【オンライン開催】東北大学 新技術説明会
日時:2020年07月16日(木) 12:55~15:55
会場:Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、東北大学
協力:株式会社東北テクノアーチ
発表内容一覧
発表内容詳細
- エネルギー
東北大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 教授 大西 直文
新技術の概要
大気圧放電に伴うイオン風によって表面流を制御するプラズマアクチュエータは、空気抵抗低減等、流体機械の性能を向上させる装置として期待されている。本技術は、同装置の小型化かつ集積化を可能する駆動技術であり、従来1万ボルト程度必要であった駆動電圧を数百ボルト程度まで低くしながら、同等の性能を達成可能とする。
従来技術・競合技術との比較
従来のプラズマアクチュエータでは、制御に十分な流速を得るために、大気圧放電に必要な電圧を大幅に超える高圧電源で駆動する必要があった。本技術は同装置を高集積化するものであり、各素子の小型化により低電圧駆動が可能となるため高電圧電源が不要となるだけでなく、素子の配置により自由度の高い運用が可能となる。
新技術の特徴
・高圧電源が不要
・機械的駆動部がなく、軽量
・プリンテッドエレクトロニクスを用いることで自由度の高い表面流を生成可能
想定される用途
・輸送機械の空気抵抗低減
・風車やタービンの性能向上
・管内流の駆動や制御
関連情報
・サンプルあり
・外国出願特許あり
- デバイス・装置
東北大学 大学院工学研究科 化学工学専攻 教授 長尾 大輔
新技術の概要
ここでは、空隙を有する微粒子に別の微粒子を閉じ込めた形態の素子を構成要素とした、新規光学デバイスを提案する。空隙内部でランダムにブラウン運動する微粒子は、外部交流電場を印加することで運動・配置が変化する。この運動・配置の変化により光学特性等を可逆的に制御できることが期待される。
従来技術・競合技術との比較
従来の外部刺激応答型のデバイスの多くは、構成素子そのものの配置を変化させるものであるため、特性の制御にはデバイスの体積変化が伴う。本技術では、素子内部に格納された微粒子の運動・配置を制御することで特性を制御可能であることから、デバイスの体積を一定状態に保ったまま特性の可逆制御が実現する。
新技術の特徴
・材料の体積変化なしで実現する光学特性等の可逆制御
・ナノ空間中の微粒子運動を利用した光学特性等の可逆制御
・外部電場印加条件(電場強度、周波数)により多様化する微粒子運動
想定される用途
・スイッチャブル光学素子
・センシング素子
・自己ミキシング触媒
- 材料
東北大学 大学院工学研究科 材料システム工学専攻 教授 佐藤 裕
新技術の概要
樹脂/金属の接合を目指し、金属表面をポーラス化する新たな加工技術を開発しました。その結果、金属表面のポーラス構造へ樹脂を含侵させ、アンカー効果により樹脂/金属の強固な接合継手を得ることに成功しています。
従来技術・競合技術との比較
樹脂との接合を目的とした金属表面のポーラス化に関する従来技術は、ウェットプロセスもしくは高価な設備を必要とします。本技術は比較的安価な設備を用いたドライプロセスであり、短時間で実施可能です。
新技術の特徴
・短時間
・ドライ
・アンカー接合
想定される用途
・自動車
・輸送機器
・電子・電気部品
関連情報
・サンプルあり
- 医療・福祉
4)感染症の免疫パスポート発行から、がん、免疫疾患の新規診断・治療法の提案
発表資料東北大学 加齢医学研究所 加齢制御研究部門 教授 小笠原 康悦
新技術の概要
遺伝子を選択的かつ偏りなく増幅できる技術をもとに、免疫受容体の変化を正確に把握するシステムを構築し、Web上でも解析可能なアプリケーションも作成した。融合タンパク質、人工抗体作成技術による実証実験で、疾患特異的な免疫受容体の特定とその応用が可能となった。今後の新型コロナワクチンの効果判定や免疫パスポート発行にも応用できる。
従来技術・競合技術との比較
免疫受容体解析は既に数社事業化しているが、再現性や精度に問題があり実証実験ができなかった。我々は、遺伝子を偏りなく増幅できる技術、免疫受容体の融合タンパク質や人工抗体を作る技術を新たに開発した結果、実証実験が実施でき、技術移転が可能となった。新型コロナ感染症に限らず、未知の病原体に対しても迅速かつ正確に解析が可能である。
新技術の特徴
・遺伝子を選択的かつ、バイアスをかけずに増幅することができる
・抗体、T細胞受容体の構造特定によるがん、あらゆる免疫疾患の新規診断・治療法の開発
・高精度免疫パスポートの発行(ワクチン効果判定、感染歴判定)
想定される用途
・新型コロナ感染症を含む新規免疫パスポート発行事業
・抗体、T細胞受容体の構造特定による新規診断・治療法開発
・混合感染、細菌叢、免疫受容体などレパートリーがある遺伝子群のPCR増幅キット(次世代シークエンサー用ライブラリーキットなど)
関連情報
・サンプルあり
・外国出願特許あり
- 機械
東北大学 多元物質科学研究所 プロセスシステム工学研究部門 准教授 小澤 祐市
新技術の概要
生体試料の顕微観察が可能なレーザー顕微鏡法において、観察面を移動することなく深さ方向の情報を取得可能な技術を提供します。本技術は、試料に対するニードル状の励起スポット照射と、蛍光信号に対する波面制御を原理とし、高速な3次元画像構築が可能となります。
従来技術・競合技術との比較
高速な画像取得を実現する従来の顕微鏡観察技術の多くは、2次元像の高速な連続取得を目的としたものが多く、深さ方向の情報取得には観察面の移動およびスタック処理が必要であり、3次元での画像取得時間を律速しています。本技術では、観察面の移動を必要とせず3次元画像が構築できる点に大きな利点があります。
新技術の特徴
・長焦点深度での光励起/照明
・信号光に対する深さ方向-面内方向に対する座標変換
・1回の2次元走査のみから3次元画像を構築可能
想定される用途
・生体試料観察
・粒子トラッキング
・その他のレーザー走査型顕微鏡法に基づく3次元検査装置
関連情報
・外国出願特許あり
- エネルギー
東北大学 多元物質科学研究所 金属資源プロセス研究センター 教授 本間 格
新技術の概要
医療情報モニタリング用の飲み込み型あるいは口腔内バイオセンサー用の生体適合性マイクロ電池。当該電池は飲み込んだ後に胃の中で胃酸を素子内部に取り込むことで発電する胃液蓄積電池素子を提供する。シリコンチップ上にMEMS加工技術を用いて作製したミリメートルサイズの超小型電池でありセンサー電源に利用出来る。
従来技術・競合技術との比較
現状、胃液などの体液で駆動する発電素子は存在しない。本技術はシリコンMEMSを用いて胃液で駆動する超小型電池を提供する。飲み込んだ後、長時間十分な電力供給が出来る発電素子があれば飲み込み型バイオセンサーを駆動させることができ、人間の健康モニタリング用途の高性能なバイオセンサーなどに利用出来る。
新技術の特徴
・シリコンMEMSを用いた超小型電池
・胃液で駆動する発電素子
・生体適合性の電池
想定される用途
・医療情報モニタリング用の飲み込み型あるいは口腔内バイオセンサー
・早期ガン診断、糖尿病など疾病センサー
・健康モニタリング用のウェアラブルなバイオセンサー
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
東北大学 産学連携機構 総合連携推進部
TEL:022-795-5274 FAX:022-795-5286
Mail:liaisonrpip.tohoku.ac.jp
URL:https://www.rpip.tohoku.ac.jp/jp/information/gijutsu/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp