【オンライン開催】JST電子システム・デバイス技術 新技術説明会
日時:2020年12月22日(火) 13:30~15:55
会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構
発表内容一覧
発表内容詳細
- 電子
東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 准教授 菅原 聡
新技術の概要
高性能SRAM動作が可能で、不揮発記憶を用いて記憶内容を失うことなく電源遮断(パワーゲーティング)できるSRAM技術である。エッジデバイスの待機時電力を大幅に削減できる。
従来技術・競合技術との比較
不揮発メモリのSRAM応用では、書き込みに要するエネルギーとレイテンシが問題となるが、不揮発性SRAMではこれを回避できる。
新技術の特徴
・通常のSRAMとほぼ同等の高性能動作を実現できる。
・パワーゲーティング時に、データを失うことなく完全に電源遮断できる。
・従来のSRAMアーキテクチャ技術を継承できる。すなわちコンパチブル。
想定される用途
・エッジ向けマイクロプロセッサ/SoC
・エッジ向けニューラルネットワーク・アクセラレータ
・IoT向けマイクロコントローラ
関連情報
・外国出願特許あり
- 電子
京都大学 大学院情報学研究科 通信情報システム専攻 教授 小野寺 秀俊
新技術の概要
トランジスタのしきい値電圧をnMOSFETとpMOSFET独立に観測できるモニタ回路である。個々のトランジスタのしきい値ばらつきや回路全体でのしきい値電圧シフト量が観測できる。温度モニタやNBTI劣化センサとしても使用できる。微細プロセスでの集積回路を広い電圧範囲で安定に動作させるためのパフォーマンスモニタである。
従来技術・競合技術との比較
遅延線を用いた従来回路では、nMOSFETとpMOSFETの動作特性を個別に評価することはできない。製造時に両トランジスタの特性にスキューが生じる可能性がある。電源電圧を変えた場合にもスキューが発生することもある。本技術では、両トランジスタの特性を個別にモニタすることが可能である。
新技術の特徴
・nMOSトランジスタとpMOSトランジスタの特性を個別に評価可能
・回路内の多数のトランジスタの特性を評価可能
・温度センサや特性劣化センサとしても利用可能
想定される用途
・オンチップパフォーマンスモニタ
・オンチップ温度センサ
・トランジスタ特性評価TEG/PCM
関連情報
・外国出願特許あり
- 電子
九州工業大学 情報工学研究院 情報・通信工学研究系 教授 梶原 誠司
新技術の概要
VLSIの大規模化・複雑化とともに導入が進む論理回路の組込み自己テスト(BIST)において、過大な消費電力に起因するテスト結果の誤判定を防止するためのテスト時消費電力の制御技術を述べる。テスト時の信号値変化の制御と故障検出率増加に役立つテスト手法、更にそれらを実際のチップに適用した結果を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来の論理回路の組込み自己テスト低消費電力化技術は、テストパターン入力時のみに着目して信号値変化制御を行っており、本技術のテスト応答の取り込み(キャプチャ)時や観測時も制御を行う手法と比較して、消費電力の低減効果が小さく、また、信号値変化制御に伴う故障検出率低下への対応も不十分である。
新技術の特徴
・スキャン設計された論理回路のテストにおける消費電力の低減と遅延増加の抑制
・擬似ランダムパターンを使った組込み自己テストにおける故障検出率向上
・論理回路のテスト時の信号値変化割合の目標レベルへの制御
想定される用途
・ボード上でのシステムテストや実動作テスト
・論理回路のインフィールドテスト
・論理回路のテストコスト削減
関連情報
・外国出願特許あり
- 電子
大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 准教授 南 裕樹
新技術の概要
予測値を用いて制御対象を制御する際、予測の粗さが制御対象の振る舞いに影響を与える。本技術は、予測値をそのまま用いるのではなく、制御対象の動特性と過去の実績情報を考慮し、積極的に予測値を整形することで制御対象の振る舞いを望ましいものに近づけるというものである。
従来技術・競合技術との比較
従来技術として、過去の実績情報を利用して予測値を整形する方法がある。これに対して、本技術は、制御対象の動特性情報を活用して予測値整形装置を設計するというもので、これにより、精度の良い制御が可能となる。また、どの程度精度が良くなるかをあらかじめ評価することができるようになる。
新技術の特徴
・予測ガバナのアドオンで、予測誤差の出力への影響を低減化
・センサ情報から認識までの計算時間の影響を低減化
・制御対象の動特性情報を用いた予測ガバナの簡便なチューニング
想定される用途
・発電機の需給バランス制御
・自動運転
・インスリンの投薬制御
関連情報
・外国出願特許あり
- デバイス・装置
東京大学 生産技術研究所 教授 藤岡 洋
新技術の概要
従来高い温度での熱分解反応を利用して作製してきた窒化物半導体素子を、スパッタリング法を用いて低コストかつ低温で実現する。また、低温・非平衡下での成長技術を利用することによって、従来手法で作製されたものより優れた電気特性や素子特性を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来の窒化物半導体素子は1000℃程度の高い温度での熱分解反応を利用して作製してきたが、スパッタリング法を用いた本手法では室温でも半導体結晶を合成できる。また、低温・非平衡下での成長技術を利用することによって、従来手法より高濃度まで不純物を導入できるので低抵抗の素子を実現できる。さらに、基板との反応も抑制できるので、金属やガラスなど安価な基板を用いることが可能となる。
新技術の特徴
・従来手法より低コストで素子が製造できる
・従来手法では実現できない高い物性が実現できる可能性がある
・従来手法では実現できない安価なフレキシブル基板上に素子が実現できる
想定される用途
・マイクロLEDディスプレーやその制御素子
・パワーエレクトロニクス
・照明用や殺菌用の発光素子
関連情報
・外国出願特許あり
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