PickUP!新技術
新技術説明会の技術シーズの中からピックアップした新技術をご紹介します。
木材もアラミドも溶かす!難溶性分子の超高効率加工技術
従来溶解・分散が困難であった難溶性分子に対して、単位ユニットあたりに対して触媒量の嵩高い有機超塩基(BOS)を溶解補助剤として添加することで、その超効率的溶解・分散・修飾を可能にする技術。セルロースや木材を室温数分で有機溶媒に溶解し、修飾反応も極めて高速に完結する。アラミドやπ共役分子などの様々な難溶性分子も同様に扱うことができる。
〔2025/09/04 金沢大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しくウサギ単鎖抗体による次世代高感度イムノクロマト検査
独自技術によるイムノクロマト検査開発プラットフォームを確立した。ウサギ単鎖抗体に基づく高親和性クローンの獲得から特異性・特性変換、分子配向制御、大量生産技術を組合せ、高感度で低コスト、さらに動物倫理に抵触しない汎用的な免疫検査法を提供する。
多重刺激によって分解を開始する循環指向ポリマー
100℃以上のガラス転移温度を示す脂肪族縮合系ポリマーにおいて外場による応答をトリガーとして加水分解が起こるシステムを開発しました。モノマーの合成法として廃プラスチックのアップサイクリングも利用可能で、ろ過だけで高純度モノマーが得られるため、省溶剤・省エネルギーのコストメリットも見込めます。
CO2マイクロ波プラズマ/バイオマス流動層によるCO製造
本法では、マイクロ波プラズマとバイオマス流動層を融合し、プラズマの形成エネルギーのみで二段階の反応を行い、CO2から高濃度COを製造する。具体的には、プラズマによりCO2をCOとOに電離し、CO2由来のCOを製造する。また、同時に生成したOをバイオマスと反応させ、バイオマス由来のCOを製造する。
〔2025/08/07 九州大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しくアルコール・界面活性剤フリーの安全な害虫忌避(虫よけ)剤
蚊媒介感染症の拡大対策として、安心・安全な虫よけ剤の開発を目指した。従来の忌避剤はアルコールや界面活性剤を含み、生体安全性に課題があった。本技術は、アルコール・界面活性剤を一切使用せず、水中油滴型エマルションとして天然成分を安定分散させる処方開発に成功したものである。
ヒトの匂いを離れた場所から高速検出:蚊触角を用いた匂いセンサ
本技術は、蚊の卓越した嗅覚を応用したバイオハイブリッド型のヒト臭検出センサである。ヒト特有の匂いを高感度に検出し、視界不良や瓦礫下など画像センサが機能しにくい災害現場での要救助者探索に貢献する。小型化・ロボット搭載が可能で、今後の防災分野への応用が期待される。
吹き付けて傷を治す粉体
冷水魚のスケソウダラから抽出したゼラチンを主成分とし、湿った生体組織に吹き付けるだけで傷口に接着して被覆し、傷を治す粉体を開発しました。内視鏡で切除した早期消化管がん部位に適用すると効果的に傷口を被覆して治癒を促進する特徴があります。
〔2025/07/31 物質・材料研究機構 (NIMS) 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく高強度ゲル電解質の創製とリチウム金属負極への応用
高濃度リチウム塩が溶解した有機溶媒(有機電解液)と水素結合性高分子から形成される、非常に高強度な高分子ゲル電解質を開発した。この高分子ゲル電解質をリチウム金属負極に塗工して人工的な保護被膜とすることで、リチウム金属負極を用いる二次電池のサイクル特性の大幅な向上が確認できた。
〔2025/07/31 物質・材料研究機構 (NIMS) 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく金並みの導電性、7 eV超の仕事関数、高耐久性の酸化物薄膜
高い導電性を持つ酸化物薄膜を2インチウエハにスパッタ成膜しました。厚さ30nm程度の薄膜で、抵抗率が約4μΩcmです。化学的に安定で、高い剥離強度と大気中800℃の耐熱性を備えています。層状の結晶構造により、7eV超の高い仕事関数を持ちます。近赤外線1550nmをよく透過します。エレクトロニクス、電極触媒など幅広い用途を想定しています。
〔2025/07/31 物質・材料研究機構 (NIMS) 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく




