PickUP!新技術
新技術説明会の技術シーズの中からピックアップした新技術をご紹介します。
低濃度ガスやニオイの常時モニタリング~糖尿病の早期発見に向けて~
酸化亜鉛のベルト形状を有する多孔質構造体に関する発明。また、これを使ったガスセンサに関する発明。アセトンに対して、低濃度まで検出可能で、検出下限が73pptである。酸化物を使ったガスセンサでこれまで低濃度で検出できるのは珍しい。
動物実験を代替する生体模倣マイクロチップ
本技術は、動物実験を代替し、各臓器の薬効/毒性評価を可能する「マイクロ流路チップ」に関するものである。血液脳関門(BBB)をモデルとして、チップ流路内の表面張力と摩擦力の制御により、作製時の歩留まりが高く、視認性に優れたチップ作製に成功した。
有害物質を高価な試薬を使わず迅速・簡便に測る
有害物質のシアン含む水中の窒素・炭素含有化合物を高価な発色試薬や装置を使わずに安価・迅速・簡便に測定する方法。紫外光光反応により試薬を使わずに化合物の化学形態を変換し、吸光光度計等の安価な装置で測定する。
接着剤を鞘に持つ繊維で不織布の強度を向上
接着性樹脂ポリビニルブチラール(PVB)をポリエステル繊維を芯とした繊維の鞘に配置し、ニードルパンチ不織布に混ぜ込んだ。この不織布を熱処理することによって接着剤同士が融着し、不織布の強度が増加した。
〔2024/08/01 信州大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しくシリコン切削くずの再利用:粉末状シリコンの表面修飾による再資源化
シリコンは空気との屈折率差が大きいために光を反射するので、黒色度を増すには、サブミクロン級の突起物を均一にコーティングする必要がある。本技術は、天然由来原料に基づく突起物を粒子表面全体に均一コーティングするものであり、突起物に疎水性分子を高密度に吸着させることで、撥水性黒色粒子を得ることもできる。
〔2024/08/01 信州大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく易成形・迅速応力緩和を実現するアクリル系ビトリマー
ビトリマーは「架橋を解かずに架橋構造を組み換えることが可能なネットワークポリマー」のことである。本発明では、側鎖にカルボキシ基をもつポリマー(アクリル酸共重合体など)と、市販の架橋剤からビトリマーを誘導した。この架橋樹脂をプレス成形でき、作成したフィルムは迅速な応力緩和を示したほか、脱架橋も容易である。
〔2024/08/01 信州大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく竹のチカラで紫外線を防ぐ
竹林面積の増加に伴う竹害は深刻であり、竹の有効活用は「生物の多様性と居住地の保護」「天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用」に繋がる。私共は竹抽出エキスに紫外線(UVA及びUVB)吸収効果があることを明らかにした。さらに、紫外線吸収成分として竹に含まれる2つの物質を特定することができた。
樹脂への塗布が可能な親水性シルセスキオキサンを用いた防曇ハードコート
本材料は、カルボキシ基を有するシルセスキオキサンとオリゴエチレングリコールがエステル結合した架橋型ポリマーをベースにした、防曇性、ハードコート性、耐水性(耐久性)および樹脂基板への密着性を併せ持つ防曇ハードコートである。
ナノバブル:生命科学とサステナブル農業への応用展開
ナノバブル技術には従来の洗浄と異なる革新的な機能が期待できる。純水に微量の無機イオンを加えることで、長期間安定したナノバブルの製造に成功した。ナノセルとも呼ぶことができる10nmレベルの分散微粒子である。新しいナノバブルについて、医療やバイオ、農業分野での応用の可能性を紹介する。