鹿児島大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年07月24日(木) 09:55~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、鹿児島大学
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
鹿児島大学 南九州・南西諸島域イノベーションセンター 副センター長 岸本 遧
- 10:00~10:25
- 情報
1)日本語を扱う機械学習モデルの脆弱性を発見する技術、防御する技術
鹿児島大学 大学院理工学研究科 情報科学専攻 情報科学プログラム 教授 小野 智司
新技術の概要
深層ニューラルネットワーク(DNN)は、微小な摂動が加えられた入力(敵対的事例)を誤認識してしまう脆弱性を持つことが知られている。本技術は、日本語処理用DNNにおける日本語特有の脆弱性を発見し、また、敵対的事例からDNNを防御する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術は主に、入力文に含まれる単語を同義語に変換することで敵対的事例を生成する。これに対して本技術は、入力に含まれる文字の字種を変換することで、従来技術では発見が困難な日本語特有の脆弱性を発見する。また、入力される敵対的事例に対して再度攻撃を行うことで、敵対的事例の悪影響を除外し、DNNが正しく識別を行うようにできる。
新技術の特徴
・商用モデルを含め、日本語処理用DNNに特有の脆弱性を発見できる
・敵対的事例の悪影響から日本語処理用DNNを防御することができる
・攻撃、再攻撃に使用する日本語に特有の摂動の付与方法
想定される用途
・日本語処理用DNNやそれを利用する各種アプリケーションの頑健性の向上
・言語モデルの悪意ある利用の抑制
・迷惑メールフィルタ、SNSコメントフィルタ等の性能向上
関連情報
サンプルあり
- 10:30~10:55
- 製造技術
2)磁気を利用した材料の合成分解および元素回収技術
鹿児島大学 大学院理工学研究科 理学専攻 教授 小山 佳一
新技術の概要
従来、主に温度(熱エネルギー)や圧力(力学的エネルギー)を利用して物質合成を制御してきたが、さらに磁場(磁気エネルギー)を付加した新しい制御法を提案する。磁場よって物質の選択的合成ができる。また、希土類磁石の分解を制御することも可能であり、元素回収技術としても期待できる。磁場利用の高機能化を目指す。
従来技術・競合技術との比較
従来、物質合成における磁場利用は、半導体用高品質シリコン単結晶製造や磁石製造程度にしか行われていない。そのため、積極的磁場利用商品開発は未開拓分野が多い。例えば、窒化物磁石材料の高性能化に必要な窒素量が同じ温度でも磁場を印加すると20-50%も増加する。窒化物の分解もまた磁場で促進され、本技術は、反応や合成を利用した「原子レベルの磁気分離技術」となる。
新技術の特徴
・磁場は医療MRIでも利用されるなどクリーンな合成/分解/発酵環境
・磁気を帯びる物質に磁気エネルギーは効果的に作用する
・地磁気の20万倍までの磁場中の合成/分解/観察/分析の技術を開発
想定される用途
・高機能性磁気材料開発
・元素レベル磁気分離
- 11:00~11:25
- エネルギー
3)ニッケル担持多孔質セラミックスを用いたバイオガスからの水素製造
鹿児島大学 大学院理工学研究科 工学専攻 化学工学プログラム 准教授 鮫島 宗一郎
新技術の概要
バイオガスの主成分であるメタンと二酸化炭素から水素と一酸化炭素を合成するドライリフォーミング反応(CH4+CO2→2H2+2CO)を進行させるニッケル担持多孔質セラミックス触媒を開発した。ニッケル触媒粒子の粒成長を抑制し、炭素析出を抑制した触媒であり、高い耐久性が期待できる。同触媒は、メタネーション反応(CO2+4H2→CH4+2H2O)にも適用できる。
従来技術・競合技術との比較
ナノサイズの細孔を有する多孔質構造を有するため、ニッケル粒子の粒成長を抑制することができる。従来のゼオライトなどの担体に比べ、耐熱性を有している。また、二酸化炭素を吸着する塩基性酸化物を含有するため、ドライリフォーミング反応を促進して炭素析出による触媒の被毒を防止できる。
新技術の特徴
・アルミナを主成分とするナノサイズの細孔を有し、高比表面積で耐熱性に優れた触媒担体
・二酸化炭素を吸着する塩基性酸化物を含有する触媒担体
・微細なニッケル金属粒子触媒が高分散した触媒
想定される用途
・バイオマス処理施設での温室効果ガスを用いた水素製造
・再生可能エネルギーであるバイオガスを用いたカーボンニュートラルの達成
・生成した合成ガス(H2+CO)を原料とした燃料の合成
- 11:30~11:55
- 情報
4)トイレ・更衣室等の個室における煙霧を使用した盗撮防止
鹿児島大学 大学院理工学研究科 技術部 技術専門職員 比良 祥子
新技術の概要
近年、スマートフォンや小型カメラの普及により、盗撮被害が増大している。盗撮対策が急務であるが、ありとあらゆる場所に巧妙に設置されるカメラを見つけることは困難である。そこで、カメラの視界を遮ることに着目し、個室内に液体等を霧化させた煙霧を充満させることで盗撮を防止する装置を提案する。
従来技術・競合技術との比較
盗撮カメラ発見器として、電波式や光学式のものが存在するが、いずれも機器を持ち歩く手間や個室内を探索する労力が必要になる。一方提案手法は、煙霧を出すだけで撮影を妨害でき利便性があると考える。
新技術の特徴
・カメラを見つけるのではなく、煙霧によりカメラの視界を遮ることで撮影を妨害する
・煙霧はユーザー操作により必要な人だけが利用でき、使用後は換気扇により除去できる
・煙霧に香りを付けたり、光による演出をするなどの付加価値を加えることができる(個室をリフレッシュ空間として利用できる)
想定される用途
・利用者の安全に配慮する立場である施設(教育機関や商業施設等)への設置
・有料のトイレ、更衣室、浴室等への設置
関連情報
デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
鹿児島大学 南九州・南西諸島域イノベーションセンター
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