高専 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年07月06日(火) 13:25~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、国立高等専門学校機構
発表内容一覧
発表内容詳細
- 情報
小山工業高等専門学校 電気電子創造工学科 准教授 干川 尚人
新技術の概要
あらゆるコンピュータは機種や型番によらず、唯一のユニークなクロック信号の指紋を持つ。クロックフィンガープリンティングはコンピュータ機器が持つクロック指紋を抽出し、これを機器の識別・判別などに応用するソフトウェア技術であり、将来のIoTインフラの普及を促進する重要な要素技術となる可能性を秘めている。
従来技術・競合技術との比較
ネットワーク通信を介した多種の特徴データを用いた既存の機器識別手法と比べ、一つのクロックフィンガープリントで高精度なユニーク値を生成可能(低コスト)。また、物理複製困難関数(PUF)等の耐タンパ性の高いデータ保護技術のような特別なハードウェアが不要なので、既設の機器も含めて幅広く技術導入が可能(汎用性)。
新技術の特徴
・ネットワークに繋がったあらゆるコンピュータで使えます(サーバ、スマホ、ドローン、計測機器など)
・アプリケーションソフトウェアさえ導入できれば、その他特別なハードウェア装置は不要です
・既設の装置でも使えます
想定される用途
・詐称が困難なコンピュータ機器の識別(IoT機器などのセキュリティ基盤)
・ネットワーク上のディジタル機器資産の管理(企業などの業務支援、DX化)
・外部からの時間補正が無くても長時間正しい時刻を保つことができるコンピュータ装置
- 計測
仙台高等専門学校 総合工学科 教授 園田 潤
新技術の概要
人工衛星測位や複数センサにより指定した箇所を自動走行するクローラ型ロボットと、深層学習AIを用いた教師なし・半教師学習による画像自動識別により、地中レーダの問題点である自動走行化とレーダ画像の自動識別の両方を解決するものである。
従来技術・競合技術との比較
従来の地中レーダは、道路空洞点検用の自動車牽引型はあるが大型であることと人手による運転であった。また、レーダ画像の識別推定では、我々が開発したラベル付きデータからの教師あり学習であった。本技術では、これまでにない地中レーダの自動運転化と教師なし・半教師学習を実現するものである。
新技術の特徴
・自動走行
・AI画像識別
・教師なし・半教師学習
想定される用途
・河川堤防や床版などのインフラ内部の点検
・工事前の埋設管や遺跡などの地中埋設物の調査
・災害時の復旧捜索活動
- 製造技術
鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 講師 佐藤 涼
新技術の概要
天然シルク由来の高分子(シルクフィブロイン)を原料として、高分子、イオン液体、溶媒を含む混合溶液(ドープ)気中に押し出す、または乾固させることで、柔軟性・伸度を有した成形体を得ることができます。
従来技術・競合技術との比較
従来法で作製した高分子(シルクフィブロイン)の乾式成形体は、柔軟性と伸度が低く、紡糸工程の達成が困難なほど加工性に乏しい場合がありました。本発明では、不揮発性のイオン性液体を用いることで、これを可塑化剤の様に機能させたことに特徴があります。
新技術の特徴
・乾式成形
・天然高分子
・イオン液体
想定される用途
・生分解性バイオプラスチックの製造
・天然シルクに由来する不織布の製造
・溶融成形への適用による天然高分子ペレット素材の開発
- アグリ・バイオ
4)菌をこちらの都合に合わせる。新たな微生物分離戦略
発表資料呉工業高等専門学校 環境都市工学分野 准教授 木村 善一郎
新技術の概要
本技術はプラスミドを複合微生物系を対象に導入し、プラスミドが固有に持つ複製起点の種類により特定の系統の微生物のみを分離培養する技法である。複製起点のマッチングを選択圧とする本技術の利用により従来培地組成等を用いて制御していた微生物の群集構造をより厳密に制御可能となる。
従来技術・競合技術との比較
環境微生物の大半は培養困難であり、既存の有用微生物分離は全て「標的微生物が増殖可能な条件を探す」言い換えれば「菌にこちらが合わせる」培養法である。発表技術はプラスミドの宿主特異性を用いて標的系統に対し選択圧を付与する技術であり「菌をこちらに合わせる」という新たなパラダイムを提供する。
新技術の特徴
・プラスミドの宿主特異性を用いた環境微生物の特異的分離培養
・分離した時点で遺伝子改変可能
・プラスミドの複製起点の吟味で任意系統を分離可能
想定される用途
・放線菌の特異的分離培養技術→抗生物質生産細菌の新規バイオリソース開拓
・遺伝子改変可能株の新規取得法
・基質資化性に依拠しない新規微生物群集構造制御技法
- アグリ・バイオ
沖縄工業高等専門学校 技術支援室 技術専門職員 比嘉 修
新技術の概要
本提案技術は衝撃波による瞬間的な高圧力を利用した新たな加工方法である。水中で発生させた衝撃波を対象となる試料内部(主に農林水産物)に伝播させることにより組織に内在する音響インピーダンス差界面に対し選択的に力を作用させることが出来る。
従来技術・競合技術との比較
衝撃波による瞬間的高圧は試料内部まで伝播することができ、音響インピーダンス差のある面でのみ作用する。このため試料組織内部での局所破砕を起こし容易に剥離等の処理を行うことができる。また瞬間的高圧の作用時間は1マイクロ秒にも満たなく熱の上昇を伴わないため、非加熱での殺菌にも期待される。
新技術の特徴
・音響インピーダンス差(主に密度差)のある場所にのみ局所的い高圧力が作用
・熱による損失を伴わない非加熱処理が可能
・離れた場所から試料内部まで伝播させ遠隔での処理が可能
想定される用途
・試料構造の破砕による剥離、粉砕、軟化処理
・植物細胞構造の破砕による機能性成分の抽出向上
・細胞壁破壊による非加熱殺菌
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
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