東北大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年07月09日(火) 10:00~14:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、東北大学
協力:株式会社東北テクノアーチ
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- アグリ・バイオ
1)ヒトと動物の健康を守るポストイムノバイオティクス
発表資料東北大学 大学院農学研究科 生物生産科学専攻・動物食品機能学分野 教授 北澤 春樹
新技術の概要
ウイルス及び病原性細菌の単独あるいは複合感染において、効果的に抗ウイルス効果を発揮するプロバイオティクス、特に、ヒトや動物において腸管粘膜など粘膜免疫調節作用を有するイムノバイオティクス乳酸菌を有効成分として含有する抗ウイルス剤を提供する。
従来技術・競合技術との比較
抗ウイルス性イムノバイオティクス乳酸菌の選抜・評価において、例えば、家畜の宿主に対応した細胞による評価系が充実していなかったため、的確な評価が困難であった。
新技術の特徴
・抗ウイルス効果を有するイムノバイオティクス乳酸菌のスクリーニング法
・抗ウイルス効果を発揮するイムノバイオティクス乳酸菌
・イムノバイオティクス乳酸菌の抗ウイルス免疫調節機構
想定される用途
・抗ウイルス性イムノバイオティクスのスクリーニング法
・機能性飼料素材
・機能性食品素材
- 10:30~10:55
- 計測
東北大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 准教授 山本 剛
新技術の概要
本法は、固体材料の共鳴振動現象を利用した超音波共鳴法を用いて、3次元・複雑構造・力学的異方性を有する材料の独立弾性定数を簡易に計測するものである。任意の弾性定数を入力値に用いて共鳴振動解析を行い、振動実験から得られる共鳴振動数と各振動モードが解析結果と一致する入力弾性定数を逆解析的に求めるものである。
従来技術・競合技術との比較
従来の機械的試験法による3次元・複雑構造・力学的異方性材料の弾性定数計測は、試料の加工に加えて複数の試験法を用いる必要がある。本法は、実試料の3次元形状測定による解析モデルの自動生成と振動モードマッチング技術により、短時間で、機械的試験法で測定される弾性定数の標準偏差に収まる測定精度を有している。
新技術の特徴
・一度の振動実験と振動解析で9つの独立弾性定数を計測
・金属材料・セラミックス材料・複合材料などにも適用可能
・材料内部欠陥の新しい欠陥探傷方法への発展性
想定される用途
・弾性定数の測定が困難な製品・材料への適用
・製品・材料の品質評価、設計
・新規開発材料の基礎特性評価
- 11:00~11:25
- 計測
東北大学 大学院工学研究科 ファインメカニクス専攻 准教授 松隈 啓
新技術の概要
広波長帯域光源を用いた角度センサに対して、用いられる回折格子の格子定数や検出器の設置誤差などを外部の測定器なしで決定する方法を開発した。本手法は上位の参照基準が不要となる方法であり、光周波数コムを用いた測定とも相性が良い。
従来技術・競合技術との比較
広波長帯域光源を用いた角度センサでは、光周波数コムのような周波数高精度光源を用いても、用いている回折格子の格子定数を既知として、検出器の設置誤差もないものとして測定を行っていた。
新技術の特徴
・移動ステージやロータリエンコーダなどの校正に用いることができる正確な角度計測が可能
・エンコーダなどに用いる回折格子定数の10ピコメートルレベルの決定が可能
・原子時計と光周波数コムを組み合わせた角度計測に適用することで、研究室内で外部標準の不要な校正された角度計測系が構築可能
想定される用途
・精密ステージの真直度誤差測定
・回転運動や物体形状の光学測定
・分光器やエンコーダなどの回折格子を用いる機器の校正
関連情報
・展示品あり
- 11:30~11:55
- 材料
4)量産が容易な多孔質アモルファスシリコン
発表資料東北大学 金属材料研究所 結晶材料化学研究部門 准教授 岡田 純平
新技術の概要
リチウムイオン電池の負極材料として多孔質アモルファスシリコン(Si)が高い性能を示すことが知られている。特に、現在普及している液系電池だけでなく、固体電池の負極材として多孔質アモルファスSiが有望と考えられている。今回、ガスアトマイズ法と簡単な化学プロセスを組み合わせ多孔質アモルファスSiを作ることに成功した。
従来技術・競合技術との比較
これまでアモルファスSiは気相成長法を用いて作製されてきた。気相成長法は、薄膜材料の作製に適しているが、電池の負極材のようなバルク材の量産に適さない。ガスアトマイズ法は粉末状の材料の生産に広く用いられている。今回の技術を適用することにより、多孔質アモルファスSiを容易に量産できる。
新技術の特徴
・多様なサイズの空隙(10nm~1μm)を有するアモルファスSi
想定される用途
・固体リチウムイオン電池の負極材料
・液体リチウムイオン電池の負極材料
関連情報
・サンプルあり
- 13:00~13:25
- アグリ・バイオ
東北大学 未来科学技術共同研究センター 特任教授 高橋 正好
新技術の概要
ナノバブル技術には従来の洗浄と異なる革新的な機能が期待できる。純水に微量の無機イオンを加えることで、長期間安定したナノバブルの製造に成功した。ナノセルとも呼ぶことができる10nmレベルの分散微粒子である。新しいナノバブルについて、医療やバイオ、農業分野での応用の可能性を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来のファインバブルはシャワー洗浄などで注目されているが、その具体的な機能は依然として謎に包まれている。一方、東北大学では10nmレベルのナノバブル(ナノシェル)の製造とその測定に成功した。これらは単なる洗浄効果を凌駕しており、生体や植物に対する広範な機能を有している。
新技術の特徴
・10nmレベルのナノ粒子(量子ドット)的な存在である
・分散剤を必要とせずに長期に安定している(凝集しない)
・生体や植物に対して安全でありながら特異な機能を発揮する
想定される用途
・医療・衛生分野
・バイオ技術
・アグリ&アクアカルチャー
関連情報
・サンプルあり
- 13:30~13:55
- 情報
6)地表面画像と高さ情報の合成・洋上浮遊物の空間情報抽出
発表資料東北大学 大学院農学研究科 生物生産科学専攻 准教授 米澤 千夏
新技術の概要
【地表面画像と高さ情報の合成】
航空機、ドローンなどをプラットフォームとして地表面を撮像した画像に、高さ情報を付加する。オルソ画像(正射画像)に、地表面高さの画像を重ね合わせ、一枚の画像として合成する。
【洋上浮遊物の空間情報抽出】
洋上浮遊物の大きさ、数量、位置情報等の空間情報を、人工衛星による観測画像から高い精度で抽出する。
従来技術・競合技術との比較
【地表面画像と高さ情報の合成】
これまでに提案されているDSM(数値表層モデル)画像のみを用いた物体検出方法よりも、効率よく対象物を抽出できる。
【洋上浮遊物の空間情報抽出】
解析の時間削減とコンピュータの処理能力を抑えることが可能である。
新技術の特徴
・画像の機械学習による判別での精度向上(地表面画像と高さ情報の合成)
・フリーソフト等で処理可能(地表面画像と高さ情報の合成)
・解像度の異なる波長帯データを使用(洋上浮遊物の空間情報抽出)
想定される用途
・植生(屋敷林や公園の樹木や植栽)の把握、維持管理(地表面画像と高さ情報の合成)
・災害時の倒木などの調査(地表面画像と高さ情報の合成)
・養殖漁具や船舶の管理、漂流物の検知(洋上浮遊物の空間情報抽出)
- 14:00~14:25
- 建築・土木
東北大学 大学院工学研究科 都市・建築学専攻 准教授 西脇 智哉
新技術の概要
寒中期あるいは暑中期にコンクリート工事を行うには適切な措置を必要であり、その適用期間は指針類で定められている。本技術は、指針類で定められた条件に合う期間を、日本全国を網羅する地図上で視覚的に検索可能なシステムである。
従来技術・競合技術との比較
従来は指針類に例示される代表的な都市での適用期間からの類推や、最寄りの気象観測所の観測データからの算定により措置が必要な期間を定めていたが、本技術は地図上で約1km2を単位メッシュとして視覚的に検索可能なシステムを提供している。
新技術の特徴
・日本全国を網羅した詳細な気象解析データを用いて、コンクリート工事に対策が必要となる期間を詳細に示すデータを提供している
・詳細な気象データは、GISを活用して地図上に格納して可視化しているため、タブレットなどの端末上で容易に対策が必要な期間を視覚的に検索できる
想定される用途
・建築工事の計画段階において、個別の建築現場の地図情報からコンクリート工事期間の対策の要否を判定する
・個別の建築現場において、工程計画・管理の段階でコンクリート工事の対策の要否を判定する
関連情報
・デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
東北大学 産学連携機構
TEL:022-795-5275
Mail:sangaku-suishin grp.tohoku.ac.jp
URL:https://www.rpip.tohoku.ac.jp/jp/aboutus/form/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp