金沢大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年09月04日(木) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、金沢大学、
金沢大学ティ・エル・オー
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- アグリ・バイオ
1)農業副産物を原料にした安価で高純度のビタミンA化合物
金沢大学 新学術創成研究機構 准教授 柘植 陽太
新技術の概要
微生物を用いたバイオ生産でビタミンA化合物(レチノイド)であるレチナールを生産する技術。農業副産物である安価な糖蜜を原料として、微生物発酵によって他のレチノイド化合物の混入がない99%以上の高純度のレチナールの生産が可能。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では微生物の培養のために高価な栄養素や精製糖を使用しているが、本技術では安価な培地と農業廃棄物を培地に使用している。また、微生物を用いた場合、通常レチナール以外のレチノイド化合物が混入するが、本技術では高純度のレチナールの生産が可能である。
新技術の特徴
・糖蜜やコーンスティープリカーを原料として安価に製造できる
・高生産な手法によるビタミンA化合物の生産
・高純度のビタミンA化合物の生産
想定される用途
・医薬品や化粧品原料
・研究用試薬
・栄養補助食品
- 14:00~14:25
- 製造技術
2)磁気・生命現象の僅かな変化を捉える超高感度量子センサ
金沢大学 ナノマテリアル研究所 助教 林 寛
新技術の概要
ダイヤモンド中のNVセンターやSiVセンターなどの量子センサは、その特有の電子スピン特性から量子技術への応用が期待されている。本発表では、Tiを利用することで、CVDダイヤモンド膜中量子センサ濃度を通常よりも増大させる技術を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
先行研究では金属パターン上にCVDダイヤモンド成長を行うことにより、金属上成長ダイヤモンド中NVセンターの濃度が約6倍向上することが報告された。これに対し、本成果では、金属上だけではなく、金属パターン間のダイヤモンドにおいても蛍光増大が確認された。
新技術の特徴
・NVセンター、SiVセンターの蛍光増大
・μmスケールでのCVD選択成長における量子センサの濃度増大
想定される用途
・ダイヤモンド磁気センサ
・細胞内の僅かな生命現象の変化を捉える超高感度センサ
・微妙な磁場・電場や温度の変化を捉える超高感度センサ
- 14:30~14:55
- 材料
3)木材もアラミドも溶かす!難溶性分子の超高効率加工技術
金沢大学 理工研究域 物質化学系 准教授 廣瀨 大祐
新技術の概要
従来溶解・分散が困難であった難溶性分子に対して、単位ユニットあたりに対して触媒量の嵩高い有機超塩基(BOS)を溶解補助剤として添加することで、その超効率的溶解・分散・修飾を可能にする技術。セルロースや木材を室温数分で有機溶媒に溶解し、修飾反応も極めて高速に完結する。アラミドやπ共役分子などの様々な難溶性分子も同様に扱うことができる。
従来技術・競合技術との比較
難溶性分子の溶解は、従来主にアルキル基などを追加修飾する、特殊な溶剤を用いるなどの手法があったが、追加修飾はコスト増加や物性変化を招き、特殊溶剤は特殊で高価な化合物を文字通り溶媒量必要とするだけでなく、長時間の加熱が必要などの資源・コスト・エネルギー消費の問題があった。本技術はこれらの省資源・省コスト・省エネルギー化に貢献できる。
新技術の特徴
・難溶性分子の超効率的溶解・分散・修飾を実現
・従来の特殊溶剤と異なり、BOSは触媒量かつ再利用容易
・表面溶解や表面活性化による接着などにも利用可能
想定される用途
・難溶性バイオマスの超効率的溶解・分散・再生・修飾 (ナノファイバー化も含む)
・塗布困難な難溶性π共役分子のナノ薄膜化などのナノ成形加工用途
・廃棄アラミドなどの難溶性廃棄物の溶解・再成形・再加工・アップサイクル
- 15:00~15:25
- 計測
4)抗体分子配向制御が生む高精度バイオアッセイ技術
金沢大学 ナノ生命科学研究所 准教授 中山 隆宏
新技術の概要
プロテインGの抗体結合ドメイン1つと固定用タグ1つを融合させた設計により、抗体と固定用タグの結合配向と、抗体分子数:タグ数比を制御することができる。固相への高配向性の抗体固定化や抗原抗体反応の定量的検出に応用することができる。
従来技術・競合技術との比較
幅広い種類の抗体分子の定常領域に結合できるプロテインGは、抗体精製や抗原抗体反応検出に利用される。完全長プロテインGは3つの抗体結合ドメインを持ち、固相固定における分子配向は無作為である。本開発は、抗体結合ドメイン、固定用タグ各1つから成る小型プロテインGで、結合抗体の分子配向と結合比を制御できる。
新技術の特徴
・ビーズ等固相表面から外側に抗原認識部位を効率的に配置
・1対1結合設計ミニタンパク
・高配向性結合ミニタンパク
想定される用途
・抗体の高配向性固定
・抗原抗体反応の定量的検出
関連情報
サンプルあり
- 15:30~15:55
- 計測
5)3次元で固液界面の水和構造・分子揺動構造を見る
金沢大学 ナノ生命科学研究所 准教授 宮田 一輝
新技術の概要
3次元原子間力顕微鏡(AFM)は水和や揺動分子などの固体/液体界面の立体サブナノ構造の観察が可能であるが、解析技術の制限により、測定対象は結晶などの安定な表面に限定される。超解像顕微鏡の一種である局在化顕微鏡に着想を得て、多数の3次元AFM画像を統計処理する、本発明はより幅広い試料が測定対象となる。
従来技術・競合技術との比較
従来の3次元原子間力顕微鏡(AFM)は、解析技術の制限により、測定対象は結晶などの安定な表面に限定される。本発明は多数の3次元AFM画像を統計処理することにより、表面・界面改質のための吸着高分子材料、タンパク質結晶上の水和構造、高分子鎖の揺動やその上の水和構造を含む、より幅広い試料が測定可能となる。
新技術の特徴
・これまで可視化が困難だった、揺動の大きな試料の立体サブナノ構造も可視化できる
・特徴的な局所構造を反映し、偶発的なノイズが低減された、新たなAFM画像解析
・計測対象に応じて複数パターンの局在化の手法を使い分けることができる
想定される用途
・新疎水性や潤滑性などの表面・界面改質のための吸着高分子材料の計測
・タンパク質結晶上の水和構造の計測
・高分子鎖の揺動やその上の水和構造の計測
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
金沢大学 社会共創推進部 産学連携支援課
TEL:076-264-5283
Mail:titeki
adm.kanazawa-u.ac.jp
URL:https://research-promotion.adm.kanazawa-u.ac.jp/co_research/kyoudou/kyoudou.html
金沢大学ティ・エル・オー
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Mail:info
kutlo.co.jp
URL:https://kutlo.co.jp/
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