PickUP!新技術
新技術説明会の技術シーズの中からピックアップした新技術をご紹介します。
CO2をメタンへ還元する分子性触媒と電極化技術の開発
発表者独自の金属-硫黄錯体(分子)が、分子触媒としては世界最高の活性でCO2をメタンへ直接還元できることを見出した(論文未発表)。電子源として還元剤を用いて検討してきた本反応を電解反応へと展開すれば、再生可能エネルギー等に由来する電気エネルギー(電力)を化学エネルギー(化学結合)の形で長期間保存しつつ、社会的要請度の高いCO2削減と燃料再生を両立する手段を提供できる。そこで、電極表面で錯体を重合させ、電極触媒化した。
新材料「熱電永久磁石」に基づく次世代発電・冷却技術
永久磁石でありながら、熱から発電したり、電流を流すことで冷却したりできる新しい機能性材料「熱電永久磁石」を開発した。本技術は、磁石という身近な材料で環境発電や熱マネジメントを行う新たな手段を提供するものである。
自己修復とケミカルリサイクルがともに可能な光学樹脂の開発
本発明は、室温で硬化可能な樹脂組成物であり、自己修復性だけでなく、解重合によってケミカルリサイクルも可能な材料です。その樹脂組成物から成形されたフィルムは、高い屈折率と透明性を有し、柔軟性にも優れます。また、破損した場合は破損部の自己修復が可能で、性能が劣化した場合に再生することができます。
脱泡剤はもう使わない!泡沫の脱泡技術の提案
製造や輸送、使用過程において、泡沫が発生し、製品性能や効率の低下が頻繁に起こります。多くの場面では脱泡剤が使われていますが、その選択は経験的に行われていることも少なくありません。発明者は、泡沫の様々な特性について、物理学的な理解を目指して研究を進めています。今回の発表では、消泡剤を用いない簡易な脱泡装置についてご紹介します。
CRISPRに依存しない真菌における非遺伝子組換え型ゲノム編集
CRISPRシステムを用いたゲノム編集は様々な研究分野において利用されている。一方で産業利用においては高額かつ複数のライセンス契約が問題となることもあり、真菌においては非遺伝子組換え型でのゲノム編集が困難な場合もある。新技術はこれらの問題を解決するための自律複製ベクターやゲノム編集ツールを提供する。
〔2024/11/07 東京理科大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく目に見えない光を利用した材料や食品などの深部組成や異物の見える化
分光画像技術は、材料や食品などの深部組成や異物を可視化することができ、工場での工程管理や品質管理など、産業界にも広く実用化されている。この技術を可視光域から近赤外領域までの波長域に拡張し、計測範囲の広範囲化のみならず、ボアスコープやファイバースコープを利用した狭所での計測が可能な内視鏡を開発した。
〔2024/11/07 東京理科大学 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しくメタマテリアル電波散乱シート ー貼るだけで5G電波の不感地帯をなくすー
ミリ波帯の電波は直進性が強く、アクセスポイントから見通せない場所にある端末とは通信しづらいが、本技術は、シートに当たった電波を様々な方向へ散乱させることで通信を可能にする。さらに、メタマテリアル技術の採用により薄型化に成功、シート上に設けた保護層は、意匠性だけでなく散乱性能の向上も実現させている。
〔2024/10/24 情報通信研究機構 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく脳波を用いたメンタル状態の推定技術
情報の受け取り方はメンタルの状態によって異なり、普段ならば問題ないと感じる話題も、気が滅入っているときにはストレスと感じることがあります。この技術は、日常的な音声情報に対する脳の反応を解析し、情報に対する負荷の大きさをとらえることで、個人のメンタル状態を推定します。
〔2024/10/24 情報通信研究機構 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しくノイズを利用した情報処理:超省エネAIを目指して
生命はノイズを「ゆらぎ」として活用し、高いエネルギー効率で情報処理を行います。私たちは、情報処理として自己符号化に着目し、ゆらぎを活用する人工ニューラルネットワークのメカニズムを解明しました。この応用により、理想的には従来の1/100~1/100万という超低電力のAI用計算機が誕生する可能性があります。
〔2024/10/24 情報通信研究機構 新技術説明会【オンライン開催】〕 さらに詳しく