同志社大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年02月25日(火) 13:25~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、同志社大学
<お申込み方法・聴講方法>
聴講をご希望される方は、「説明会のお申込みはこちら」よりお申込みください。
申込受付:開催日前日まで
・お申込み完了後、マイページが設定され「事前登録完了のお知らせ」が届きます。
・メールに従いログインIDとパスワードでマイページへのアクセスをご確認ください。
・開催日前日にマイページより聴講用URLをご案内いたします。
・当日はマイページよりご聴講いただけます。
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:25~13:30
開会挨拶
同志社大学 リエゾンオフィス 所長 宮本 博之
- 13:30~13:55
- 創薬
1)Aβの産生ならびに凝集を共に抑制する多価型ペプチドの開発
同志社大学 生命医科学部 医生命システム学科 教授 西川 喜代孝
新技術の概要
アルツハイマー病(AD)は、Aβが脳内で長期に渡り異常蓄積・凝集することで発症する。Aβは凝集しやすい性質を持つことに着目し、その産生ならびに凝集を共に阻害する4価型ペプチド、LME-tetを創製した。LME-tet はADモデルマウスにおいて脳内Aβの産生および蓄積を抑制する。
従来技術・競合技術との比較
LME-tet はAβ 産生に関わる酵素(β-およびγ-セクレターゼ)に結合せず、基質(Aβ 前駆体タンパクAPP)に結合し、Aβ 産生を抑制する。このため従来型の酵素阻害による副作用の発現の懸念がない。また、LME-tetは従来の凝集阻害剤では見られない高い凝集阻害活性を示す。
新技術の特徴
・LME-tetは4価型ペプチドを独自の技術でスクリーニングすることで得られたものであり、従来の化合物スクリーニング技術では同定できない
・LME-tetは基質であるAPPに結合することでβ-セクレターゼ活性を阻害する
・LME-tetはAβに結合し、高いAβ凝集阻害活性を示す
想定される用途
・ADの予防ならびに治療
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- 創薬
2)コレステロールエステル化酵素を標的とした抗がん薬
同志社大学 生命医科学部 医生命システム学科 教授 浦野 泰臣
新技術の概要
Acyl-CoA:cholesterol acyltransferase 1(ACAT1)の阻害がメラノーマ、胆管がん、舌がん、食道がんのがん細胞の増殖を抑制すること、担癌マウスを用いた動物実験においてもメラノーマ細胞の腫瘍形成抑制効果を確認し、ACAT阻害剤が抗がん剤として応用可能であることを明らかにした。
従来技術・競合技術との比較
ACAT1を標的とした新規な作用機序を持つがん治療薬になりうる。また、ACAT1ノックアウトマウスは劇的な表現型は示さずほぼ正常であることから、ACATの機能阻害による副作用は少ないと期待される。
新技術の特徴
・ACAT阻害剤は動脈硬化治療薬として臨床開発が進められ、多くの非臨床や臨床試験のデータが蓄積されていることから、ドラッグリポジショニングとしての開発が期待される
・既存の抗がん剤とは異なる作用機序であり、ACAT1の発現が亢進した癌に対して治療の選択肢が拡がる
想定される用途
・抗がん剤
- 14:30~14:55
- 材料
3)抗血栓性と基材密着性を有する非イオン性高分子
同志社大学 理工学部 機能分子・生命化学科 助教 西村 慎之介
新技術の概要
本技術は、良好な抗血栓性と基材密着性を併せ持つα炭素修飾ピロリドン環を有する(メタ)アクリレートポリマーを提供するものである。非イオン性かつ非水溶性であるため、血液接触型デバイスをはじめとする医療機器の物理コーティング剤としての応用が期待できる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術であるポリ(2-メトキシエチルアクリレート)(PMEA)をはじめとする抗血栓性コーティング剤は親水性が高いため無機基材に対する密着性が低く、使用可能な基材が限定的である。一方本技術は、ピロリドン環の炭素に各種置換基を導入すること等で、抗血栓性と非水溶性、ならびに基材密着性の両立を可能とする。
新技術の特徴
・従来の材料と比較して疎水的な高分子を調製できる
・抗血栓性と基材密着性を両立できる
・側鎖置換基の構造に基づき水との親和性 (水和状態) を調節できる
想定される用途
・血液接触型医療機器用コーティング剤
・非イオン性アンチファウリングコーティング剤
・表面改質剤
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- 材料
4)安価で作成容易な"やわらかい"圧電材料
同志社大学 理工学部 機能分子・生命化学科 教授 遠藤 太佳嗣
新技術の概要
市販されている2種類の高分子を混ぜ合わせてコロナ帯電させることで、片側の電荷を長期間保持する圧電材料を開発した。この材料は、非常に高い柔軟性を持ち、液体のように自在な変形性を有する。ウェアラブルな圧電素子やアクチュエータなどへの適用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
従来の圧電材料は、ほとんどが固体で、極めて柔軟性に乏しかった。ごく最近、液体的な圧電材料もわずかに報告されているが、これにはコストがかかる高度な合成技術が必要であった。本技術は、市販品を用い、簡便な方法で作成できるため低コストで液体のような柔軟性を持つ圧電材料を実現している。
新技術の特徴
・液体のように柔らかい圧電材料
・安価で作成容易
想定される用途
・ウェアラブルな圧電素子
・アクチュエータ
関連情報
・サンプルあり
- 15:30~15:55
- 製造技術
5)多核銅錯体が触媒するメタン酸化
同志社大学 理工学部 機能分子・生命化学科 教授 小寺 政人
新技術の概要
メタンは天然ガスやメタンハイドレートに含まれるガス状アルカンであり、日本近海に大量に埋蔵されているために、未来の燃料や炭素資源として注目されている。
石油資源の枯渇に伴いメタンを炭素源として有機化合物に変換する試みが注目されている。しかし、メタンはアルカンの中で最も強いC-H結合をもち、これを選択的にメタノールに変換するのは困難なプロセスであり、未開発の状態である。本研究では六核銅錯体を合成し、これを触媒として用いて過酸化水素によるメタン酸化による選択的メタノール生産に成功した。
従来技術・競合技術との比較
合成ガスを経由するメタンからメタノールへの変換は莫大なエネルギーを要し、環境負荷などの問題がある。従って、環境に適合した反応による比較的穏和な条件でのメタンの直接酸化法の開発が望まれている。自然界ではメタン資化性菌のメタンモノオキシゲナーゼ(MMO)がメタンからメタノールへの変換を触媒している。我々が開発した三核銅錯体はMMOの酸化活性種に類似した構造を持ち、実用的なメタン酸化触媒の開発に向けて新たな発想を与えることができる。
新技術の特徴
・メタン等のガス状アルカンを効率よく直接酸化してアルコールに変換する多核銅錯体触媒の開発
・温和な条件下でメタンからメタノールへ効率よく直接酸化する方法
想定される用途
・アルカンの酸化反応の触媒としての利用
・特に、メタンを直接酸化することによるメタノールの効率の良い製造
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
同志社大学 リエゾンオフィス
TEL:0774-65-6223
Mail:jt-liais mail.doshisha.ac.jp
URL:https://rd.doshisha.ac.jp/rd/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp