【オンライン開催】筑波大学 新技術説明会
日時:2020年10月08日(木) 12:55~15:55
会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、筑波大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- エネルギー
筑波大学 数理物質系 物質工学域 准教授 丸本 一弘
新技術の概要
光誘起電子スピン共鳴分光を用いたオペランドミクロ解析により、高効率ペロブスカイト太陽電池の電荷状態を分子・原子レベルの微視的な観点から解明する。その解析に基づいて素子構造の最適化を進め、素子性能の制御を行い、更なる高効率化・長寿命化を目指す。この成果を基に会社との新規な共同研究を進め、ペロブスカイト太陽電池の事業製品化に貢献する。
従来技術・競合技術との比較
疑似太陽光照射下で光誘起電子スピン共鳴分光測定を行い、素子動作時の電荷状態等の内部状態を微視的な観点で調べる。そして高効率化・長寿命化を妨げている内部状態を微視的な観点から解明し、その改善指針を明らかにする。その改善指針を踏まえ、素子構造の最適化を進める。これらの技術は従来技術や競合技術では不可能な技術である。
新技術の特徴
・光誘起電子スピン共鳴分光法を用いたオペランドミクロ解析
・高効率ペロブスカイト太陽電池の電荷状態を分子・原子レベルの微視的な観点から解明
・素子構造の最適化を進め、素子性能の制御を行い、素子特性の高効率化・長寿命化
想定される用途
・従来の太陽電池で設置不可能であった、壁への垂直設置やビニールハウス等の軽量屋根上への設置を可能
・再生可能エネルギーの新しい供給源
・窓発電、ブラインド発電、車装発電などによる、あらゆる場所でのその場発電による省エネルギー
関連情報
・サンプルあり
- エネルギー
筑波大学 数理物質系 物理学域 教授 守友 浩
新技術の概要
本発明は、環境の温度変化で充電できる電池(三次電池)に関するものである。一日の気温の変化や室内と室外の温度変化により充電できるので、外部電力異不要(自立)で設置場所を選ばない(分散)電源を可能にする。
従来技術・競合技術との比較
既存の熱電変換技術は温度差を起電力に変換する。しかしながら、素子を高温熱源に接触するため、設置場所に制限がある。三次電池の熱起電力は現状で1.3mV/Kであり、既存技術の熱起電力(0.1mV/K程度)を凌駕している。
新技術の特徴
・温度変化で充電する新しい電池
・熱電変換素子と異なり素子の温度変化で充電される
・二次電池製造装置や技術を流用できる
想定される用途
・センサー用自律分散電源
- デバイス・装置
3)放射線耐性に優れた半導体素子の開発
発表資料筑波大学 数理物質系 物理工学域 助教 奥村 宏典
新技術の概要
セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)素子は、放射線照射により特性が劣化するが、100度以下の熱光照射で特性を何度も回復することができる。そのため、宇宙などの人が容易に立ち入れない場所での利用でも修理・交換する必要がなく、長期間運用することができる。
従来技術・競合技術との比較
CIGSは、Siと比べて光吸収係数が大きく、薄膜かつ低電圧でも高感度で光を検出できるため、放射線吸収量自体を下げることができる。CIGS撮像素子は、大面積・低価格で作製でき、既にプロトタイプが市販されたこともあり、実用レベルにある。
新技術の特徴
・CIGS素子は、放射線により素子特性が劣化しても、熱光照射により特性が回復する
・低価格・大面積のCIGS撮像素子の作製が可能
・薄膜CIGS素子では、光検出量を維持したまま、放射線吸収量を下げられる
想定される用途
・宇宙衛星用素子
・原子力発電所の廃炉ロボット用撮像素子
・放射線治療用高精度検出器
関連情報
・サンプルあり
- アグリ・バイオ
4)コウボとカビ、二つの顔を持つ、ミツバチなど多様な昆虫から得られた腸内外両生菌類コレクション
発表資料筑波大学 生命環境系 山岳科学センター菅平高原実験所 准教授 出川 洋介
新技術の概要
有益昆虫のミツバチなどハナバチ類をはじめとした系統分類学的に多岐に渡る昆虫の腸内の真菌類フロラの調査を進めてきた結果、定法では検出しづらく看過されてきた多様な真菌類が得られることがわかり、特に嫌気的な腸内と好気的な腸外の双方で2タイプの生育を示す特徴的な菌群が効率的に得られるようになった。
従来技術・競合技術との比較
従来、集中的、体系的にスクリーニングがなされてこなかった昆虫腸内菌類のサーベイを進めた結果、二核菌系の酵母に加え、酵母状増殖を示す接合菌類を多数得ることに成功した。これらは、嫌気条件で酵母状、好気条件で菌糸状と二相の生育切り替えを示し、生育が速く酵素活性も高いため発酵や醸造利用に期待できる。
新技術の特徴
・酵母状、菌糸状の二相の生育切り替えを示す多様な菌群のスクリーニングが可能となった。
・嫌気条件、好気条件双方での生育が可能な多様な菌群のスクリーニングが可能となった。
・目的に応じて、固体・液体双方の培地上での増殖コントロールが可能な多様な菌群が確保された。
想定される用途
・糖化能を利用した醸造やバイオエタノール生産への応用。
・有益昆虫のプロバイオティクスに向けた新規有効飼料開発への応用。
・有害昆虫の駆除に向けた生物学的防除への応用。
関連情報
・サンプルあり
- アグリ・バイオ
5)植物生育促進細菌の培養・評価基材の開発と利用
発表資料筑波大学 生命環境系 生命農学学位プログラム/生命産業科学学位プログラム 教授 青柳 秀紀
新技術の概要
持続可能な農業に貢献できる植物生育促進細菌の各種の活性を簡便に評価し、新たな植物生育促進細菌を培養化できる特殊セルロースフィルムを活用した植物生育促進細菌の新規な評価・培養基材を開発した。
従来技術・競合技術との比較
植物生育促進細菌を探索する際、植物生育促進活性の評価が必須であるが、従来法は操作が非常に煩雑である。また、従来の培養法では、多様な植物生育促進細菌が取得できない。今回、開発した新規な評価・培養基材は従来の問題点を解消し、効率的に植物生育促進細菌の探索、獲得ができる。
新技術の特徴
・植物生育促進微生物の効率的取得
・環境低負荷型農業に必要な微生物資材開発
・新たな微生物資源の開拓
想定される用途
・環境低負荷型農業
・植物工場
・土壌改良
- アグリ・バイオ
6)”新しい生活様式”にこそ活きる農体験のデザイン提案
発表資料筑波大学 芸術系 環境デザイン領域 教授 藤田 直子
新技術の概要
ポストコロナ。ウィズコロナ。時代が変わる。農体験の新たな時代がやってくる。
コミュニケーションの取り方やコミュニティの在り方そのものも変化する中、私達が提供する技術はニューノーマルの時代に生きる人々の心と体に活力と安らぎをもたらす。
人と、植物と、生き物と、自然と、離れていてもつながり合っている実感を。そんな農体験技術の提案。
従来技術・競合技術との比較
従来のIT農業は高額・大規模。従来の農業体験農園は高頻度・高接触。
私達が提案するのは小規模・低接触・低負担の農ある暮らし。”IoT技術”と”普通の人々”をつなげて「ニューノーマルに即した暮らし方のデザイン」を提供する。
新技術の特徴
・組み合わせる
・つなぐ
想定される用途
・新しいライフスタイルへの導入と定着
・高齢過疎地域の活性化
・Society 5.0 for SDGs
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
筑波大学 産学連携部 産学連携企画課
TEL:029-859-1486 FAX:029-859-1693
Mail:event-sanrenun.tsukuba.ac.jp
URL:https://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/
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