PickUP!新技術
新技術説明会の技術シーズの中からピックアップした新技術をご紹介します。
熱放射を制御するメタレンズ型赤外放射メタ表面
金属ー誘電体ー金属ナノ構造からなるMIM型のメタ表面構造にメタレンズ構造を導入することにより、レンズを使わずに所望の焦点距離に放射光を集光する技術を開発した。
液体金属を用いた伸縮性放熱フィルム
本発明は、液体金属をナノ薄膜で封止し、伸縮性・高伝熱性・抗腐食性・絶縁性を同時に実現する新しい伝熱フィルムに関する。従来の膜に比べて極めて柔軟で、微小な凸凹への高い密着性が得られ、集積素子、ウェアラブルデバイス、スマートフォンの分野などへの応用が期待される。
コーヒー粕から得られた新しいホロセルロースナノファイバーとその優れた水再分散性
コーヒー粕の多糖類から機械解繊方式を用いて極細繊維幅(2-3 nm)のホロセルロースナノファイバー(HCNF)を開発した。ヘミセルロースのマンナンを多く含むHCNFの凍結乾燥体は、水への再分散性に優れ、保存・運搬が容易であり、食品・飲料品・化粧品への応用が期待できる。
医療のデジタル化を加速する局在診断・局所治療支援システムに関する研究
本技術では臓器内に包含された患部の位置と広がりを精確に診断(局在診断)・局所的に治療することで機能の温存を最大限可能とする局在診断・局所治療支援システムを新規に提案、その開発を目的とする。
生物発光を利用した生命現象を観察可能な発光材料の開発
ホタルなどの発光生物が示す発光現象は、生体内の様々な現象を観察可能な生体イメージングシステムとして広く応用されています。私たちは、発光基質の構造を改変することで、発光強度、波長、選択性などの特性を制御した発光材料を開発しました。これにより、多様な生命現象を可視化できるシステムの開発が期待できます。
ミリ波車載レーダのための前方歩行者を想定したイメージング及び識別技術
ミリ波車載レーダは視界不良状況でもセンシングが可能であるが、空間(水平方向)分解能が不十分であるため、特に前方の歩行者を識別することが難しい。これを解決するため新技術では、人体形状に特化したスパースアレイの設計法を提示し、かつ、レーダ移動を活用した合成開口処理を用いた虚像抑圧法を提案している。
CO2の有効利用とプロピレン製造を同時に達成可能な多機能触媒技術
CO2を酸化剤としたプロパン脱水素は、プロピレン製造とCO2の有効利用(CO製造)を同時に達成できる有望な反応であるが、それを高効率に達成できる触媒がこれまでなかった。本技術では多元素合金を用いた触媒の多機能化により、高い活性と選択性、耐久性、CO2利用効率を兼ね備えた超高性能な触媒反応系を実現できる。
IoT用電源を志向した超軽量・長寿命有機熱電発電素子
化学ドーピングによるカーボンナノチューブのp型/n型の作り分けと熱電モジュール製造に関するシーズ技術のほか、オールカーボンナノチューブ熱電素子の開発事例とIoTセンサへの給電について紹介します。
再生可能エネルギー導入拡大に資する水素製造と蓄電池技術
①極めて安価な材料で世界トップクラスの活性を持つ水電解用電極(触媒)とその電極の製造するプロセスを開発した。本技術の活用により、既存の水電解技術よりも大幅なコストダウンの実現と再エネ導入促進費用の削減が期待できる。
②安価な原材料と簡易な製造プロセスによって、「全固体蓄電池」や「ナトリウムイオン電池」の低界面抵抗、高安全性、高安定性、高出力化、高電池容量を実現した。本技術の活用により、次世代蓄電池の大幅なコストダウンも図れる。