JST研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)①~ICT、電子デバイス、ものづくり、アグリ・バイオ~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年02月20日(木) 12:55~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 12:55~13:00
開催挨拶
科学技術振興機構 スタートアップ・技術移転推進部 参事役 平尾 孝憲
- 13:00~13:25
- デバイス・装置
1)超低電圧で発光する青色有機ELの開発
東京科学大学 総合研究院 フロンティア材料研究所 准教授 伊澤 誠一郎
新技術の概要
テレビやスマートフォンディスプレイなどで実用化されている有機EL技術の中で最も難しい青色発光に関して、発表者らは乾電池1本という世界最小電圧で発光する素子を開発した。これはディスプレイ素子の省エネルギー化につながる技術である。
従来技術・競合技術との比較
通常の有機ELでは青色を光らせるためには一般的に4 V程度以上の電圧を印加する必要がある。他の発光メカニズムと比較して、不安定な励起状態を使わないため、素子安定性が向上する可能性がある。
新技術の特徴
・乾電池1本、つまり世界最小電圧の1.5 Vでの青色発光が可能
・従来の素子と比較して、省エネルギー化、長寿命化につながる可能性がある
・本技術の発光原理を応用すると、目に見えない近赤外光を可視光に変換する薄膜を作ることも可能
想定される用途
・スマートフォンディスプレイ
・テレビ
・簡便な表示、照明素子
関連情報
デモあり
- 13:30~13:55
- 情報
2)会議の見える化:発言の可視化による会議動画の検索・ピンポイント再生
京都大学 大学院情報学研究科 情報学専攻 教授 河原 達也
新技術の概要
地方議会のYouTube配信動画に対して、音声認識による映像と発言テキストの対応付けと画像・音響のマルチモーダル解析を行い、審議映像を地域横断的に検索・再生できるインタフェースを構築した。利用者がYouTube動画のチャネル名を入力するだけで、自動的に音声データを抽出し、音声認識による発言と映像の同期情報(タイムスタンプ)を作成し、画像・音響情報も活用することで、発言者や審議過程の特徴と関連づける。また、審議内容をキーワード一覧とワードクラウドとして視覚化することで、キーワードをクリックするだけで、当該発言箇所の審議映像がピンポイントで再生できる。
従来技術・競合技術との比較
YouTubeなどの通常の動画視聴インタフェースでは、検索単語に基づいたピンポイント再生ができない。
通常の音声認識システムでは方言や固有名詞に対応できない。
新技術の特徴
・会議などの長時間動画の効率的な視聴・検索インタフェース
・音声認識システムの地域対応
想定される用途
・地方議会動画配信プラットフォーム
・会議の録音・録画アーカイブの検索
関連情報
デモあり
- 14:00~14:25
- 材料
3)水蒸気を利用した軽金属材料の高機能化
芝浦工業大学 工学部 教授 石崎 貴裕
新技術の概要
水蒸気を利用したプロセスにより、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属材料の強度と耐食性を同時に向上させる技術を開発した。本プロセスは、水のみで処理可能なため、低環境負荷かつ低コストである。
従来技術・競合技術との比較
従来の表面処理技術である化成処理や陽極酸化処理と比較して、耐食性は同等以上、処理コストは安く、処理工程も少ない。また、環境負荷は、薬品を使用せず処理可能なため、従来技術よりも低い。さらに、水蒸気処理により、特定の合金に関しては、基材の強度向上も同時に実現可能であり、この点に大きなアドバンテージがある。
新技術の特徴
・低環境負荷で高耐食性皮膜を形成可能
・特定の合金に対して、その合金の高強度化も実現可能
・少ない処理工程
想定される用途
・自動車部材
・建材
・熱交換器等
関連情報
サンプルあり
- 14:30~14:55
- デバイス・装置
4)半導体技術による次世代超低侵襲脳計測デバイス
豊橋技術科学大学 次世代半導体・センサ科学研究所 教授 河野 剛士
新技術の概要
半導体結晶成長技術の一つであるVLS法を用いて、直径5 µm以下の極微細電極を開発した。この技術は、現在世界最小の電極として位置付けられ、これまで課題とされていた侵襲性の低減や長期安定計測の実現に貢献する。本技術により,身体機能を補完するBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)や脳治療デバイス応用の市場の開拓が期待できる。また、これらの応用に向け、電極デバイスの無線化も進めている。
従来技術・競合技術との比較
脳計測用の電極デバイスとしては、既に市販されているが、いずれも侵襲性に伴う組織損傷や長期安定計測に課題があった。本研究で開発した電極デバイスは、独自の半導体結晶成長法を用いて直径が5 µm以下の微細な電極を実現しており、これら既存技術の課題を解決する可能性を有している。
新技術の特徴
・低い侵襲性による脳計測技術
・高い時空間分解能による脳信号計測
・半導体技術によるデバイス量産技術
想定される用途
・BMI(ブレイン・マシン・インタフェース,身体補完装置)
・脳治療デバイス
・脳・神経科学基礎研究用ツール
関連情報
サンプルあり
- 15:00~15:25
- アグリ・バイオ
5)アブラナ科植物の種子サイズおよび自殖稔性の操作技術の開発
奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域 助教 和田 七夕子
新技術の概要
油脂作物であるナタネはアブラナ科植物であり、その収量向上はカーボンニュートラルの実現に向けて需要が高まっている。発表者は、アブラナ科植物の種子サイズと、自殖性と他殖性を自在に操作する技術を開発した。これによる収量向上と、画期的な育種法の確立および新品種育成が可能となることが期待される。
従来技術・競合技術との比較
主な油脂作物であるセイヨウナタネについて、遺伝子組換えやF1ハイブリッド法などの育種法により収量向上をうたった品種が確立されている。これまでの技術は、病害耐性や裂莢性を操作したものであり、本技術が可能とした収量自体の操作は実現していなかった。また、本技術は新たなF1ハイブリッド法の確立も可能とする。
新技術の特徴
・アブラナ科植物の種子サイズの増大または低減
・アブラナ科植物の自家受粉と他家受粉の操作
・これらを活用した新育種法、新品種の開発
想定される用途
・バイオ燃料作物の新育種法確立
・油脂作物の新育種法確立
・種子サイズ、自家受粉・他家受粉の操作
- 15:30~15:55
- 創薬
6)革新的な核酸送達用ナノテクノロジーの開発
愛知工業大学 工学部 応用化学科バイオ環境化学専攻 講師 宮本 寛子
新技術の概要
本技術は核酸のみで形成されるナノ構造体を利用して新しい核酸導入技術を開発した。ライフサイエンスの研究では、核酸を細胞に導入することで機能を理解し、また制御することで新たな価値を見出している。これまで、脂質を用いたリポソーム試薬による核酸導入が利用されてきたが、免疫細胞や神経細胞への導入が難しいことが課題であった。本技術が導入が困難な細胞への新規導入アプローチとなることを期待する。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、リポソームに変わる核酸導入の新規手法としての可能性を秘めている。また研究試薬だけではなく、抗腫瘍治療核酸医薬のDDSとしても利用できる。これまでinvitro/in vivoでの核酸医薬用DDSとしての有用性を実証してきた。試薬開発や創薬の協業等、ご興味がある方はぜひお声掛けください。
新技術の特徴
・AS-ODN、siRNA、miRNAの腫瘍集積
・癌治療薬(核酸医薬抗がん剤)
・核酸ナノ粒子
想定される用途
・核酸医薬送達プラットフォーム
・in vitro トランスフェクション試薬
・in vivo トランスフェクション試薬
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