PickUP!新技術
新技術説明会の技術シーズの中からピックアップした新技術をご紹介します。
熱可塑性CFRPと金属の高強度・高靭性な異種接合及び成形技術
熱可塑性CFRPと金属をホットプレスで強固に熱溶着する新技術を紹介します。主な特徴は以下の通りです。
①接合性に乏しいCF/PEEKと金属の異種接合が可能
②トレードオフ関係にある接合強度と靭性を両立可能
③1ショットで同時に接合と深絞り成形が可能
革新的水利用技術:高速ナノ液滴が拓く「超節水・薬剤フリー・濡れない」殺菌・洗浄
水蒸気を混合した加圧ガスを噴射ノズルから噴出することにより、水蒸気を大気により冷却・凝縮(液化)させ、高速で噴射されるナノメートルスケールの液滴(高速ナノミスト)を生成することが可能です。本技術は、その方法と装置に関するものです。
水で完全加水分解して水素を発生させるMg-Ca共晶合金
Mg‐Mg2Ca共晶相のラメラ組織からなる合金は、中性溶液下でも加水分解し、完全に加水分解するまで水素を発生させ続けるため水素発生合金として利用可能である。まず選択的にMg2Ca相が、続いてMg相が反応し、金属を構成する層が全て加水分解する。単位重量当たりの水素発生量が大きく、地球上に大量に存在し生態系に毒性の無いMgとCaのみから成る特徴を持つ。
発色を自由に制御できるメタマテリアル・イムノクロマトデバイス
金属ナノ構造から構成されるメタマテリアルを用いた発色構造を利用することで、生体分子や環境物質などの極微量の標的分子の存在を肉眼でも容易に識別できる色変化として指示することのできる新しいイムノクロマトデバイス。
周辺の振動や衝撃からエネルギーを創り出す発電デバイス
微弱な振動などのエネルギーを活用する環境適合型の発電技術(環境発電、エネルギー・バーべスト)は、IoTで必要となる無線通信機能を備えたセンサの自立型電源への応用に向けて注目されている。本発明技術は、電磁誘導現象を利用した新たな振動発電の方式とそのデバイス構造・材料に関するものである。
廃棄太陽光パネル由来のシリコンを還元剤とするCO2の還元的変換反応
太陽光パネルからの廃棄シリコンを還元剤として、CO2の還元反応を行い、ギ酸やメタノールへと変換する。フッ化物塩をこの反応の触媒として用いる。排気ガス中のCO2量の削減や、廃棄太陽光パネルの有価値リサイクルに貢献する。
農業用ハウスに向けた波長選択型有機太陽電池の開発
軽量、フレキシブルな有機太陽電池は次世代エネルギー源として期待されている。本発表では、農業におけるハウス栽培とエネルギー創生の完全両立を目的として、『青色と赤色光を農業、光合成への寄与が少ない緑色光を発電』に用いる緑色波長選択型の有機太陽電池(OPV)を紹介する。波長選択型OPVは農業用ハウスに直接搭載することができ、農作物生育を阻害することなく、農地を有効利用して発電することを特徴とする。
高速化学合成した糖によるバイオものづくり
ホルムアルデヒドを原料に糖を合成する新規触媒反応プロセス、ならびに触媒化学的に合成した糖を利用する有用有機物のバイオ生産プロセス。このプロセスでは、将来的に、CO2とH2Oを原料として糖が化学合成されるため、従来型バイオリファイナリ技術が抱える諸課題の大幅な緩和が期待される。
リグニンからのモノマー製造による化学工業原料への展開
再重合の抑制技術と触媒変換を組み合わせた「熱分解支援接触分解」により、リグニンから60mol%以上の高収率で芳香族モノマーを得る技術を提案する。また、得られたモノマーを気化させ気相で接触分解し、フェノール類、シクロヘキサノール(ナイロン製造原料)、シクロヘキサン類、BTXなどをオンデマンドで製造する技術を提案する。