境負荷低減に貢献するのみならず、処理設備自体のダウンサイズを可能にし、廃水処理に係る導入・ランニングコストの低減につながる

想定される用途

・水処理メーカや化学メーカ等へ廃水処理等の技術供与を行い技術ライセンス料の収益を得る

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

  • 10:30~10:55
  • 環境

2)X線とAIで廃棄物中の電池を検出し、火災を防止

産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 環境創生研究部門 資源価値創生研究グループ 
主任研究員 上田 高生

新技術の概要

近年大きな問題となっているリサイクル施設での電池の誤破砕に起因する火災を防止するため、透過X線撮影とAI(深層学習)検出プログラムの組み合わせにより、電池を自動検出する技術。”高い精度で見落とし少なく”電池を自動検出できるようになる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術として、リサイクル施設では、作業員が手作業により廃棄物中の電池を探しており、精度・速度・コストの課題が大きかった。
競合技術として、X線とAIによる電池検出技術の開発が進められているが、プラスチックごみからの検出はある程度できる一方で、不燃ごみからの検出は困難とされている。

新技術の特徴

・一般的なAI検出の特徴である、精度(適合率、Precision)と網羅性(再現率、Recall)のトレードオフ関係を改善
・AI学習用の教師データを自動作成

想定される用途

・リサイクル施設での廃棄物に紛れた電池(及び危険物)の自動検出
・空港などの保安検査でのX線装置により危険物の自動検出
・製造ラインにおけるX線装置による自動検品

関連情報

・デモあり
・展示品あり

  • 11:00~11:25
  • 材料

3)革新的な蓄電池実現に向けたグラファイト層間化合物のNa触媒法による製造

産業技術総合研究所 エレクトロニクス・製造領域 電子光基礎技術研究部門
超伝導エレクトロニクスグループ 上級主任研究員 伊豫 彰

新技術の概要

アルカリ(土類)金属などをインターカレートしたグラファイト層間化合物(GIC)には様々な応用が期待されるものの、実用的な合成法は無かった。Naを触媒として用いることにより、GICの簡便・高速・大量合成を可能とする革新的な手法を開発した。各種イオン電池の電極活物質などへGICの応用展開が期待される。

従来技術・競合技術との比較

ドナー型グラファイト層間化合物(GIC)は、これまで気相法や溶融塩法などで合成されてきたものの、GICの大量・高速製造には不向きであった。Naを触媒として利用することで、従来法に比べGICの製造効率を格段に上げることに成功した。

新技術の特徴

・Naがドナー型GICの生成に触媒として機能することを発見
・GIC原料と触媒Naを混ぜるだけでアルカリ金属GICが製造可能
・アルカリ土類金属(ランタノイド)GICもNa触媒法により簡便に製造可能

想定される用途

・一価(リチウム, カリウムなど)イオン電池の負極活物質
・多価(カルシウムなど)イオン電池の負極活物質
・水素吸蔵材料

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり

  • 11:30~11:55
  • アグリ・バイオ

4)水産物の鮮度を5分で判定 -JAS準拠の試験紙と温度の新管理技術で輸出力を強化-

産業技術総合研究所 生命工学領域 健康医工学研究部門 バイオセンシング研究グループ 
上級主任研究員 渕脇 雄介

新技術の概要

魚類の鮮度を科学的に評価する迅速鮮度センサー(試験紙)を開発した。JAS0023(HPLC)に基づくK値の測定が可能で、約5分で結果が出る。この技術は日本産鮮魚のブランド価値と輸出競争力の向上に寄与する。また、適切な温度管理を可能にするダミー氷も開発され、鮮度保持の課題を解決する。

従来技術・競合技術との比較

本迅速鮮度センサーは、従来のHPLCと比べて試験時間が約5分と短く、精度も相関性0.9以上を実証。従来の目利き人材に依存する鮮度管理は主観的でばらつきが大きかったのに対して、科学的かつ簡便に行え、輸出競争力向上に貢献する。さらにコールド物流の温度管理もダミー氷で可能にした。

新技術の特徴

・迅速測定:魚肉の切り身を抽出液に浸して約5分で鮮度(K値)を測定。従来のHPLCより大幅に時間を短縮。
・高精度:JAS0023『魚類の鮮度(K値)試験法-HPLC』との相関性が0.9以上。目利き人材に頼らず、科学的に鮮度管理が可能。
・温度管理強化:新開発のダミー氷で発泡スチロール内を0℃~-2℃に保ち、鮮度維持を強化。魚などが生食可能で凍らない温度モニタリングも実現。

想定される用途

・コールドチェーン物流:鮮魚の輸送中に迅速に鮮度を測定し、品質管理を強化
・養殖産業:出荷前の鮮度確認により、高品質な魚を市場に供給
・輸出業者:国際市場での信頼性を向上させ、日本産鮮魚のブランド価値を高める

関連情報

・デモあり
・展示品あり

  • 13:00~13:25
  • 環境

5)有害物質を高価な試薬を使わず迅速・簡便に測る

産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 環境創生研究部門 環境計測技術研究グループ 
上級主任研究員  中里 哲也

新技術の概要

有害物質のシアン含む水中の窒素・炭素含有化合物を高価な発色試薬や装置を使わずに安価・迅速・簡便に測定する方法。紫外光光反応により試薬を使わずに化合物の化学形態を変換し、吸光光度計等の安価な装置で測定する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は発色試薬を用いて吸光光度分析や蛍光分析を行うか、または貴金属電極を用いた電気化学検出法や質量分析法等により測定しているが、高価な試薬や装置が必要で、かつ操作も煩雑となる。一方、本提案技術はこれらの試薬や装置が不要となるため安価・迅速・簡便な測定が実現できる。

新技術の特徴

・高価な試薬や装置が不要
・不安定な発色試薬が不要のため測定が安定化し、保守負担も低減

想定される用途

・水質分析装置、水質分析サービス
・環境水、水道水、飲料水、工業用水、工場排水の水質管理
・化学、食品等の様々な産業分野での化学物質管理

  • 13:30~13:55
  • 医療・福祉

6)動物実験を代替する生体模倣マイクロチップ

産業技術総合研究所 生命工学領域 生命工学領域研究企画室
先端フォトニクス・バイオセンシングオープンイノベーションラボラトリ 副ラボ長 藤田 聡史

新技術の概要

本技術は、動物実験を代替し、各臓器の薬効/毒性評価を可能する「マイクロ流路チップ」に関するものである。血液脳関門(BBB)をモデルとして、チップ流路内の表面張力と摩擦力の制御により、作製時の歩留まりが高く、視認性に優れたチップ作製に成功した。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、国際的には生体模倣システム(MPS)として知られ、既存MPSと比較して、組織作製の「歩留まりが高い」、組織境界の「視認性が良い」という優れた特徴を持つ。MPSは、創薬開発時の動物実験代替技術として、2030年には7億2,143万ドルに達すると考えられ、今後の市場拡大が期待できる。

新技術の特徴

・表面張力と摩擦力を高めた流路構造をチップ内に導入する事で、低粘度液体~高粘度ゲルまで、様々な粘度液体の利用が可能である
・顕微鏡による組織同士の境界部分の視認性に優れている
・作製時の失敗が少なく、歩留まりが高い

想定される用途

・血液脳関門の薬剤透過性の評価
・小腸や肝臓の薬剤吸収性能や代謝能の評価
・腎臓の薬剤排泄能の評価

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 14:00~14:25
  • デバイス・装置

7)低濃度ガスやニオイの常時モニタリング~糖尿病の早期発見に向けて~

産業技術総合研究所 材料・化学領域 極限機能材料研究部門 電子セラミックスグループ  
研究グループ長 増田 佳丈

新技術の概要

酸化亜鉛のベルト形状を有する多孔質構造体に関する発明。また、これを使ったガスセンサに関する発明。アセトンに対して、低濃度まで検出可能で、検出下限が73pptである。酸化物を使ったガスセンサでこれまで低濃度で検出できるのは珍しい。

従来技術・競合技術との比較

低濃度のガスやニオイの検知ニーズが高まっている。例えば、糖尿病の早期発見に向けて、低濃度アセトンガスの検知が求められている。本技術では、従来、検知が困難であった低濃度アセトンの検知を実現した。他のガスやニオイにも適用可能である。長期モニタリングが可能な半導体式ガスセンサを用いている。

新技術の特徴

・糖尿病との相関があるアセトンガスの検知を実現
・様々なガスやニオイに適用可能
・多孔質セラミックス膜コーティング技術を利用

想定される用途

・低濃度アセトン検知
・大気・室内・工場・食品・モビリティ・生体等のガスやニオイのモニタリング
・プラスチックフィルムや金属微細部品等への多孔質セラミックス膜コーティング

関連情報

・サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • 計測

8)超高速周波数カウンタを実現する周波数/位相算出アルゴリズム

産業技術総合研究所 計量標準総合センター 分析計測標準研究部門 音波振動標準研究グループ  主任研究員 穀山 渉

新技術の概要

本技術は、電気信号の周波数や位相を高速に計算できるアルゴリズムです。まず電気信号をA/D変換し、そのゼロクロス点を利用した独自の算出式により、信号位相を算出します。その位相を時間微分することで周波数に変換します。計算負荷が小さいので、FPGA等でのリアルタイム処理に適しています。

従来技術・競合技術との比較

本技術の核は、高速な位相算出です。従来の位相算出技術は基準正弦波信号との掛け算に基づいていますが、本技術ではゼロクロス点のみに基づいています。この違いにより、高速な周波数カウンタが実現でき、分解能も向上します。また、従来難しかった矩形波の精密位相計測も可能となります。

新技術の特徴

・1 μs 以下の周期で計測できる高速な周波数カウンタが実現できます
・1 s 周期の計測でも、市販品を2桁上回る高分解能の周波数カウンタが実現できます
・1 kHz の 矩形波の位相を 10^-8 rad の精度で計測可能になります

想定される用途

・水晶振動子等の周波数出力センサの超高速読み出し装置
・光ビート信号の読み出し装置、その応用製品
・大きな周波数変調や周波数スイープ等を正確に読み取る装置

関連情報

・デモあり

  • 15:00~15:25
  • 製造技術

9)化学品生産におけるCO2排出量を最小化する溶媒選択シミュレーション

産業技術総合研究所 材料・化学領域 化学プロセス研究部門 化学システムグループ 
主任研究員 山木 雄大

新技術の概要

本技術は、合成反応の収率のみならず環境面や消費エネルギー、コスト面から最適な溶媒を選択できる方法です。反応開発における溶媒選択をプロセス合成を通して、抽出や溶媒のリサイクルプロセスまでシミュレーションを行い、化学品生産プロセス全体でCO2排出量とコストが最小になる溶媒を特定できます。

従来技術・競合技術との比較

溶媒は化学品生産においては様々な用途で多量に使用されています。これまでは、合成反応で反応収率の一番良い溶媒が選ばれています。しかしながら、合成反応に最適と選択した溶媒が、抽出やリサイクルプロセスの性能が悪い場合には、化学品生産プロセス全体のCO2排出量とコストの観点では最適でないことがあります。

新技術の特徴

・溶媒の視点から化学品生産プロセスのCO2排出量とコストを評価
・合成反応の収率だけでなく抽出や溶媒のリサイクルプロセスまでシミュレーション
・溶媒の組み合わせに適したリサイクルプロセスを設計して評価

想定される用途

・機能性化学品等の研究初期段階での溶媒選択の支援
・循環型の化学品生産に向けた反応開発や触媒開発の指針
・グリーンな溶媒の製造方法開発の支援

関連情報

・デモあり

  • 15:30~15:55
  • 環境

10)生分解性プラスチックの分解タイミングを光で制御

産業技術総合研究所 生命工学領域 バイオメディカル研究部門 生体分子創製研究グループ 
研究員 日野 彰大

新技術の概要

光増感剤を生分解性プラスチックと複合化することで、光曝露条件下では発生する一重項酸素の抗菌力によって分解が抑制される技術を開発した。光が当たらない環境では速やかに分解することから、光によって生分解速度をスイッチングすることが可能である。

従来技術・競合技術との比較

生分解性材料の分解スピードを制御することは可能であっても、そのタイミングを制御する例は極めて少ない。本技術によって、低コストかつ簡便に耐久性と分解性を両立した「オンデマンド分解型」生分解性材料としての活用が期待できる。

新技術の特徴

・光が当たる環境下で生分解性を抑制することが可能
・既存の生分解性プラスチックに適用可能
・「使用中の耐久性」と「使用後の生分解性」を両立可能

想定される用途

・農業用マルチや被覆肥料などの農業用途
・魚網などの漁業用途

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

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