PickUP!新技術
新技術説明会の技術シーズの中からピックアップした新技術をご紹介します。
CO2の有効利用とプロピレン製造を同時に達成可能な多機能触媒技術
CO2を酸化剤としたプロパン脱水素は、プロピレン製造とCO2の有効利用(CO製造)を同時に達成できる有望な反応であるが、それを高効率に達成できる触媒がこれまでなかった。本技術では多元素合金を用いた触媒の多機能化により、高い活性と選択性、耐久性、CO2利用効率を兼ね備えた超高性能な触媒反応系を実現できる。
IoT用電源を志向した超軽量・長寿命有機熱電発電素子
化学ドーピングによるカーボンナノチューブのp型/n型の作り分けと熱電モジュール製造に関するシーズ技術のほか、オールカーボンナノチューブ熱電素子の開発事例とIoTセンサへの給電について紹介します。
再生可能エネルギー導入拡大に資する水素製造と蓄電池技術
①極めて安価な材料で世界トップクラスの活性を持つ水電解用電極(触媒)とその電極の製造するプロセスを開発した。本技術の活用により、既存の水電解技術よりも大幅なコストダウンの実現と再エネ導入促進費用の削減が期待できる。
②安価な原材料と簡易な製造プロセスによって、「全固体蓄電池」や「ナトリウムイオン電池」の低界面抵抗、高安全性、高安定性、高出力化、高電池容量を実現した。本技術の活用により、次世代蓄電池の大幅なコストダウンも図れる。
安価で作成容易な"やわらかい"圧電材料
市販されている2種類の高分子を混ぜ合わせてコロナ帯電させることで、片側の電荷を長期間保持する圧電材料を開発した。この材料は、非常に高い柔軟性を持ち、液体のように自在な変形性を有する。ウェアラブルな圧電素子やアクチュエータなどへの適用が期待される。
半導体技術による次世代超低侵襲脳計測デバイス
半導体結晶成長技術の一つであるVLS法を用いて、直径5 µm以下の極微細電極を開発した。この技術は、現在世界最小の電極として位置付けられ、これまで課題とされていた侵襲性の低減や長期安定計測の実現に貢献する。本技術により,身体機能を補完するBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)や脳治療デバイス応用の市場の開拓が期待できる。また、これらの応用に向け、電極デバイスの無線化も進めている。
〔2025/02/20 JST研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)①~ICT、電子デバイス、ものづくり、アグリ・バイオ~ 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく水蒸気を利用した軽金属材料の高機能化
水蒸気を利用したプロセスにより、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属材料の強度と耐食性を同時に向上させる技術を開発した。本プロセスは、水のみで処理可能なため、低環境負荷かつ低コストである。
〔2025/02/20 JST研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)①~ICT、電子デバイス、ものづくり、アグリ・バイオ~ 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しくCO2吸着分離の新技術〜次世代材料の賦形と革新的プロセス〜
吸着法によるCO2分離回収に関する2つの新技術を紹介する。①次世代吸着剤として有力視されている柔らかい金属–有機構造体(Flexible MOF)の体積膨張に適応した賦形技術。②CO2を吸着した吸着剤を液体に浸漬することでCO2を脱着回収する新規手法とそのプロセス。
〔2025/01/23 京都大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく環境適合な有機ハイドライドの創出とグリーン水素の製造・貯蔵法の創製
本研究では、代表的なバイオマスであるセルロースから得られ、生分解性も有するグリーン溶媒を用いて、パン酵母によるアルコール発酵を活用した水素化と耐久性の高い金属触媒による温和な条件(100-180℃)での水素発生を組み合わせた、革新的かつ持続可能なH2製造・貯蔵サイクルを実証した。
〔2025/01/16 環境研究・技術開発(ERCA) 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しくケミカルリサイクルを前提としたプラスチック材料の新設計指針
既存プラスチックの合成の際に、分解コアをいれるだけで、分解性を付与できる技術である。分解は、ごく微量の光触媒存在下で対象に光照射するだけで、原料またはアップグレード品へと分解することが可能。光触媒を使うので、プラスチック自体は光のもとでも劣化しない。
〔2025/01/16 環境研究・技術開発(ERCA) 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく