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新潟大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年09月25日(木) 13:30~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、新潟大学

発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • 建築・土木

1)圧力波を用いたパイプラインの漏洩現象の非破壊同定法

新潟大学 農学部 農学科 流域環境学プログラム 教授 鈴木 哲也

新技術の概要

漏洩現象の同定には古くから弾性波を用いた方法論が適用されてきたが、その計測精度は十分なものではなかった。本特許は、圧力波が配管内に伝播する過程をシミュレーションし、漏洩現象の有無によるエネルギ減衰の傾向を同定することで、㎞スケールでの非破壊検査を実現するものである。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は漏洩起源の弾性波を検出する計測法が普及している。検出範囲はおおよそ10m程度遠方が限界である。提案手法は圧力波伝搬を利用し、これまで困難であった㎞スケールでの非破壊検査を実現するものである。

新技術の特徴

・㎞スケールでの漏洩現象を同定できる
・非定常流況解析を拡張し、漏洩現象を有する圧力波現象をシミュレーションできる
・水圧計測に加えて、管体外面からの画像解析による非接触検出が可能である

想定される用途

・上下水道、産業用水に関する漏水探知
・食品工場などプラントにおける配管施設の漏洩検出
・各種パイプライン施設の安全性診断

  • 14:00~14:25
  • 材料

2)広域近赤外応答材料を用いた光熱変換技術:淡水製造・医療応用など

新潟大学 工学部 工学科 材料科学プログラム 准教授 由井 樹人

新技術の概要

近赤外光(NIR)光は、熱線(赤外線)の中では、最も高エネルギーであると同時に多くの化学種との相互作用が乏しい帯域の光である。利点としては、多くの材料に対する高い透過性を示すが、欠点としてはNIRを吸収応答させることは困難である。我々は、高いNIR応答特性を有する材料を開発し、太陽光による淡水製造や生体透過性を活用した医療材料への応用を検討している。

従来技術・競合技術との比較

開発したNIR応答材料は、200-2500nmの紫外・可視・近赤外の極めて広い帯域に光学応答を示す。これらの材料は他の材料では見られない特徴である。さらに、材料に含有される銀とNIR応答特性により、生体に対して安全であると同時に、化学と光という異なるメカニズムで殺菌可能な、デュアル殺菌特性を示す。

新技術の特徴

・近赤外光を用いた光熱変換
・シンプルな技術による太陽光淡水製造
・デュアル殺菌特性を用いた医療材料応用

想定される用途

・光熱変換および熱線カット材料
・太陽光淡水製造
・歯科インプラント材料

関連情報

サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • 環境

3)重金属、臭化物の除去および油水分離の特性を有するセラミック膜の開発と特性評価

新潟大学 工学部 工学科 化学システム工学プログラム 准教授 狩野 直樹

新技術の概要

安価な材料であるカオリンとドロマイトをベースに、両者の割合を変化させ、また焼結温度や焼結時間も変化させて種々のセラミック膜を作製した。その後、この膜表面に適宜化学改質を施し、重金属吸着のみならず、臭化物の除去および油水分離の特性を有する膜を開発し、膜の特性評価も行った。

従来技術・競合技術との比較

排水中から水と油を分離する技術、あるいは重金属を吸着除去する技術の報告例はあった。本技術は、簡便な方法で、油水分離しながら重金属やハロゲンや不純物の除去もでき、油を有効活用できる点で新規性があると考えられる。

新技術の特徴

・油水分離しながら重金属やハロゲンを吸着除去
・安価で環境にやさしい材料をベースに分離膜を作製

想定される用途

・家庭用浄水器
・食品メーカー(レストラン)
・油田開発関連企業(油田随伴水)

関連情報

サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • エネルギー

4)放射加熱・冷却を両立する透明な波長選択性熱放射フィルムの開発

新潟大学 工学部 工学科 機械システム工学プログラム 准教授 櫻井 篤

新技術の概要

本発明は、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)と酸化スズ(SnO₂)を積層した透明な多層膜により、可視光を透過しつつ中赤外域での熱ふく射を選択的に強化する機能性材料である。薄膜干渉を利用して波長選択的に放射率を制御することで、透明性と放射機能の両立を実現し、加熱と冷却の両機能に対応可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の熱ふく射制御材料は不透明な構造が主で、可視光透過性が求められる建築・車載用途には不向きだった。透明導電膜は透過性と加熱機能を備えるが、放射特性の制御は困難だった。本発明は、透明導電膜と誘電体の干渉構造により、特定波長での放射率を制御し、透明性と放射機能の両立を初めて実現した点で新規性が高い。

新技術の特徴

・透明性と熱ふく射制御の両立:可視光を透過しつつ、中赤外域(特に約8µm)での選択的な熱放射を実現
・構造による機能制御:FTOとSnO₂の多層膜により、干渉効果を用いた波長選択的放射率制御が可能
・安価・簡便な製造法:スプレー熱分解法を用い、真空装置を必要とせず量産性に優れる

想定される用途

・自動車用ウィンドウの透明ヒーター(視界を妨げず除霜・防曇が可能)
・建築用ガラスの放射冷却窓(昼間でも冷却効果を発揮し省エネに貢献)
・IoT・センサーデバイス向け熱制御フィルム(高機能・薄型熱管理部材として応用)

関連情報

展示品あり

  • 15:30~15:55
  • 材料

5)密着性が高く摩耗に強いWC-Ni硬質皮膜の低温形成技術

新潟大学 工学部 工学科 材料科学プログラム 准教授 大木 基史

新技術の概要

高硬度・高じん性なWC-Ni硬質皮膜を、比較的低温(〜900℃)で形成可能な「湿式めっき・ガス浸炭法」を開発した。形成された10µm程度の膜厚を有するWC-Ni皮膜は、一般的なWC-Co焼結材を上回る硬度および耐摩耗性を示した。

従来技術・競合技術との比較

WCを主成分とする皮膜として高速フレーム溶射法によるWC-Co溶射皮膜が実用化されているが、施工時の熱影響により脆弱相が形成されるという問題がある。本技術は低温プロセスであるため、この問題は発生しない。

新技術の特徴

・湿式めっき法とガス浸炭法を複合化した、簡便かつ低温プロセスであること
・高硬度・高じん性特性を有するWC-Ni硬質皮膜が形成可能であること
・めっき層構造や熱処理条件を変化させることにより、形成皮膜の膜厚、微細組織、および機械的特性の制御が可能なこと

想定される用途

・金型部材用耐摩耗皮膜
・摺動部部材用耐摩耗皮膜
・汎用切削工具用硬質皮膜

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

新潟大学 社会連携推進機構
TEL:025-262-7554 
Mail:onestopアットマークadm.niigata-u.ac.jp
URL:https://www.ircp.niigata-u.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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