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東京理科大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2024年11月07日(木) 10:00~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東京理科大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • デバイス・装置

1)目に見えない光を利用した材料や食品などの深部組成や異物の見える化

東京理科大学 創域理工学部 機械航空宇宙工学科 教授 竹村 裕

新技術の概要

分光画像技術は、材料や食品などの深部組成や異物を可視化することができ、工場での工程管理や品質管理など、産業界にも広く実用化されている。この技術を可視光域から近赤外領域までの波長域に拡張し、計測範囲の広範囲化のみならず、ボアスコープやファイバースコープを利用した狭所での計測が可能な内視鏡を開発した。

従来技術・競合技術との比較

目に見えない光・近赤外領域では、レンズの色収差補正を実現することが非常に難しい技術ではあるが、我々は世界で初めて近赤外ハイパースペクトラルイメージング内視鏡を開発した。超音波エコー画像などに比べて高解像度な画像化が可能である。

新技術の特徴

・材料や食品などの深部組成や異物を可視化
・広波長域(490nm~1600nm)+広範囲(数μm~数メートル)での非破壊検査
・AI技術やロボット技術との融合により拡張可能

想定される用途

・材料や食品の異物計測
・複合材料製品の非破壊検査
・配管内の非破壊検査

関連情報

デモあり
展示品あり

  • 10:30~10:55
  • アグリ・バイオ

2)CRISPRに依存しない真菌における非遺伝子組換え型ゲノム編集

東京理科大学 創域理工学部 生命生物科学科 教授 鎌倉 高志

新技術の概要

CRISPRシステムを用いたゲノム編集は様々な研究分野において利用されている。一方で産業利用においては高額かつ複数のライセンス契約が問題となることもあり、真菌においては非遺伝子組換え型でのゲノム編集が困難な場合もある。新技術はこれらの問題を解決するための自律複製ベクターやゲノム編集ツールを提供する。

従来技術・競合技術との比較

一部の真菌では自律複製ベクターの利用が可能であるが、より広い生物種に利用可能な自律複製配列を提供することができ、複雑なライセンス契約を回避した非遺伝子組換え型のゲノム編集の実施が可能である。

新技術の特徴

・広く利用可能な新規な自律複製ベクター、非遺伝子組換えでのゲノム編集が可能
・CRISPRに依存しないゲノム編集手法
・新規発想による染色体の多コピー化、複数遺伝子群の発現増強

想定される用途

・有用微生物の機能向上
・微生物生産物の収量増加
・有用微生物の機能解析

関連情報

サンプルあり

  • 11:00~11:25
  • エネルギー

3)蓄電池モジュール間の電圧均等化回路

東京理科大学 工学部 電気工学科 教授 小泉 裕孝

新技術の概要

蓄電池内部のモジュール間電圧を均等化するアクティブバランサー回路。二つのMOSFETと受動素子から構成され、MOSFETを駆動すると高電圧側の端子対から低電圧側の端子対へ自然に電流が流れる。両端子対はコンデンサ絶縁により任意の電位に接続でき、駆動周波数はMHz台のため受動素子の小型化が可能。

従来技術・競合技術との比較

抵抗により放電させる方式はエネルギー損失を生じる。スイッチトキャパシタを用いる方式はスイッチング素子数が増加する。DC/DCコンバータと切替装置を用いる方式は高電圧部と低電圧部を特定し制御する必要がある。提案技術は、低損失で、スイッチング素子は二つであり、動作終了を判定する電圧センサのみを要する。

新技術の特徴

・直流/交流/直流の変換を行うため、交流段階で絶縁が可能
・自ずと電圧が高い側から低い側に電流が流れるため、電流方向の制御回路が不要
・負荷に依らずゼロ電圧スイッチングが維持できるため、MHz台の高周波でも低電力損失で小型化が可能

想定される用途

・電動アシスト自転車用蓄電池(電動自動車メーカ)
・家庭用、太陽光発電用蓄電池(ハウジングメーカ)
・ポータブル電源用蓄電池(モバイル機器メーカ)

  • 11:30~11:55
  • エネルギー

4)バッテリーレス・バッテリー混載型異常診断システム

東京理科大学 先進工学部 物理工学科 教授 中嶋 宇史

新技術の概要

エネルギーハーベスティングによって発電した電力を用いて、バッテリーレスによる半永久的なデバイス駆動、もしくはバッテリー混載による長期的駆動が可能な異常診断システムを開発しました。機械学習を組み合わせることで95%以上の診断にも成功しています。故障が懸念される機器のモニタリング等への応用が可能です。

従来技術・競合技術との比較

エネルギーハーベスティングによって得られた電力を用いて間欠的に無線を伝送させる技術は多く報告されていますが、本技術は無線の伝送間隔と同時に取得したセンサ情報の両方を活用し、機械学習アルゴリズムによって異常診断・異常検知の精度を高めています。また、無線を間欠的に伝送させるための低消費電力回路の開発にも成功しました。

新技術の特徴

・イベントドリブンでの異常発生の常時モニタリング
・監視対象の劣化もモニタリング
・バッテリーの長寿命化

想定される用途

・半導体製造機器の異常モニタリング
・災害時の損傷モニタリング
・熱配管の異常モニタリング

  • 12:30~12:55
  • 分析

5)ガスTPCと光検出に基づく高感度アルファ線イメージ分析

東京理科大学 創域理工学部 先端物理学科 助教 伊藤 博士

新技術の概要

ガス・タイムプロジェクション・チェンバーとガス・シンチレーション発光検出を組み合わせ応用し、対象試料表面から発生したアルファ線を特定できる技術を有することから、環境放射能バックグラウンドを抑制し、高感度なアルファ線イメージ分析技術を確立した。

従来技術・競合技術との比較

環境放射能バックグラウンドを抑制できる点と、アルファ線の飛跡再構成でき対象試料表面における画像化ができる点において、競合する従来のアルファ線計測器と比べて性能が優位である。

新技術の特徴

・アルファ線が発生した3次元位置を決定
・低雑音なアルファ線放出原子核の汚染位置画像化

想定される用途

・半導体ソフトエラーの要因となるパッケージ材料(すず、鉛)の不純物分析
・アルファ線によるがん治療薬臨床:画像化によるフィードバック、実験者の低被曝、RI薬剤の使用削減

  • 13:00~13:25
  • アグリ・バイオ

6)自動逐次架橋による自己修復性IPNゲルを用いた細胞移植

東京理科大学 理学部第一部 応用化学科 教授 大塚 英典

新技術の概要

本ゲルは、自己組織化ペプチドからなる物理架橋型ネットワークと、ヒドラゾン結合により架橋した自己修復型ネットワークからなる相互侵入高分子網目であることを特徴とする。高いせん断減粘性を示すため、細胞を内包し低摩擦下で注射可能であり、非侵襲的に体内に移植可能な医療技術となります。

従来技術・競合技術との比較

・従来のゲル合成には細胞死に直結する架橋刺激が必要だが、本ゲルでは単一の反応容器内で細胞と混ぜるだけでゲル化するため細胞死が皆無
・生体直交性の高い2種のゲル化が独立に逐次的に進行する相互侵入高分子網目(IPN)ゲル
・自己修復性IPNゲルは、低摩擦下で細胞を注射可能であるため、酵素によるゲル分解を要せず、抗炎症性を示すスフェロイドを安全に移植可能

新技術の特徴

・注射器での細胞移植時、急速なshear-thinning(せん断減粘性)効果により細胞毒性が低減
・IPN構造は2液混合によるスプレー噴霧に適した剤形
・Ishear-thinning(せん断減粘性)はその速度と硬さの調整が自由自在である

想定される用途

・創傷治癒材
・細胞移植用足場素材
・DDS(ドラッグデリバリーシステム)キャリア

関連情報

サンプルあり
デモあり

  • 13:30~13:55
  • デバイス・装置

7)室温ドライエッチング可能な金属有機構造体 (Metal Organic Frameworks)

東京理科大学 先進工学部 物理工学科 教授 木下 健太郎

新技術の概要

金属有機構造体(metal organic frameworks, MOF)は金属に有機リガンドが配位する多孔質材料で、ガスセンサー等のデバイス応用が期待されているが、従来の技術では加工が困難であった。しかしMOF材料にイオン液体(ionic liquid)を含侵させるとドライエッチングが可能になり、垂直側壁を備えた構造体を形成できた。これはMOFのデバイス応用に必須の技術と考える。

従来技術・競合技術との比較

ウエットエッチング等の従来技術では、垂直な側壁を形成できない。またイオン液体を含侵させないMOF材料は、イオンビームによるチャージング等の影響により垂直にエッチングすることができず、ドライエッチングも不可能であった。

新技術の特徴

・金属有機構造体(MOF)を自由な形状に加工できるようになった
・ガスセンサー等のデバイス形成に重要な形状制御性が得られた
・一般的な半導体ドライエッチング装置が適用可能になった

想定される用途

・ガスセンサー
・電子デバイス
・リザバーコンピューティング

関連情報

サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • デバイス・装置

8)単層カーボンナノチューブ光アイソレーターの研究開発

東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 講師 入田 賢

新技術の概要

単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の円偏光二色性を利用し、室温で動作するSWCNT光アイソレーターを開発しました。本技術により、小型かつ高性能な光アイソレーターが実現され、光通信システムの性能向上に寄与します。

従来技術・競合技術との比較

従来の光アイソレーターはファラデー効果や冷却原子を利用しており、大型で複雑でした。一方、本技術はSWCNTの円偏光二色性を利用し、室温で動作、小型化を実現しています。現在、シリコンフォトニクスへの応用を検討し研究開発中である。

新技術の特徴

・室温で動作: 冷却装置が不要で、エネルギー効率が高く、コスト削減が可能
・小型化: ファラデー効果や冷却原子を利用する従来技術に比べて、大幅な小型化を実現
・多用途応用可能: 光通信システムだけでなく、医療機器やセンサー技術、量子コンピューティングなどの異分野でも応用可能

想定される用途

・光通信システム: 高速かつ信頼性の高い通信を実現し、データセンターやネットワークインフラの性能向上に寄与
・医療機器: 高精度な光制御が必要な医療用レーザーや診断装置に応用し、非侵襲的な治療や検査を可能に
・量子コンピューティング: シリコンフォトニクス技術との組み合わせにより、次世代の高性能量子コンピュータの構築に貢献

関連情報

デモあり

  • 14:30~14:55
  • 通信

9)量子暗号による情報通信システムのセキュリティを抜本的に改善する単一光子光源

東京理科大学 理学部第一部 物理学科 准教授 佐中 薫

新技術の概要

生成AIや量子コンピュータなどの情報解析技術の発達により2030年ころには電子通信環境における既存の暗号技術の安全性が失われるリスクが顕在化すると予想されている。その対策として量子暗号通信に向けた単一光子光源が、いくつかの企業で化合物半導体を利用する手法で開発が進められているが、量産化が困難であり、大型の冷却装置が必要となるなど運用コストも大きく、運用環境も限定される。これに対して我々は、これらの課題の解決を図る「光ファイバー方式の単一光子光源」を開発し、主に、量子暗号通信事業を進めている通信企業等に提供する準備を進めている。

従来技術・競合技術との比較

Nu Quantum社(英)、Zuse Institute(独)、Single Quantum社(蘭)等は乱数発生機や量子暗号通信に向けた単一光子光源を開発しているが、これらはすべて化合物半導体デバイスを利用したものであり、量産化が困難で大型の冷却装置が必要である。これに対して特殊な光ファイバーによる本技術では冷却装置が不要で小型・軽量、量産コストが非常に小さい。

新技術の特徴

・非晶質のシリカ光ファイバー材料を使用するために、半導体方式に比べて単一光子光源開発のための製造・加工コストが小さい
・非晶質のシリカ光ファイバー材料を使用するため、半導体方式のように発生波長が母体材料に依存することなく、目的に合わせた発生波長で単一光子が発生可能
・単一光子発生において冷却装置等を必要しないため、冷却の必要な半導体方式に比べて装置全体の小型化および運用における低コスト化が容易

想定される用途

・量子暗号通信
・高解像度画像解析
・光量子コンピュータ

関連情報

デモあり
展示品あり

  • 15:00~15:25
  • 情報

10)カメラ位置固定で回り込み視点を実現する遠隔操作システム

東京理科大学 先進工学部 機能デザイン工学科 助教 佐々木 智也

新技術の概要

遠隔操作ロボットを用いた作業では、カメラの回り込み動作により、物体の状況を把握する必要が生じます。本技術は、遠隔操作者の頭の動きに連動して作業対象物を乗せる回転台を操作することで、ロボットとの相対位置関係で回り込み動作を実現し、カメラ位置固定での回り込み視点を実現します。

従来技術・競合技術との比較

従来、遠隔操作ロボットにおいて回り込み視点を実現する際は、ロボット自体を移動させるかカメラを動かす必要がありました。そのため、回り込み視点を実現するためのスペースが必要であり、複雑な制御を必要としていました。本技術では、作業対象物を乗せる回転台の制御のみで省スペース、安価に実現できます。

新技術の特徴

・カメラ位置固定で回り込み視点を実現
・回り込み視点を省スペースで実現できるため、新しい形の生産ラインの実現
・回転台を追加することで既存のシステムに組み込むことが可能

想定される用途

・産業分野における、加工、組み立て、分解
・食品分野での食料品の装飾や盛り付け作業の効率化
・医療・バイオ分野における試料作成に関わる実験装置

関連情報

デモあり

  • 15:30~15:55
  • 材料

11)簡便に調製可能なシリコーン/シリカ系多孔質フィルム

東京理科大学 創域理工学部 先端化学科 講師 山本 一樹

新技術の概要

この技術の多孔質膜製造方法は、非溶媒相分離(NIPS)法を利用する。ポリシロキサンを良溶媒に溶解させた溶液から膜を形成し、これを貧溶媒に浸漬すると、相互拡散で膜内に相分離が生じる。この状態で膜を乾燥させると、揮発により膜内に孔が形成され、多孔質膜が得られる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、ポリシロキサンに孔形成剤を用いて多孔質膜を形成することで低誘電材料を作成しているが、原料のポリシロキサンの分子量が低い点、孔形成剤を利用している点で異なる。本技術では、高分子量体を用いることでコーティング膜のみならず自立膜など様々な形態に調製可能であり、孔形成剤を用いなくても多孔質フィルムの調製が可能である。

新技術の特徴

・無機系分離膜として利用可能な傾斜多孔質構造を簡便に調製可能
・シリコーン/シリカ系材料では例の少ない、多孔質の自立膜を調製可能
・無機成分であるシロキサン結合を多く有し、空気中200℃程度の耐熱性を示す

想定される用途

・分離膜(水処理およびガス分離)
・低誘電率膜など電子材料
・断熱材料

関連情報

サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京理科大学 産学連携機構
TEL:03-5228-7440 
Mail:shinsei_kenkyuアットマークadmin.tus.ac.jp
URL:https://www.tus.ac.jp/ura/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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