大阪工業大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年11月05日(火) 13:25~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、大阪工業大学
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:25~13:30
開会挨拶
大阪工業大学 工学部長/工学研究科長 森實 俊充
- 13:30~13:55
- 材料
1)機能材料の微視構造設計法と発見したデジタル複合構造
大阪工業大学 工学部 機械工学科 教授 上辻 靖智
新技術の概要
圧電、圧磁、磁気電気効果の発現の鍵は材料の微視構造にあり、従来構造を超える潜在能力が未開拓です。本技術では、スケールを連成した独自開発の数値解析により機能特性を最大化する最適構造を探索できます。また、得られた最適デジタル複合構造を有する複合材料は、3Dプリンティングへ展開可能です。
従来技術・競合技術との比較
開発した数値解析による材料設計を可能とする汎用ソフトウェアは国内外においてありません。発見した最適構造の一例として、磁気電気複合材料では、従来材料において最大の特性を発現する積層構造と比較し、磁気電気定数を10倍以上に向上できます。
新技術の特徴
・材料の微視構造と設計対象の巨視構造を連成した最適設計を実現
・特性向上のメカニズムが明らかな最適デジタル複合構造を探索可能
・圧電セラミックス、磁気電気セラミック複合材料、磁気電気粒子分散高分子基複合材料において豊富な実績あり
想定される用途
・機能材料の微視構造設計、特性改善
・熱溶解積層や光造形などの3Dプリンティングによる材料、デバイスの創製
・スクリーン印刷法やスピンコーティングによるフィルム製作
- 14:00~14:25
- エネルギー
2)励磁巻線分離形構造を持つ鉄心レス小型軽量変圧装置
大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 教授 森實 俊充
新技術の概要
変圧器の重量化、大型化の原因である鉄心は、主磁束確保のため必要な部品であるが、本技術では小型軽量を実現する鉄心レス変圧器を発明した。具体的にはトロイダル巻線コイルを励磁巻線として一次・二次巻線と磁気的に分離する構造とし、加えて新たな励磁法により電気的な分離を行い、鉄心使用時同等の変圧器主磁束を確保する。
従来技術・競合技術との比較
変圧器では、一次巻線を励磁巻線と電力伝送巻線として兼用し、大型鉄心が主磁束の磁路確保および一次・二次巻線間の磁気結合機能を担っていた。今回、励磁機能及び電力伝送機能をそれぞれ鉄心レスのトロイダル巻線コイル及び1次巻線に分担させ、かつ構造と励磁法の工夫により、従来の鉄心の機能を実現し小型軽量化を行う。
新技術の特徴
・変圧器における励磁機能と電力伝送機能の分離
・変圧器の励磁電流制御による磁束分離(磁気結合制御)
・鉄心を使わない磁路の確保
想定される用途
・洋上風力発電における洋上変電所
・変圧器の軽量化が求められる応用例(移動体内蔵)
・高周波変圧器
関連情報
・展示品あり
- 14:30~14:55
- 計測
3)内水氾濫検知のための下水管構造を利用した電波による水位計測
大阪工業大学 工学部 電子情報システム工学科 教授 熊本 和夫
新技術の概要
内⽔氾濫は社会問題化している。内⽔氾濫を事前予測し、避難に応⽤するためにはマンホール内の⽔位計測が重要である。本技術はマンホールの構造そのものをアンテナとし、⽔位の変動による信号レベルの変化を検出することで簡易かつ安価にマンホール内の⽔位の計測を実現した。
従来技術・競合技術との比較
従来の下⽔管内の⽔位測定は、⽔圧式センサや電波(超⾳波)センサによる物がほとんどであるが、⽔圧センサは⾼額で下⽔による汚損や破損の問題、交換の⼿間など課題がある。また、電波等のセンサでは、⽔管内の⼿すりなどの構造物による反射により測定精度に問題が⽣じる。
新技術の特徴
・下水管の手すり構造をそのままアンテナとして活用する
想定される用途
・下水道の水位検知
・各種処理施設、工場等のタンクの水位検知
・河川等の水位検知
関連情報
・展示品あり
- 15:00~15:25
- 電子
4)疑似参照クロックによる新規スプリアス低減機構を有するフラクショナル-N PLL回路
大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 教授 吉村 勉
新技術の概要
Fractional-N PLL回路の性能向上としては、分周数の変動に用いられるΔΣ変調器の出力変動の影響をいかに低減させるかがポイントとなる。本発明では出力クロックを用いて疑似参照クロックを生成し、それと分周クロックとの差分や参照クロックとの差分を利用してスプリアスの低減を図る。
従来技術・競合技術との比較
Fractional-N PLLのΔΣ変調器によるスプリアスに対する従来の技術は、いずれも高度なデジタル補正技術や回路規模の増加を引き起こす。特にDTCベースの参照クロック経路補正では、遅延回路の遅延特性の線形性補正や環境変動に対するバックグランド補正が必須となる。本発明はコンパクトで外部補正不要のスプリアス低減を実現する。
新技術の特徴
・出力クロックによる疑似参照クロックと分周クロックとの比較信号を用いたリファレンス・スプリアスキャンセル
・疑似参照クロックと参照クロックとの比較信号によるフラクショナル・スプリアスキャンセル
想定される用途
・ワイヤレス通信向け集積回路
・高速デジタル通信向けネットワーク機器
・高精度タイミング測定および計測が必要な測定機器
- 15:30~15:55
- 環境
5)低コスト・安全な表面プラズマ拡大技術
大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 教授 吉田 恵一郎
新技術の概要
絶縁体表面に生じさせたプラズマを広く拡大します。プラズマを発生させる主電極と、プラズマを引き延ばすための副電極とを絶縁体表面に持ちます。スイッチング素子あるいはLC回路を駆使し、一つの電源でこれらの電極を駆動します。その結果、低電圧、低コストで表面全域のプラズマ化を実現します。
従来技術・競合技術との比較
基本形である表面バリア放電は、広範囲にプラズマを発生できません。これに対し、副電極の追加によりプラズマを拡大する技術がありますが、追加電源の必要性、高い駆動電圧などの問題があります。このような従来技術の持つ問題を解決することができます。
新技術の特徴
・材料表面の改質
・面発光デバイス(特に紫外線)
・高高度飛翔体の推進
想定される用途
・排ガスあるいは大気中の炭素粒子の捕集と分解
・VOC分解、オゾン発生
・イオン風アクチュエータ
関連情報
・デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
大阪工業大学 学長室研究支援社会連携推進課
TEL:06-6954-4140
Mail:oit.kenkyu josho.ac.jp
URL:https://www.research.oit.ac.jp/
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